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2020年10月30日(Fri)

なぜNPOは必要なのか?B
「なぜNPOが必要なのか?」というテーマで書いています。

参考にしているのは、「米国の非営利セクター入門」(レスターMサラモン著 ダイヤモンド社)という本です。

今回は、「政府の失敗」です。


2.政府の失敗

 マーケット原理では充分に供給されない財を供給する方法として、政府だけに頼るとどういう問題があるでしょうか?

 「米国の非営利セクター入門」では、以下のように述べられています。

 
 民主主義においては、政府が行動を起こすことには国民大多数の支持が必要であり、このために、政府による「市場の失敗」の是正が困難になることがしばしばある。

 非営利組織を作れば、小さなグループで他の人々の支持を得られなかった問題に取り組むことができる。


 つまり、政府が取り組む事業というのは、世の中の多数から支持を受けているものである必要があるが、必ずしも世の中の多数から支持を受けていなくても、大事な問題はあるのだ、ということです。

 例えば、LGBT(性同一性障害)や、引きこもり、不登校、発達障害、母子家庭への支援など、最近はマスコミなどでも取り上げられ、理解が広がってきて、かなりの数の人が支持を受けてきましたが、10年位前までは、ほとんど理解がなかったのではないでしょうか。

 こういう問題を、政府が真正面から取り上げ、税金を使って支援していく、というのは、とても長い年月がかかり、政府に頼っていては、いつまでも支援を受けられない可能性もあります。

 これが「政府の失敗」の一つの形です。

 非営利組織は、多数の人の支持は得られないあるいは理解されないかもしれないが、大切な問題に取り組む組織として必要なのです。


 「政府の失敗」のもう一つのパターンとして、「米国の非営利セクター入門」では、以下のことが述べられています。


 国民大多数の支持がある場合でさえ、政府の行動には、わずらわしさ、対応の遅さ、官僚的な反応などがつきものである。

 サービスの提供や一般の要求への対応を非政府機関に求めることも多い。

 したがって、政府による資金提供が不可欠とみられる場合でも、民間の非営利団体を利用して、政府資金によるサービスを実施することがしばしばある。

 
 NPO法人という制度は、阪神淡路大震災を契機にできた制度ですが、この時に問題になったのが、震災支援における政府の迅速性や柔軟性に欠ける部分です。

 これは、公平性を重視する政府としては致し方ない部分もあるのですが、やはりどうしても政府の行動にはわずらわしさや対応の遅さなどの問題があります。

 阪神淡路大震災では、そのような政府の迅速性や柔軟性に欠ける部分を補うために、NPO(当時はまだNPO法人制度はありませんでしたので、任意団体の等のボランティア組織)が大活躍をしました。

 このように、公平性を重視するあまりに迅速性や柔軟性に欠ける政府を補うために、非営利組織が必要なのだ、と言われています。



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