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助成審査会終了 [2012年06月06日(Wed)]
5月から頭を悩ませていた助成審査の委員会が終わりました。これで、今年度の助成審査関係の仕事は一段落です。せっかくなので、ちょっとだけ感想を書きます。

■継続案件で助成できなかったものがありました。
昨年度、助成対象となった事業が継続助成の対象とならないものが何件かありました。継続している案件を助成対象外とするのは、審査員にとっても大きな決断が必要です。継続して実施する事業であっても、単年度ごとに審査することを原則としていますが、助成を受けられなくなると、事業が継続できなくなることを恐れるからです。それでも、あえて採択しない理由はいくつかあります。まず、継続することが申請団体にとってむしろマイナスとなる可能性を考えるからです。「助成依存」という言葉が使われることもあります。助成金は、永続的な資金源とはなりません。助成金が無くなっても自立できる基盤を築くための計画があり、その計画に実現性があると認められれば、継続助成を受けやすいのです。また、現在の活動をステップアップするために、数カ年の「持ち出し」が必要であり、そのために助成金が必要だという説得力のある申請であれば継続助成が受けられます。事業報告を読ませていただき、計画→実行、評価・検証→改善の筋道が示してあれば、継続助成もしやすいのですが、自立や発展の方向性が見えないものは、継続が難しいのです。

■そうは言っても....
2〜3年の期間では、事業の自立や活動の成果が示しにくい事業があることは確かです。受益者負担や企業協賛、自治体からの委託・補助金などが得られにくい申請案件を見ると、何とか助成できないものかと考えますが、現行の助成プログラムでは、同じ事業に対して数年以上にわたって継続助成しにくいのです。これが、いつも頭を悩ます問題です。

■里地・里山活動の悲鳴が聞こえる
今回の助成申請でも、耕作放棄地、荒れる竹藪、手入れされない雑木林など、いわゆる「里地・里山」系の案件が目白押しでした。日本全国同じような傾向が見られるのではないでしょうか。とてもたくさんの申請をいただく中で、採択できるのはごくごく一握り。採択・不採択の分かれ目は「先駆性」「発展性」。他と同じようなことではほぼ通りません。みんながまねをすれば、解決するのであれば、簡単なのです。ちょっと前であれば「竹炭」、最近は「竹チップ」とか「竹パウダー」機械の購入費用や運用費用の助成申請がたくさんあるのですが、機械があれば解決するかどうかは疑問です。竹を伐る作業、チップや粉を活用するための方法なども合わせて提案していただかないと「買っただけで、発展の見込みが薄い」と思われてしまいます。

継続することが大事なのに、継続案件に資金が出にくい助成、ニーズは日本全国に山のようにある課題なのに、助成金がもらえないというのは本当に困ったことです。

助成財団とは別の仕組みが必要だと、ずっと以前から言われてきました。資金を必要としている団体・事業と資金提供者(企業や行政機関)を結びつけるための専門機関です。アメリカではインターミディアリーと呼ばれる団体があり、NPOと資源を仲介しています。日本でも、いわゆる「中間支援組織」と呼ばれる組織・機関が各地にありますが、アメリカで使われているような形で支援を行っている事例はきわめて少ないのが現状です。

里地問題などを見るにつけ、日本で市民活動が根付いていくには、資源仲介組織が育つような仕組みが必要なのではないかと痛感しますし、今までもいろいろな団体が取り組んで来ました。残念ながら、里山の悲鳴を聞くにつけ、そのような仕組みが未成熟であることを痛感せざるを得ません。

環境教育等促進法や横浜市市民協働条例を見ても、異口同音に「中間支援」を行う組織の重要性をうたっています。重要性は立法や行政に携わる人にも共有されているのですが、具体的な方法・仕組みが提案されていないのです。先日提出した、環境教育等促進法や横浜市市民協働条例案へのパブリックコメントでも「これでは十分じゃないなぁ」とおもいながらも、それに代わる効果的な代案を示せないので、じくじたる思いをしました。

今年も盛りだくさんの東京ボランティア・市民活動センターの事業計画 [2012年05月31日(Thu)]
5月28日(月)の夜、東京ボランティア・市民活動センター(TVAC)の今年度初の運営委員会がありました。主な議題は「平成23年度事業報告・決算」と「平成24年度事業計画・予算」。前年度最後の運営委員会で事業報告はほぼ済んでいるので、議論に時間をかけたのは、今年度の事業計画。特に、重点を置いて進める事業にポイントを絞り集中的に議論を行いました。

1.認定NPO法人取得等支援事業
2.災害ボランティアの支援に関する事業
3.中間支援組織の人材育成事業

この3つです。

2011年6月の特定非営利活動促進法(NPO法)改正によって「認定NPO法人」の制度が変わりました。今までよりも、認定されやすくなったこと、また寄付を促す寄付税制も改正されています。さらに、全てのNPOに適用される新たな会計基準が導入されることも決まっています。TVACは、認定NPOへの移行を目指すNPO法人の支援すると同時に、新会計基準に適合した経理の方法を伝える事業を行っています。昨年度に実施した会計の講座は、会場を大きくしなければ入りきれなかったとのことです。Ustreamでの配信など、ITを用いた情報発信を好評のようです。

2番目の「災害ボランティア」は、言うまでもなく、2011年3月11日の東日本大震災を踏まえたものです。阪神淡路のときと比べて、ボランティアが少なかった原因はいろいろと取りざたされていますが、現地のボランティアセンターや役場も大きな被害を受けたことの影響が大きかったと言う方がいらっしゃいます。建物の被害、人的被害が大きかったため、ボランティアの受け入れがしにくかったということでしょう。また、NPOやボランティアも資金や人に余裕がなかったため、最初の頃に活躍したのは、資材、資金、ノウハウ等のある海外協力系の団体でした。それも、本部が海外にある団体の日本支部のような団体の動きも目立ちました。
首都圏をおそう巨大地震の発生が早まる可能性もあると言われています。首都圏が大地震におそわれたとき、ボランティア活動をどうやって展開できるのか、重要な課題です。では、現時点で災害ボランティアの人材育成事業はどのようなことをすべきなのか、考えなければなりません。いざと言うときボランティアコーディネーションをする人なのか? それとも、地域の中で日常的に災害に備えた活動を支援して行く人なのか? また、大災害がいつ来るのかもわかりません。「明日来てもおかしくない」とも言われていますが、10年たっても来ない可能性もゼロではありません。ところが、災害ボランティアの人材育成事業に予算や労力を投入できるのは、長くて3年でしょう。TVACが取り組まなければならない仕事はどんどん増えています。どのような方針の下で、どのような事業に取り組むか、引き続き議論が必要ですが、それほど長い時間をかけるわけにも行きません。難しい問題だということが良くわかりました。引き続き、検討しつつ、事業を進めていきます。

3番目もものすごく重要かつ難しい問題です。これについては、項を改めて下記愛と思います。

助成審査委員会を通過できない助成申請のパターン [2012年05月28日(Mon)]
残念ながら、採点のときに低い評価をせざるを得なかった申請にもいくつかのパターンがあります。

まず、環境保全の目的に合わないか逆行するものがあります。最近は少なくなりましたが「地元の希少種を全国に広める」とか「絶滅した希少種を移入する」という事業が典型的です。10年前であれば合格になった可能性もありますが、現在は種を移入することや移出することに慎重でなければなりません。

次に、持続可能性・発展性の乏しい事業です。環境教育の事業に多いのですが、事業を実施し続ける限り、講師謝金や人件費がかかり続けるものがあります。持続・発展のためには助成金に頼らざるを得ない事業ものは助成しにくいのです。新たなプログラムを開発して、それを波及することで資金源を得られる見込みがあるとか、今までよりもずっと高い効果が期待できるなどの「他とは違った売り」があれば別ですが、そのような要素が感じられないものは採用しずらいものです。「金の切れ目が縁の切れ目」となるのでは困ってしまいます。

ところが、助成金の申請に手慣れた団体になると、ほとんど同じ内容の事業を看板を変えて申請先を渡り歩くケースがあります。同一団体(または同一案件)への連続助成の期限が決まっているような場合、例えばA財団で3年事業を行い、次にB財団に申請をしてまた3年ということがあります。複数の助成金の審査をしていると、ときどき気づくことがあるのですが、事業の内容はほとんど同じなのに「温暖化」とか「生物多様性」など、その時々の時流に合わせてタイトルや事業を少しずつ変えていくので、助成財団のwebサイトを見ても、同じ案件だとは気づきにくいのです。

この手の案件は、内容を見て落とすべき積極的な理由が無い限り、一旦通過させて、審査会の議論に委ねるのが「川村流」です。

審査会では、実質的に他の助成の継続案件であることを告げ、議論に入ります。継続ではあっても続けることが重要と判断されれば助成を受けられます。他に強力なライバルがいない場合も「消去法」で救われることもあります。「運も実力のうち」という言葉を実感します。

それから落ちるのが「二番煎じ」。環境の分野であれば、トレンドは
里地・里山(耕作放棄地や放置された雑木林、荒れた竹藪を含む)
水辺地(河川、湖沼、水質等)
ごみ・リサイクル
環境教育
などです。このキーワードに含まれる活動で申請するときは要注意です。

今までに、数え切れないくらいの市民活動がこの分野で取り組まれてきました。ところが、未だに同じテーマで助成申請が上がってきます。そして、いずれも年を追うごとに問題が広がり、深刻化していきます。その課題が多くの人に共有されているからこそ、課題への取組は、今までとひと味も二味も違う視点が必要になります。「今までと変わらないね」「これで解決するかな」「難しいだろうね」というやりとりがあって「次の案件に行きますか」となります。逆に言えば、これらのテーマで「これはちょっと目新しいね」と思わせることができれば、可能性はかなり高まります。

だいたい、このような案件が低い評価を受けて、審査委員会にはかられることになります。
助成申請書の採点にうれしい悲鳴 [2012年05月27日(Sun)]
助成金の採点がやっとおわりました。今回はちょっと苦労しました。まず、直感を頼りに落選と通過を振り分けます。予定では3分の1に減らすはずでしたが、3分の2が残りました。精読の手間が倍かかったことになります。スクリーニングをかけた後、webをあたり、新聞記事検索で関連記事を探し、他の助成財団などのサイトをあたりながら、採点基準に合わせて点数をつけるわけですが、数が多いととても大変なので、スクリーニングの段階でもう少し落としておきたかったというのが本音です。

市民活動に日々尽力されている方々の申請に対して「落とす」とか「減らす」というのは適切ではないのですが、限りある助成金を有効に使うためには、全部通すわけにはいきません。また、競争によって活動がレベルアップしていくことも期待しているわけです。その点はご理解いただきたいと思います。

審査員の採点を集計すると、ずば抜けて得点の高い案件群と、得点の低い案件群に分かれます。どちらも、審査会ではあまり議論しません。時間がかかるのは、当選と落選のボーダーラインにある案件です。逆に言うと、そこに時間をかけたいので、ずば抜けて得点の高い案件と低い案件はあえて議論からはずすのです。もちろん、委員の1人でも「この案件は議論すべきだ」と主張する方がいれば俎上に載せます。

このように書くと「議論もしないほどずば抜けて得点が高い案件とはどのようなものか?」との質問が来ます。うまく説明できないのですが、オーラがあるのです。ありきたりの言葉で書くと「先駆性がある」とか「戦略的な事業体系」、「ニーズ・課題を確実にとらえている」などとなるのですが、そのような概念を超えて「すごい」と思わせる何かがあります。テーマとなる課題がしっかりと把握されている、そして、その解決策がしっかりと構想されており、実施体制も含めて「これはやってくれそうだ」との説得力があります。

審査会に行くと、他の審査員も同じように感じているらしく「この申請はいいね」「これは通しましょうね」くらいのやりとりで終わってしまうのです。今回も、私の中にはこのような申請書が2件ほどありました。他の審査員の方も同じような感じ方をしていただけたか、集計表を見るのが楽しみです。

「これは、重要な取組だ」「非常に魅力的で、インパクトのある活動を展開している」と直感しても、「無条件合格」にはならない申請が多いのが今回の特徴でした。まず、申請書の書き方の問題です。良いことをしているのに、とてもわかりにくい。眼光紙背に徹すとか、行間を読む作業にいそしむことになります。web検索などで補足的なデータを得ることができれば通過ですが、納得できるだけの情報を得るにはかなりの時間が必要です。いくら良い活動をしていても、助成金は申請書類だけで判断すべきものであり、表現力も含めて実力だ、と割り切る方もいらっしゃいますが、申請書の書き方が上手な団体だけが通過するというのもいやなので、心のどこかに訴えるものが少しでもあれば、できる限り情報源を探すことをモットーにしています。ところが、今回のように調べなければならない案件が増えると、それも十分な時間がかけられなくなるので困ります。くれぐれも、助成申請書は、わかりやすく、かつハートに訴える書き方を心がけていただきたいものです。

きわめて、戦略的・論理的に事業を組み立てて申請していても「どうしたものかなぁ〜」と悩む申請が多かったのも今回の特徴です。確かに、重要なテーマだし、今までこのテーマに真正面から取り組んだ事例は少ない。実現できれば、すごいだろうなとは思うのですが「今まで、先達がずっと構想していたことが、そんなにあっさりとできるのだろうか」との疑問が湧いてくるのです。自分もいつかやってみたいと夢見ていたことを、いきなり設計図に落とされてしまったような気分とでも言いましょうか。ジェラシーのような気分があるのかもしれません。書いてあることに大いに共感する。重要なテーマであることもわかる。でも、今まで挑戦してきた事例はあまりに少ない、実績や実現可能性の点では高い点をつけられない。そのような案件を採択しなくても「ここなら、そこそこの成果を出してくれるだろう」と思われるものも多かったので、その冒険的な申請を通過させると、安全・確実案件をいくつか落とさざるを得なくなる。これもまた苦悩の種でした。最終的には、審査会の判断に委ねることとし、私の「お勧め案件」として提出しました。議論が楽しみです。
助成財団のプロが語る助成申請の極意 [2012年05月24日(Thu)]
以前、助成申請の審査の仕方について記事を書いたところ、財団に勤務されている方から次のようなコメントをいただきました。とても勉強になりましたので、本人のご了承を得て転載いたします。

−−−−−−−−−−−−−以下転載−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

助成申請の審査は、組織毎の色より、審査担当者個人の色が出ますね。審査基準は統一できても、担当者個々人の向き不向きがあるので、手順や方法は統一出来無いでしょう。また、習熟度に裏付けられた直感がモノを言う職人技の作業でも有ります。あくまでも参考ですが、私の審査手順をザクっと纏めると次のようなStepを踏んでいます。

Step1の、一気に、直感的に全案件を眺めるのは同じですね。但し、この段階では「何をしたいか皆目解ら無い」所謂"箸棒"案件を選り分けるだけにしています。従って、この...段階では背景・効果・成果・金額も殆ど気にしていません。兎に角、全案件を俯瞰的に捉える事に集中します。

Step2では、個々の案件が何をしたいのか、目的・目標に留意しながら全体像を理解するに努めます。この段階では合否は考えません。このStep以降は集中力がモノを言うので、数日間掛けて進めていきます。

Step3では、余程予備知識の有る分野の案件を除いて、キーワードを拾い出し、ググったり、新聞記事検索を掛けます。テーマや背景、申請者の実績等を理解しながら、組織や人物のトラブル歴や、その分野での対立関係と申請者の立ち位置を把握します。ここで既に他者が解決済の案件であったり、問題の有る申請者が有れば外します。

Step4では、自分なりに頭の中で自分なりの企画を組立てながら、予算積算も見ていきます。この段階で、目的・目標と実施計画の不整合、コストパフォーマンスを見極め、審査基準と突合させながら、合否と金額査定での合格の3区分に選り分けます。

Step5として、合格案件の助成額を合計して、助成予算総額と比較します。ここで合否ボーダーラインの調整をして事務局案の出来上がりです。私の場合、審査前に概ねの助成予算総額が判っていれば、大概は調整せずに1回目の審査案と予算がほぼ均衡します。

PM(プロジェクト・マネージャー)って商売を長い事やってるとつくづく思うのですが、助成審査の審査基準だ手法だと言うものは、よすがとして必要なものでは有っても、突き詰めれば常識論なんですよね。ドカッって申請が来ても、常識で振分ければ大概は助成予算総額と比べてイイ線に収まってしまうもの。

(1)非現実・非常識、
(2)二番煎じ、
(3)トラブルメーカー、
(4)我田引水・私利私欲、
(5)的外れ・こじつけ。

ここ迄を落選させて、

(6)華美・贅沢・無駄、
(7)論旨不明瞭。

この2区分の案件をヒアリングしながら金額査定と弁護的補足。

これにプラスして経験的直感。第一印象で何か引っ掛かるモノを感じたら、合格させても進行途中でトラブルを起こすことが非常に多い。

違和感を覚えたら、一見合格でも敢えて突っ込んでヒアリングして極力断るべき。審査担当者に求められるのは、第一に直感力。第二に文書読解・透察力、第三に(1)-(5)を効率的に外すバランス感覚。第四に(6)を削り込める物価相場感。第五に(7)を補足修正し得る文書構成力。そしてそれらの能力を裏打ちする企画力と実践経験ですね。
助成審査をやっています [2012年05月18日(Fri)]
助成金の申請書類に埋もれています。今年度はこれが最後の審査。年に4回も助成の採点をしているので、最近ようやく自分なりのコツというかスタイルが身について来ましたので、公開してご批判をいただこうと思います。「何だ、当たり前のことじゃないか」と思われる方も「そんなやり方は乱暴だ」もいらっしゃると思います。

ここに書いた採点方法は、助成金の審査会にかける前に助成申請書類の合否を決めるものですが、予備審査を頼まれる場合にも同様の方法を使っています。

[Step1]振り分け(スクリーニング)
最初に、全ての申請書類に目を通し、○=通過 ×=落選をマークします。この作業は長くても1日。一気にやります。この段階では、助成要綱の「審査基準」にあてはめたスコアリングは行いません。「事業の背景・ニーズ」、「事業による効果・アウトカム」、「事業内容と成果・アウトプット」、「投入する経費・労力・申請金額」をざっと読んで直感的に○か×を判断します。コメントを書き加えることもあります。「課題は何か?」とか「受益者に比べてコストがかかりすぎている」など。

慣れないころは律儀に、一件ずつ採点基準にあてはめながら評価を続けていました。ところが、あとで見直すと同じような案件に違う点数がついていることがあるのです。時間をかけて申請書類を読むと「心の審査基準」がぶれてしまいます。レベルの高い申請書を読んでいると「これまで拾っていたら落とすのが無くなる」と気づいて「心の基準」を高めに設定しなおしました。逆のこともあります。その日の気分によっても合否の判定がぶれることがあります。だから、Step1は一気に、直感的に。

短時間に合否を判定するために、スクリーニングのときは子細に読みません。ニーズ・アウトカム・アウトプット・コストを頭の中でイメージして、○と×をつけます。どちらを何件にするかは決めませんから、ほとんど落選ということもありました。

ニーズとアウトカム、アウトプットがかみ合わないものも珍しくありません。事業そのものの問題というより、申請書類を書く技術が未熟なため、かみあっていないように見える案件もあります。自分の得意な分野や良く知っている地域の問題であれば、補うこともできますが、そうでないときは、書類だけで判断するしかありません。申請書を書く方々は(自戒も含めて)、その事業を全く知らない人が読んだときに、課題・目指す姿・具体的な事業内容が良く理解できるよう書いてあるか、ぜひチェックをお願いしたいものです。

[Step2]精読・採点(通過案件)
スクリーニングで合格となった申請書類を精読します。このときは、助成要綱の審査基準と照らし合わせて、審査基準の項目ごとにチェックします。財団から点数化を求められる場合は、ここで採点します。私の場合、精読した結果、○が×に変わることはほとんどありません。また、このステップは時間がかかったり、作業がまる1日中断したりしてもあまり問題はありません。助成財団の事務局宛に提出する採点用紙に「コメント欄」があれば、できるだけ書き込むようにしています。

[Step3]精読・採点(落選案件)
次に、スクリーニングで落選した案件を、助成要綱の審査基準と見比べて精読します。財団から点数化を求められる場合は、ここで採点します。私の場合、精読した結果、×が○に変わることがたまにあります。課題としているテーマのことを良く知らないと、その切実さが理解できないからです。インターネット検索や新聞記事検索などを使って調べ、問題の深刻さがわかり「何とかしてやりたい」という気持ちになることがたまにあります。落選に振り分けた案件の精読・採点には、通常、あまり時間がかかりません。助成財団の事務局宛に提出する採点用紙に「コメント欄」があれば、できるだけ書き込むようにしています。
おおむね、第3段階までで作業は終了。助成財団の事務局宛に結果を記入した用紙を送ります。

[Step4]確認(全案件)
審査会の直前に、自分の採点表と見比べながら、全案件を通読します。審査会のときにどの案件を強く押すかなどを考えながら、合格の理由を頭の中で整理し、必要に応じてメモをとります。

これは私の方法なので、助成審査をする方々が一般的にこのようなやり方をしているかどうかはわかりません。もしかすると、すごく特殊なのかもしれません。これから助成申請をされる方々に少しは役に立つことがあれば幸いです。