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先住民とCSR [2012年08月02日(Thu)]
Rio+20では「グリーン・エコノミー」が大きなトピックスとして取り上げられましたが、成果文書『われわれが求める未来』の中には具体的な目標などが盛り込むことはできませんでした。先進国と新興国との間の合意が難しかったということのようです。

あまり報道されていませんが、南米で先住民が生きる場である森林が奪われている問題があります。「経済のグリーン化」の裏で、先住民の人権が脅かされています。このような問題も含めての「持続可能な開発」でなければならないのですが、日本では先住民の権利が議論になることはほとんどありません。

昨日、8月1日に森づくり・木づかい関係の会議に出たとき、速水林業の代表で、日本林業経営者協会会長でもある速水亨氏が、三井物産の社有林に言及していました。北海道にある森林の一部をアイヌ民族の文化保護林としてアイヌ協会平取支部と協定を結んだのだそうです。正面切って人権に踏み込んでいるわけではありませんが、先住民の視点を入れた日本でも画期的な事例なのだそうです。なるほど、と思い聞いていました。もともと、アイヌ民族が使っていた森林を占有し、伐採したときは「犯罪」としてしまったわけですから、今からでもきちんと問題に向き合う姿勢を打ち出したことは大いに評価したいとの言葉を、うなずきながら聴いていました。
中越パルプ工業さんと竹紙 [2012年07月02日(Mon)]
6月29日(金)の午後、リオ+20の後を受けて「グリーン・エコノミー」をテーマにしたシンポジウムがありました。私は、10分ほどの時間をいただき「プロジェクトD 被災地に緑と心の復興を! どんぐりプロジェクト」のご紹介をさせていただきました。それについては、また別の機会に書くこととして、今回は、シンポジウムでポスターセッションに出ていた中越パルプ工業株式会社さんについて一言。

そもそも、竹で紙を漉こうと考えたのは「荒れる竹やぶ」をどうにかしたいとの思い。もともと、竹林は用材やタケノコを採るために人に管理されていました。ところが、里地・里山の利用が減るに連れて放置される竹林が増えてきた結果、竹やぶは過密になました。竹は細くなり、良いタケノコは採れず、人が入りにくくなり、さらに荒れかたがひどくなるとの悪循環を繰り返しています。雨や風で倒れた竹やぶは悲惨な状態となります。

竹を活かすため、竹炭や竹細工、竹チップなどいろいろな利用法が考えられて来ましたが、大規模な加工施設と販路が開拓できず、なかなか決定打がありません。中越パルプ工業さんは「竹で紙をつくろう」という取組を続けていらっしゃいます。里山保全の人の間では有名な事例ですが、今回初めてお目にかかる機会を得ました。

竹紙が普及しない要因は「輸送コスト」と「チップ化」にあるとのこと。竹は空洞ですから、トラックで運んでもほとんど空気を運ぶようなもの。しかも、竹林はそんなに広い面積があるわけではないので、点在する竹林から工場まで運ぼうとすると、大変な手間がかかります。そういうわけで、現在は、工場に運んでもらった竹で紙を作っているとのことでした。

現場でチップ化すれば容積は格段に減りますが、適当な機械がありません。紙の原料にするチップは規格が厳しく、現在普及している竹チッパーでは紙の原料になるチップはできないのだそうです。軽トラックで運べるくらいの大きさで、紙の原料となるチップを刻める機械が開発されれば竹紙のコストもだいぶ下がるのではないかと思いました。

ロータリークラブでボランティアの底力を知る [2012年05月16日(Wed)]
昨日は、協働事業の進め方についてとあるロータリークラブの役員さんと打ち合わせに行って来ました。

最初に、資金調達の難航や他の協働相手の協力が得られにくい現状を共有し「先行きが難しいなぁ〜」という空気が流れ始めたとき。「それなら、会員を10人動員して手分けして作業をしましょう」との一言で、一気に解決に向かいました。「○○さんは手伝ってくれるだろう」「○○さんにも声をかけよう」「○○さんからは資金のお願いをしてみよう」など、個人名をあげて協力者のリストアップもほぼできました。

まだ、それでも足りないステークホルダーへの働きかけ、資金調達など課題は残っていますが、二歩も三歩も前進しました。

「本業と関わる」「組織として対応する」「社会貢献から社会的責任へ」などという昨今の最新のCSRの流れからすると、本業を離れた奉仕活動を、個人のボランティア精神に期待する事業の進め方は古いタイプなのかもしれませんが、底に流れる人の意志の力がより強く求められると感じます。

この事業がどのような芽を伸ばし、花を咲かせるか、この先もちょっとしんどそうですが、信頼できるパートナーに恵まれたことはありがたいことだと思いました。
SRフォーラム2012―社会的責任から社会的信頼へ・マルチステークホルダー・プロセスで実現する持続可能な社会 [2012年05月08日(Tue)]
とても面白そうな案内が来ました。
SRフォーラム2012―社会的責任(SR)から社会的信頼(SR)へ・マルチステークホルダー・プロセスで実現する持続可能な社会―
ところが、日程が5月17日〜5月18日。18日〜19日は田植えとその準備で松本に出張の予定なのです。17日だけでも行こうかどうか、思案中。

新潟県村上市高根の棚田保全 [2012年05月05日(Sat)]
私の実家から自動車で30分ほど走った所に、高根という集落があります。良く手入れされた森とおいしいお米の採れる棚田を誇る豊かな地域ですが、中山間地で抱える悩みはいずこも同じ。
地域を元気にしようと立ち上がった人たちが「高根フロンティアクラブ」を設立し、廃校となった小学校を拠点に、食堂の経営、どぶろく作り、ピザ窯での体験など様々な工夫をしています。
棚田の保全には、キャノンマーケティングジャパン株式会社がCSR活動として関わっています。パートナーはNPO法人共存の森ネットワーク
高根フロンティアクラブ事務局の鈴木さんによれば、5月19日には棚田で田植えを予定しているとのこと。同じ日に私は松本市で田植えをする予定なので、参加できないのが残念です。鈴木さんは「雲上」というどぶろくの仕込み準備中。もちろん、1本買って来ました。
田植えを待つ高根の棚田。新緑がとてもきれいです。