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2019年01月16日(Wed)

一般社団法人の法人税の申告
Q:一般社団法人として設立しました。一般社団法人は非営利法人ですので、会費や寄付金などには課税されないと考えていいでしょうか?



A:一般社団法人には、法人税法上は、非営利型の一般社団法人と非営利型以外の一般社団法人があります。

 会費や寄付金に課税されないのは、非営利型の一般社団法人だけです

 非営利型の一般社団法人になるためには、一定の要件を満たしている必要があります。

 非営利型以外の一般社団法人に該当していれば、毎年法人税の申告が必要になります。



<解説>

 一般社団法人の設立が増えていますが、一般社団法人の中でも税法上の扱いが2つに分かれることはそれほど知られていないように思います。

 私の今までの経験でも、非営利型の一般社団法人であると考えて、法人税の申告をしていない一般社団法人が、よく見ると、非営利型の要件を満たしていないケースが驚くほど多くあります。

 これは、法人税のことを考えずに、定款や役員構成を決めてしまうことに由来しています。

 司法書士の方に法人の設立を依頼するような場合であっても、司法書士の方は、税金のことまで意識して定款を作らないケースが多いようで、非営利型の要件を満たしていないケースが多いです。

 つい最近も、非営利型要件を満たしていないのに、非営利型だとずっと思っていたという一般社団法人の方にお会いしました。

 非営利型の一般社団法人は、法人税法上は、さらに「非営利徹底型の一般社団法人」と「共益活動型の一般社団法人」に分かれます。

 このうち、非営利徹底型の一般社団法人は、以下の要件を満たす必要があります。

@  剰余金の分配を行わないことを定款に定めていること。

A 解散したときは、残余財産を国・地方公共団体や一定の公益的な団体に贈与することを定款に定めていること。

B 上記1及び2の定款の定めに違反する行為(上記1,2及び下記4の要件に該当していた期間において、特定の個人または団体に特別の利益を与えることを含みます)を行うことを決定し、又は行ったことがないこと。

C 各理事について、理事とその理事の親族等である理事の合計数が、理事の総数の3分の1以下であること。


このうち、@とAは、「定款をどのように作成するのか」により、決まってきます。

非営利型の一般社団法人にしたいのであれば、定款の作り方を@とAの要件を配慮したものにしないといけないのです。

この配慮ができていない定款が非常に多くあります。

さらにBは、「役員構成をどうするのか」によって決まってきます。

Bの要件を満たすためには、理事を3名以上にし、さらに、3分の2以上は親族以外の方に理事になってもらわないといけません。


この要件が満たせないようであれば、一般社団法人でも、法人税上の扱いは、株式会社と同じであり、毎年法人税の申告をする必要があります。

非営利徹底要件については、以前のブログに詳しく書いていますので、それを参照ください。

https://blog.canpan.info/waki/archive/582
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