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ESDに必要な「批判的思考(クリティカルシンキング)」と「非難」の違い [2014年06月27日(Fri)]
「批判」と「非難」は全く違う。
「非難」は糾弾が目的だが、「批判」は相手の良いところを認め、悪いところを指摘して改善を求め、価値観や行動の変容を促す。
今日はうちの職場に「非難」のメールが舞い込んでいる。全て匿名。
ことの次第は、こういうことだ。
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うちの職場は「子どものエコ活動」を投稿するホームページを運営している。日本全国の子どもたちの環境教育のデータベースのようなものだ。
1年くらい前「この投稿は法律に違反する活動を紹介している。投稿を削除せよ」というメールが届いた。調べてみると、確かに法に抵触する。しかし、その活動は既に終了していて責任者に連絡がとれない。一方的に事務局が削除したら、この活動による学びを完全に否定することになる。
いろいろと考えた末の結論はこうだ。
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・投稿者が特定できないようにするが、投稿は残す。
・事務局から、その活動に対するコメントを付ける。
・コメントは「自分たちで調べながら、工夫して活動していること」を認めた上で「健康や環境に悪い影響があること」「法律で禁止されていること」を説明し、他の方法で目的を達成するよう助言するという内容だ。
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同様の活動を考えて、ウェブ検索でこの投稿に行き着いた人が、このコメントを読んだならば、危険性、違法性を理解し活動を止めることだろう。
批判のメールをくれた人も、この対応を認めた。
これで収まったかに見えた。
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ところが最近あるサイトに、この投稿を問題視する発言が書き込まれた。
その発言に触発されて、次々と書き込まれた発言は、子どもたちやリーダーに対する「非難」ばかり。相手をおびえ、困惑させるだろうが、学びと自己変容を促すにはほど遠いものだった。
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義憤に駆られ、たたくだけたたけば、たたいた人は溜飲を下げるのだろうか。
相手が受け取りやすい言葉で語りかけ、自ら過ちを改めるように誘導する方がよほど建設的ではないか。
私たちは、もっともっと学ばなければならない。