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2011年07月08日(Fri)

公益社団・財団法人等と税額控除
認定NPO法人に対する寄付金に税額控除が認められるようになったということは、先日の新寄付税制のパワポや動画でもお知らせしたとおり。


それでは、公益社団・財団法人や社会福祉法人、学校法人、更生保護法人(以下「公益社団法人等」とします)などはどうなの?という疑問が出てきます。


これらの法人については、所得控除方式の寄付金控除は、法人格をとれば無条件で認められるのですが、税額控除方式の寄付金控除は、認定NPO法人の認定要件であるパブリックサポートテスト(以下「PST」とします)と同様の要件等を満たしていないと受けられないことになっています。


この「PSTと同様の要件」というものがどういうもので、税額控除を受けるためには具体的にどのような手続きをしたらいいのか?ということについて、先日、公益社団法人公益法人協会の説明会に行ってきたので、その内容について、まとめることにします。


なお、詳しいことは、公益社団・財団法人については、「税額控除に係る証明〜申請の手引き〜」にでています




1. PSTと同様の要件


公益社団・財団法人の場合には、公益認定の要件を満たしているだけでなく、さらにPST要件を満たしている必要があります。


社会福祉法人や学校法人についても同様です


PST要件を満たすためには、実績判定期間において、以下のいずれかの要件を満たす必要があります


要件1 3,000円以上の寄付金を支出した者が平均して年に100人以上いること(絶対値基準) 
 

要件2 経常収入金額に占める寄付金等収入の割合が1/5以上であること(相対値基準)


詳しい内容については、このブログでも何回も説明していますので、省略します


実績判定期間とは、原則として直前5年内の事業年度ですが、23年〜25年の間の申請については、直前2年内の事業年度でも出来ることとなっています。


おそらく大部分の法人が直前2事業年度で申請するのではないかと思います。


なお、実績判定期間の算定にあたっては、特例民法法人又は一般社団・財団法人であった期間における事業年度も含みます。


2. 申請作業


税額控除対象の法人になるには、公益社団・財団法人であれば、公益認定を受けた所轄庁に申請をします。

 
申請書類はとても簡単で


@ かがみ文章

A 寄付金受入明細書

B チェック表(要件2:相対値基準の場合)



の3つだけで、かがみ文章はとても簡単なので、絶対値基準なら実質的に寄付金受入明細書だけです(チェック表は、慣れない人にはちょっとだけ難しい)


この辺は、公益社団・財団法人は、すでに公益性については認定を受けている法人なので、PST要件の判定は出来る限り簡素化しようという配慮があったようです


申請が認められた場合には、証明書が発行され、税額控除の有効期間は、証明を受けた日から5年間です。


その間、税額控除のための新たな書類の提出は必要ありません。


3. 要件1 絶対値基準で申請する場合


要件1(絶対値基準)で申請をする場合には、かがみ文章以外に「寄付金受入明細書」の提出が必要です。

 寄付金受入明細書は、次の事項の記載が必要です


@ 寄付金受領年月日

A 寄付者氏名

B 住所・所在地

C 受領寄付金額



ただし、住所・所在地を、「寄付金受入明細書」本体に記載せず、別途の資料として作成・保存している場合には、その資料を添付すればOKだそうです。


寄付金受入明細書には、法人の役員(理事、監事及び清算人等)と他の寄付者と生計を一にする者がわかるようにして記載することになっています


これは、法人の役員は100人の判定に際して、寄付者の数にカウントされないこと、生計を一にする寄付者は、一人としてカウントすること、という理由から来ています


この受入寄付金明細書に、すべての寄付者を書かなければならないのか?という疑問がありますが、内閣府の方の説明では、過去2事業年度で申請する場合には、寄付者が200名を超えれば満たしていることが明らかなので、余裕を持って250名くらいの方の記載をしてもらえれば、それ以上の記載は不要ということでした(あくまで、公益社団・財団法人が申請する場合の役所の見解ですので、ご注意ください)。


4. 要件2 相対値基準で申請する場合


相対値基準で申請する場合には、かがみ文章以外に「受入寄付金明細書」と「チェック表」が必要です。


相対値基準は、経常収入金額のうちに寄付金等収入金額の占める割合が20%以上であるかどうかで判定をしますが、この判定の際に、一人の人から多額の寄付金を受けている場合に、その一部を分子の「寄付金等収入金額」から控除するという計算が必要になります。


この、一人あたりの寄付金を分子に算入できる限度金額のことを「基準限度額」といいますが、寄付者からの寄付金が、この「基準限度額」を超えているかどうかがわかるようにするために、相対値基準の場合には、「受入寄付金明細書」が絶対値基準の場合よりも少し複雑になります


詳しい記載方法は、「申請の手引き」を見ていただければいいと思います


また、相対値基準では、分母の「経常収入金額」、分子の「寄付金等収入金額」の計算が複雑ですので、そのために「チェック表」を付ける必要があります。


認定NPO法人の申請書にも同様の書類がありますが、それよりもかなり分かりやすいと思いますし、電子申請をする場合には自動計算もしてくれるので、認定NPO法人の申請に関わっている者としては、かなりうらやましいです


5. 証明書の発送


税額控除の証明書を受けた場合には、領収書といっしょに証明書の写しを寄付者に交付しなければいけません


寄付者は、税額控除を受ける場合には、確定申告で、領収書だけではなく、この証明書の添付も必要になってきます


これは、公益社団法人等であるだけでは税額控除を受けられるかどうか判断が出来ないからです。


また、もし23年1月1日時点ですでに公益社団・財団法人になっていれば、23年1月1日寄付分に遡って税額控除が受けられます(年の途中で公益社団・財団法人になっていれば、その時点からの寄付分が対象)。


すでに領収書を寄付者に発行している場合には、改めて証明書を発送する必要があります


なお、特例民法法人については、かりに特定公益増進法人に該当していたとしても、税額控除は受けられません。


6. その他


証明を受けた後に、次の書類を主たる事務所に備え付け、閲覧の請求があった場合には閲覧に供する必要があります(該当する項目がない場合には必要なし)。

@ 従業員給与支給規定

A 役員、役員と親族関係を有する者、役員と特殊の関係にある者からの一事業年度における受入寄付金の合計額が20万円以上である場合には、その寄付金支出者の氏名、寄付金の額、受領年月日

B 他の法人へ支出した寄付金の額、相手先、支出年月日


7. まとめ


絶対値基準でクリアできる場合には、申請書はびっくりするくらい簡単です。

たくさん寄付者がいる場合でも、公益社団・財団法人は、250名くらいの名簿があれば充分と言っていますので、それを用意できればいいし、もう少し少ない場合には、1年目と2年目で同じ寄付者について分けて記入するなどの作業が必要になりますが、それでもそれほど複雑ではないと思います。


まず「絶対基準でクリアできるか」を考えていただければいいのではないかと思います


この場合の寄付者には、公益財団法人の賛助会費、公益社団法人の法人法上の社員以外の者から支出された会費(特別会費)等も、会費に対価性や支出義務がない場合には寄付金として認められます。


しかし、中には、「そんな多くの寄付者はいないよ」という団体もあると思います


その場合には、相対値基準で検討してみる必要があります


相対値基準は、ちょっと複雑ですが、行政からの委託事業を分母から引けたり、国等からの補助金を分母から引いたり、分子に算入できたり、助成金も寄付金と同様のものは分子に算入できたりしますので、行政からの委託事業や補助金、助成金などが多い団体は、寄付金が少ない場合でも、意外とクリアできるケースが多いのではないかと思います。

計算方法については、少し古いバージョンですが、「早わかり認定NPO法人制度」という冊子にかなりわかりやすく相対値基準のPSTについて解説しています


認定NPO法人についての解説は少し古いですが、相対値PSTの解説は、2011年7月現在と変わっていませんので、それを見ていただければいいのではないかと思います


早わかり認定NPO法人制度


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