CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る

«小規模な団体が最低限満たさなければいけない会計帳簿は | Main | 助成先に対する会計報告»

2019年01月14日(Mon)

クレイグリストとNPO会計道

私は、小さな会計事務所の所長です。

小さいとはいえ一応事業主ですし、NPOの理事長もしているので、組織をどう運営していったらいいのか、など考えることもあり、有名な経営者の本や、経営関係の本など読むこともあるのですが、なかなかピンときません。

実は、何年も前から気になっている組織があります。

それは、クレイグリストという、アメリカでは誰でも知っている有名なサイトを運営している会社です。

クレイグリストは、「ウエブ進化論」で有名な、梅田望夫から、「頑固一徹のクレイグリスト」として、以下のように紹介されています。

https://japan.cnet.com/blog/umeda/2004/09/08/entry_10_craigslist/

「CraigslistのCraigの頑固さ、一徹さの「凄み」は、度を越えている。ロンドンとは違い、サンフランシスコといえば、インターネットブームの中心に位置していた。

彼は、90年代後半のこの地の異常なまでの興奮、高揚感にも全く巻き込まれず、会社を一気に巨大化することにも株式公開にも興味を示さず、バブル崩壊後の混迷とも無縁に、ただ淡々と、Craigslistの更新を続けていたのである。



わずかな人数で、圧倒的なアクセスを誇るWEBサイトを構築し、世の中に貢献する姿が、憧れでもあり、どんな考え方なのか、もっと知りたいという思いがありました。

前から気にはなっていたのですが、あまり詳しくは調べてきませんでした。

今回、ネット上にある情報だけですが、どんな考え方で運営されているのか調べてみました。

主に、以下のサイトを参考にしました。

『craigslist』創設者が語る、コミュニティー・サイト成功の秘訣

ユーザーとの信頼こそがコミュニティを強くする

1. クレイグリストについて

クレイグリストとは、1995年にアメリカでクレイグ・ニューマークによって開設された、地域ごとの不動産情報や求人情報などが掲載されたウェブサイトの名称。

毎月20億ページビューを超えるアクセスがあり、毎月8000万件以上の広告が投稿されている、アメリカ人ならだれでも知っているサイト。

英語圏のサイトでベスト10に入るほどのアクセス数を誇るそうです。

でも、サイトは、旧式で、まったく垢抜けず、広告もほとんどないサイトです。

従業員も数十名でずっとやっているそうです。

それでも、米国の名だたる企業がWEB上で類似のサービスを展開しても、まったく歯が立たないそうです。

その秘密は何なのか?


2. クレイグリストの考え方

クレイグリストの方針として、「ユーザーとの信頼こそがコミュニティを強くする」などでは、以下のようなことが紹介されています。

「ブランド化しない、儲けようとしない、競争しない」ことを常に経営の理念にしています。

「世界最大かつ、最も人々の役に立っている地域情報サイト」であり、「ユーザー間の信頼の上に成り立つコミュニティを構築し、オンライン民主主義を確立する」

「収益拡大は考えていない。ユーザーにアパートや仕事を見つけるお手伝いができたらそれでいい」


アメリカというと、事業を拡大して、上場して、売却益で大金持ちになることをみんな目指すというイメージがあるのですが、その対極にある考え方で、世界有数のWEBサイトを築き上げた、ということに感嘆します。

しかし、それにしてもここまですごいサイトになった理由は何なのか、もう少し突っ込んでみてみます。


3. 信頼の文化をWEB上でどう築くか

さらに、「『craigslist』創設者が語る、コミュニティー・サイト成功の秘訣」のインタビュー記事では、以下のようなことが述べられています。

当初は、サンフランシスコのアートやテクノロジーの分野での出来事について伝えることしか考えていませんでした。サイトにあるものほぼすべては、ユーザーからのフィードバックに基づいています。正直に言って、私にはビジョンのかけらもありません。

利用者の意見を積極的に聞くということ。相手の立場に立ち、自分ならこう応対してほしいと思うやり方で相手に応対するよう努力し、信頼の文化をどうにか築いています。

何かを作り、フィードバックを得て、それが示唆する意味をくみ取るよう努力します。これに対応するものを次に作り、さらに意見を聞くという繰り返しです。

壮大な構想に着手する代わりに、私たちはほんの少しずつ前に進むことにしました。私たちは実際のニーズに応え、人々を支援するという観点から現実的に取り組むよう努めており、これがうまくいっているように感じられます。「市場とは会話である」という誰かの言葉を覚えていますが、それは正しかったのです。


WEB上で、信頼文化を築くことにこれでもか、というほど拘っているのです。

創業者であるクレイグニューマークは、今でも、昔と変わらずこつこつとユーザーからのメールに対応し、カスタマーサービスを続けているそうです。

「肩書?カスタマー・サービス係だ。朝から晩までそれしかやってない」

カスタマー・サービスなんて、とあまりまともに受け取らないのが米国の企業文化。企業の経営者は普通、顧客とは直接の関わりをもたず、その声を聞かなくなる。それが大問題を引き起こす原因だ。

我々はカスタマー・サービスを真剣に考え、利用者の声を聞き続ける。


asahi.com より


私は、この話を聞いて、宮沢賢治の「雨ニモマケズ」を思い出すのです。

「アラユルコトヲ、ジブンヲカンジョウニイイレズニ、ヨクミキキシ、ソシテワスレズ」

「ミンナニデクノボートヨバレ、ホメラレモセズ、クニモサレズ」


先日、あるところで、この「雨ニモマケズ」は、宮沢賢治が自分の手帳に書きなぐったもので、賢治が死んだ後に、お姉さんが遺品整理をしたときに見つけて発表したものだ、という話を聞き、感動しました。

賢治にはこの「雨ニモマケズ」で、世の中から評価されようとか、人を感動させようとか、そんな気持ちはまったくなかったのです。

このNPO会計道も、クレイグリストに比べれば話にならないレベルですが、非営利団体の会計税務というニッチな分野のクレイグリストを目指していきたいな、と思っています。

トラックバック
ご利用前に必ずご利用規約(別ウィンドウで開きます)をお読みください。
CanpanBlogにトラックバックした時点で本規約を承諾したものとみなします。
この記事へのトラックバックURL
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
トラックバックの受付は終了しました

コメントする
コメント