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2020年03月18日(Wed)

NPO法人の運用方針S
所轄庁が出しているNPO法人の運用方針についていくつか見ています。

内閣府が平成15年に出している運用方針をベースに会計について書かれているところを見ていきます。

今回は、「管理運営」のところです。


(4)管理運営
<運用上の判断基準>

@認証基準
管理費の総支出額に占める割合が、設立当初の事業年度及び翌事業年度ともに2分の1以
下であること。

A報告徴収等の対象となり得る監督基準
管理費の総支出額に占める割合が、2事業年度連続して3分の2以上である場合。

<説明>
NPO法人は、特定非営利活動を行うことを「主たる目的」(法第2条第2項柱書)とした法人であり、全体の事業活動に占める特定非営利活動に係る事業の割合は過半であることが求められている。また、「営利を目的としない」(法第2条第2項第1号)法人であり、構成員の経済的利益を追求し、終局的に収益が構成員個人に分配することを目的としないことも求められている。

管理費はNPO法人の運営に必要な基礎的な経費であるが、役員の報酬、職員の人件費などNPO法人内部に還元される傾向が強いものであることから、管理費の規模が過大となり、「主たる目的」の特定非営利活動に係る事業の実施に必要な財産、資金、要員、施設等を圧迫してはならない。したがって、少なくとも管理費の支出規模(管理費の合計)は、総支出額(事業費及び管理費の総計)の2分の1以下であることが必要である。


さらに、事業費と管理費の説明もされています。

※管理費
「管理費」とは、法人の各種の業務を管理するため、毎事業年度経常的に要する支出であり、法人の運営に係る基礎的な維持管理のための費用をいう。事業の実施のために直接要する費用は「事業費」に計上されることとなる。管理費の例としては、総会・理事会の開催運営費、管理部門に係る役員報酬・人件費、交通費等が挙げられる。なお、ここでいう「管理費」とは、特定非営利活動に係る事業の管理費及びその他の事業の管理費の合計を指す。

※事業費
「事業費」とは、法人の事業の実施のために直接要する支出で、管理費以外のものをいい、会計処理上は、事業の種類ごとに区分して記載する。事業費の例としては、「○○事業費」(注・・・当該事業の実施のために直接要する人件費・交通費等の費用が含まれる。)等が挙げられる。


実務上、事業費と管理費尾の区分はとっても難しいです。

管理費の定義に「管理部門に係る役員報酬・人件費、交通費等が挙げられる」とありますが、「管理部門」なるものが存在しないNPO法人が大部分なのが現実です。

大きな法人であれば、「総務部」、「経理部」などがあり、これらが「管理部門」ですが、総務も経理も事業も同じ人が同じ場所で行っているというNPO法人が大部分ではないでしょうか。

そのような中で、事業費と管理費を正確に区分けすることはとっても難しく、正確に行おうと思うと、従事割合などで按分する必要がありますが、この従事割合もかなり曖昧なものですし、わざわざ按分計算をするのはとっても手間で、家賃や人件費を全額管理費に計上している法人も多く見受けます。

そのようなあいまいな部分がある事業費と管理費を運用方針であまり重視するような運用方針は、どうなんだろうか、と思います。

昨年、イギリスに行き、イギリスの小規模チャリティの会計について調査をしましたが、イギリスでは、小規模法人は、大部分が事業費と管理費の区別はしません。

管理部門が存在しないようなNPO法人は、むしろ事業費と管理費の区別は行わないほうが自然のようにも思います。


兵庫県の運用方針には、次のような文章が付け加わっています。

●認証基準
【本県の現状】
 主に無償ボランティアによる活動を行っているNPO法人や立ち上げ時のNPO法人においては、事業費規模が小さいため、管理費割合が大きくなっている。
 なお、管理費割合の大きなことの主な理由は、固定的経費(事務局人件費、家賃、総会・理事会費など)の占める割合が大きいためである。

【本県の方針】
 従来より、原則、管理費割合は、2分の1以下として運用してきたところである。

 その上で、本県では、一般公益法人に適合される基準(公益法人の指導監督基準)と同様の基準である内閣府の運用方針に適合しない場合でも、公益法人とは異なるNPO法人の特殊性(活動の無償性、事業の小規模性)を勘案し、以下の事情(例)があるときには申請者からの聞き取り等により、これまでも認証してきたところである。

 今後は、申請件数の増加に伴う書面審査の迅速化や基準の明確化を図る観点から、事業計画書又は収支予算書の表中及び欄外において、適合しない事情が明記され、容易にその特殊事情が分かり、そこに合理性があると判断できるものについては、引き続き、認証することとする。

【特殊事情(例)】
ア.  特定非営利活動に係る事業に従事する職員が無償ボランティアであり、当該事業費中に人件費を積算しないため、相対的に事務所経費等の管理費が多くなっている。
イ.  特定非営利活動に係る事業を実施するため派遣する講師等が無償ボランティアであり、当該事業費中に人件費を積算しないため、相対的に事務所経費等の管理費が多くなっている。
ウ.  管理費には、事務所の賃貸料、光熱水費など事務所経費だけで人件費がないにもかかわらず、事業費と管理費を含めた総支出規模が小さいため、相対的に、固定経費等の管理費が多くなっている。

●報告徴収等の対象となり得る監督基準
【本県の現状】
 上記の認証基準の現状に同じ。

【本県の方針】
 上記の認証基準に準じて行う。
 なお、設立初年度については、NPO法人立ち上げ経費としての管理費の支出がかさむ傾向にあることから、初年度については判断を行わず、2か年度連続して管理費が事業費を上回る場合について判断することとしている。



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