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助成財団のプロが語る助成申請の極意 [2012年05月24日(Thu)]
以前、助成申請の審査の仕方について記事を書いたところ、財団に勤務されている方から次のようなコメントをいただきました。とても勉強になりましたので、本人のご了承を得て転載いたします。

−−−−−−−−−−−−−以下転載−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

助成申請の審査は、組織毎の色より、審査担当者個人の色が出ますね。審査基準は統一できても、担当者個々人の向き不向きがあるので、手順や方法は統一出来無いでしょう。また、習熟度に裏付けられた直感がモノを言う職人技の作業でも有ります。あくまでも参考ですが、私の審査手順をザクっと纏めると次のようなStepを踏んでいます。

Step1の、一気に、直感的に全案件を眺めるのは同じですね。但し、この段階では「何をしたいか皆目解ら無い」所謂"箸棒"案件を選り分けるだけにしています。従って、この...段階では背景・効果・成果・金額も殆ど気にしていません。兎に角、全案件を俯瞰的に捉える事に集中します。

Step2では、個々の案件が何をしたいのか、目的・目標に留意しながら全体像を理解するに努めます。この段階では合否は考えません。このStep以降は集中力がモノを言うので、数日間掛けて進めていきます。

Step3では、余程予備知識の有る分野の案件を除いて、キーワードを拾い出し、ググったり、新聞記事検索を掛けます。テーマや背景、申請者の実績等を理解しながら、組織や人物のトラブル歴や、その分野での対立関係と申請者の立ち位置を把握します。ここで既に他者が解決済の案件であったり、問題の有る申請者が有れば外します。

Step4では、自分なりに頭の中で自分なりの企画を組立てながら、予算積算も見ていきます。この段階で、目的・目標と実施計画の不整合、コストパフォーマンスを見極め、審査基準と突合させながら、合否と金額査定での合格の3区分に選り分けます。

Step5として、合格案件の助成額を合計して、助成予算総額と比較します。ここで合否ボーダーラインの調整をして事務局案の出来上がりです。私の場合、審査前に概ねの助成予算総額が判っていれば、大概は調整せずに1回目の審査案と予算がほぼ均衡します。

PM(プロジェクト・マネージャー)って商売を長い事やってるとつくづく思うのですが、助成審査の審査基準だ手法だと言うものは、よすがとして必要なものでは有っても、突き詰めれば常識論なんですよね。ドカッって申請が来ても、常識で振分ければ大概は助成予算総額と比べてイイ線に収まってしまうもの。

(1)非現実・非常識、
(2)二番煎じ、
(3)トラブルメーカー、
(4)我田引水・私利私欲、
(5)的外れ・こじつけ。

ここ迄を落選させて、

(6)華美・贅沢・無駄、
(7)論旨不明瞭。

この2区分の案件をヒアリングしながら金額査定と弁護的補足。

これにプラスして経験的直感。第一印象で何か引っ掛かるモノを感じたら、合格させても進行途中でトラブルを起こすことが非常に多い。

違和感を覚えたら、一見合格でも敢えて突っ込んでヒアリングして極力断るべき。審査担当者に求められるのは、第一に直感力。第二に文書読解・透察力、第三に(1)-(5)を効率的に外すバランス感覚。第四に(6)を削り込める物価相場感。第五に(7)を補足修正し得る文書構成力。そしてそれらの能力を裏打ちする企画力と実践経験ですね。
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