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2016年11月24日(Thu)

NPO支援
NPOに関わるきっかけ


私は、25歳の時から2年間、青年海外協力隊に参加し、西アフリカのコートジボワールで過ごしました。

私はこのコートジボワールの協力隊第一号の隊員でした。

協力隊自体は50年の歴史があるのですが、コートジボワールはそれまで派遣がなく、私ともう一人の隊員が初隊員でした。

当時は、インターネットもありませんし、「地球の歩き方」はありましたが、コートジボワールは出ておらず、まったく情報がありませんでした。

先輩隊員がいれば、どこにどんなものがあるのか、どこが危ないのか、どんな食べ物に気を付ければいいのか、など色々な情報があるのだと思うのですが、そのような情報は大使館の情報などほんのわずかしかなく、本当に心細い思いをしました(特に怖いのは、「治安」と「病気」で、この2つの情報不足でたくさん痛い目にあいました)。

そんな心細い中で、私は現地のコートジボワール人に本当に親切にしてもらいました。

特に、職場の仲間には、いろいろなところに連れてってもらい、教えてもらい、なんと彼女まで紹介してもらいました。

何よりも、当時ほとんど協力隊員としては役に立たなかった私を尊重してくれました。

私は2年間の任期が終わって、日本に帰ってきたときに、自分は海外で生活するよりも、日本にいる外国人を支援する活動がしたい、と思いました。

自分の見知らぬ、習慣も、言葉も違う国で、知り合いもほとんどいない中で暮らすことがどんなに心細いか、そんな時に親切にしてもらうと、どんなにうれしいか。自分の存在を認めてくれるとどんなにうれしいか。

そして、異国でその国に親切にしてもらい、尊重してもらった経験をもった人が自分の国に帰ったら、いつまでも日本のことを好きでいます(私がそうです)。そういう日本で住んだことがある外国人が、日本のことを好きになって、それが世界中に広まってくれたら、それが日本という国の大きな底力になるのではないか、そんなことを思っていました。

帰国して、税理士になってから、私は外国人に日本の生活習慣や、日本語を教えるNPOに参加しました。

そのNPOは、毎週1回、日本語教室を池袋の公民館でやっていました。

参加料は無料だったと思います。

当然、参加者は、大使館や大企業に勤務しているような人ではなく、今でいえばコンビニでアルバイトをしているような感じの、アジア人や中南米の人が中心でした。

この団体に参加したのが、私のNPOの原点でした。


なぜNPOの会計と税務の支援をするようになったのか



ところが、その最初に参加したNPOで、またまた私は全く役に立ちませんでした。

というのも私がいたコートジボワールはフランス語圏で、その団体では、フランス人はほとんど来ませんし、フランス語を話す人が多いアフリカ人は、日本では非常に少ないですので、フランス語のニーズがほとんどなかったのです(その上私のフランス語のレベルも低かった)。

それでどうしたか、というと、考えた末に、自分の持っているスキルを活かす方法として、「外国人向けの確定申告のセミナーをしたらどうか」(もちろん、英語で)と提案をしました。

アルバイトをしている外国人などは、確定申告をすればみんな還付になるのに、おそらく確定申告をしている人はほとんどいないだろう、と思ったからです。

自分では「いい案だ!」と思って、採用もしてもらったのですが、実際の参加者は、2人だけでした。

おそらく意図が通じなかったのでしょうね。

しかし、そのうちの1人がとっても喜んでくれて、「ワンダフル!!」と言ってもらえました。

そこで思ったことは、特定の活動に関わるよりも、自分が持っている会計と税務というスキルを活かして、NPOの活動全体に関わるほうが世の中に貢献できるのではないか、ということでした。

私は税理士という職業を活かして社会に役に立つ仕事がしたいと思ってこの仕事を志しましたが、どういう人の役に立ちたいか、ということについて、「人の役に立ちたいと思っている人の役に立ちたい」と思うようになりました。


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