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2019年01月24日(Thu)

一般社団法人が作成する決算書
Q:当法人は、スポーツの普及を目的とする一般社団法人●●協会です。

会員は100名以上います。

決算書を作成する場合、どのような会計基準に基づいて作成すればいいでしょうか?


A:公益社団法人を目指しているのであれば、公益法人会計基準に基づいて決算書を作成するのがいいと思います。

公益社団法人を目指す可能性がほとんどないのであれば、NPO法人会計基準に基づいて作成することが考えられます。




<解説>

一般社団法人は、一般社団・財団法により、損益計算書、貸借対照表及び附属明細書の作成が求められます。


従って、収支計算書はまず除外されます。

一般社団・財団法施行規則で、どのような会計基準を使えばいいのかについては、特に義務付けられている会計基準はありませんが、一般に公正妥当と認められる会計の基準その他の会計の慣行によることが求められています。

従って、なんらかの会計基準に基づいて決算書を作成する必要があります。


損益計算書型の会計基準として考えられるのは、企業会計基準、公益法人会計基準、NPO法人会計基準です。

企業会計基準は、営利法人の会計基準で、主に利益計算に主眼があり、利益を「売上総利益」、「営業利益」、「経常利益」、「税引前利益」、「当期純利益」の5つに分けて表示をします。

スポーツの普及を目的とする一般社団法人にとっては、決算書の主な目的は、利益を計算することではありません。

会員の方や、あるいは助成金、寄付金を受けるような場合には助成先、寄付者等に、どのような活動をして、どのようなことにお金の使われ方をしたのか、適正なお金の使われ方をしているか、その活動のための資金をどのような形で調達しているのか、そして、その結果どれくらい財政的な基盤の安定化につながる利益に相当するものがどれくらいであったのか、ということです。

そうすると、企業会計基準は、ふさわしくないと思われます。

公益法人会計基準に基づいて決算書を作成する方法も考えられます。

公益法人会計基準では、損益計算書に相当する会計書類を「正味財産増減計算書」といいます。

公益法人会計基準は、公益認定を意識して作られた会計基準ですので、公益社団法人を目指す一般社団法人は、公益法人会計基準に基づいて決算書を作成することが求められます。


公益法人会計基準に基づいて作成していないと、公益認定を受ける際に作成する様々な書類を作成する際に、非常に不便になるからです。

一方で、公益社団法人を目指していないのであれば、無理に、公益認定を意識して作られた公益法人会計基準に基づいて決算書類を作成する必要はありません。


一般市民に対する情報公開に資するために作られたNPO法人会計基準で決算書を作成することが考えられます。

NPO法人会計基準は、小規模な団体をベースにして作られた会計基準で、Q&Aなども充実していますし、会計ソフトも安価ですので、公益社団法人を目指す可能性がほとんどないのであれば、NPO法人会計基準で決算書を作成することが考えられます。






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