2021年01月05日(Tue)
福祉サービス事業の課税C
先日、@PROから「福祉サービスに関する法人税課税問題検討委員会の報告書」についてお話ししましたが、この報告書をなぜ出すことになったのか、その背景について、シリーズで書いていきます。
https://blog.canpan.info/waki/archive/1501 今回は、本題の障害福祉サービス事業について、どのような取り扱いがされているのか、ということを見ていくことにします。 |
5.障害福祉サービス事業 障害福祉サービス事業については、2003年に支援費サービス事業は医療保健業であるという文書回答事例がありました。 しかし、その後、障害福祉事業は制度が変わり、支援費制度は廃止され、障害者自立支援法、障害者総合支援法へと変わっていきました。 また、NPO法人や一般社団法人が行う障害福祉サービス事業の中で中心を占めている障害者の就労を支援する事業などを、医療保健業と解釈することは無理がありました。このため、障害福祉サービス事業に法人税が課税されるかどうかは、判断が分かれていました。 2017年7月に、国税庁から、「NPO法人が障害者総合支援法に規定する障害福祉サービスを行う場合の法人税の納税義務について」という質疑応答事例が出ました。 https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/hojin/21/18.htm 質疑応答事例では、障害福祉サービス事業は、原則として医療保健業に該当するが、仮に医療や保健といった要素がないサービスを提供しているような場合には、請負業に該当し、法人税の納税義務があるとしています。 ただし、その障害福祉サービスが、実費弁償方式である場合や、その障害福祉サービスに従事する者の半数以上が身体障害者等であり、かつそのサービスが身体障害者等の生活の保護に寄与している場合については、収益事業に含まれないものとされるため、その場合には法人税の納税義務はないとしています。 しかし、この質疑応答の通りだとすれば、請負業には非課税措置がない社会福祉法人が行う就労支援事業等にも課税されることになってしまい、また、保育サービス事業が請負業ではなく非課税になり、障害福祉サービス事業が請負業で課税になる理由も明確ではありません。 このようなことがあり、障害福祉サービスについて、その法律や実態、裁判例など様々な角度から、この問題について検討することにしました。 下記もご覧ください https://blog.canpan.info/waki/archive/945
【法人税の最新記事】
|