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松本大学は、地域に愛される大学だった [2012年06月22日(Fri)]
松本市で立ち上げた「いきものみっけファームin松本」は、市内の生産者、地元のサッカーチーム、市役所などなどたくさんの組織・人の力で支えられたものであることは言うまでもありませんが、地元のお米屋さん、中島屋降籏米穀の大活躍が無ければこの事業が始められなかったであろうことは、どんな人でも認めるところです。そして、協議会を支えたもう一つの支柱は松本大学です。

松本大学は、2学部4学科、学生数約1,500人、教員数約170人。単純に計算すると、1学科あたり100人/学年弱。規模の小さい大学ながら、地域に溶け込んでいる様子を目の当たりにして「すごいなあ」と思っていました。いつか、機会があればその秘密をお聞きしてみたい、と思っていましたが、なかなかじっくりとお話ができる機会がとれませんでした。

出会いというのは不思議なものです。おそらく10年ぶりくらいになるであろう旧知の方とお会いしました。そのときに「松本市で環境教育の事業をお手伝いしている。松本大学の地域貢献がすばらしい」という話をちょっとしたら、後日、1冊の本を送ってくださいました。『地域に愛される大学のすすめ』NPO法人オンデマンド授業流通フォーラム・大学イノベーション研究会編 三省堂2011年発行(1,600円+税)という本です。

帯のコピーにしびれました。

「断言します。地域にとってこれ以上お得なことはない。「学生を真ん中」において、地域とともに学生を教育する。学生は地域を愛するようになり、地域は「人を育てる地域」になり、「学び合う地域」になる。

ううむ。すごい。私が大学の教員をやっていたときにこの本が出ていれば、もう少しうまくできたかもしれない、と思いました。この本は、松本大学、共愛学園前橋国際大学、南大阪地域大学コンソーシアムという3つの事例を詳しく紹介しています。この「業界」では有名な事例らしいのですが、勉強不足の私は初めて聞く名前でした。

丁寧な取材をされたのでしょう。大学の教職員ならどきっとするようなキーワードや、「これは使える!」とうなずく実践のヒントがこれでもかというぐらいに詰め込んであります。詰め込み教育はいけませんが、こんなにてんこ盛りのヒントとアイデアは大歓迎。

これから、子どもの数が減るにつれ規模の小さな大学の生存競争がますます厳しくなることは容易に想像できます。それぞれの大学は、いろいろな特色を掲げて学生の獲得を試みています。地域連携をメニューの一つに掲げる大学も少なくありません。ただし、大学全体の戦略として明確に位置づけられているかどうかとなると話は別です。一部の教職員の熱意や努力でかろうじて動いているところもあると思います。そのような大学が次のステップに一歩踏み出すときに役立つ本です。

大学の教職員だけでなく地域活動をする人にもお勧めできます。大学を地域資源としてとらえ、活用するときに参考になります。ほろりとする感動のストーリーやにやりと笑える小話なども交えて、読みやすい文章になっているので、ほんとうに、いろんな立場の方々が読んだら面白いと思います。
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