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助成審査をやっています [2012年05月18日(Fri)]
助成金の申請書類に埋もれています。今年度はこれが最後の審査。年に4回も助成の採点をしているので、最近ようやく自分なりのコツというかスタイルが身について来ましたので、公開してご批判をいただこうと思います。「何だ、当たり前のことじゃないか」と思われる方も「そんなやり方は乱暴だ」もいらっしゃると思います。

ここに書いた採点方法は、助成金の審査会にかける前に助成申請書類の合否を決めるものですが、予備審査を頼まれる場合にも同様の方法を使っています。

[Step1]振り分け(スクリーニング)
最初に、全ての申請書類に目を通し、○=通過 ×=落選をマークします。この作業は長くても1日。一気にやります。この段階では、助成要綱の「審査基準」にあてはめたスコアリングは行いません。「事業の背景・ニーズ」、「事業による効果・アウトカム」、「事業内容と成果・アウトプット」、「投入する経費・労力・申請金額」をざっと読んで直感的に○か×を判断します。コメントを書き加えることもあります。「課題は何か?」とか「受益者に比べてコストがかかりすぎている」など。

慣れないころは律儀に、一件ずつ採点基準にあてはめながら評価を続けていました。ところが、あとで見直すと同じような案件に違う点数がついていることがあるのです。時間をかけて申請書類を読むと「心の審査基準」がぶれてしまいます。レベルの高い申請書を読んでいると「これまで拾っていたら落とすのが無くなる」と気づいて「心の基準」を高めに設定しなおしました。逆のこともあります。その日の気分によっても合否の判定がぶれることがあります。だから、Step1は一気に、直感的に。

短時間に合否を判定するために、スクリーニングのときは子細に読みません。ニーズ・アウトカム・アウトプット・コストを頭の中でイメージして、○と×をつけます。どちらを何件にするかは決めませんから、ほとんど落選ということもありました。

ニーズとアウトカム、アウトプットがかみ合わないものも珍しくありません。事業そのものの問題というより、申請書類を書く技術が未熟なため、かみあっていないように見える案件もあります。自分の得意な分野や良く知っている地域の問題であれば、補うこともできますが、そうでないときは、書類だけで判断するしかありません。申請書を書く方々は(自戒も含めて)、その事業を全く知らない人が読んだときに、課題・目指す姿・具体的な事業内容が良く理解できるよう書いてあるか、ぜひチェックをお願いしたいものです。

[Step2]精読・採点(通過案件)
スクリーニングで合格となった申請書類を精読します。このときは、助成要綱の審査基準と照らし合わせて、審査基準の項目ごとにチェックします。財団から点数化を求められる場合は、ここで採点します。私の場合、精読した結果、○が×に変わることはほとんどありません。また、このステップは時間がかかったり、作業がまる1日中断したりしてもあまり問題はありません。助成財団の事務局宛に提出する採点用紙に「コメント欄」があれば、できるだけ書き込むようにしています。

[Step3]精読・採点(落選案件)
次に、スクリーニングで落選した案件を、助成要綱の審査基準と見比べて精読します。財団から点数化を求められる場合は、ここで採点します。私の場合、精読した結果、×が○に変わることがたまにあります。課題としているテーマのことを良く知らないと、その切実さが理解できないからです。インターネット検索や新聞記事検索などを使って調べ、問題の深刻さがわかり「何とかしてやりたい」という気持ちになることがたまにあります。落選に振り分けた案件の精読・採点には、通常、あまり時間がかかりません。助成財団の事務局宛に提出する採点用紙に「コメント欄」があれば、できるだけ書き込むようにしています。
おおむね、第3段階までで作業は終了。助成財団の事務局宛に結果を記入した用紙を送ります。

[Step4]確認(全案件)
審査会の直前に、自分の採点表と見比べながら、全案件を通読します。審査会のときにどの案件を強く押すかなどを考えながら、合格の理由を頭の中で整理し、必要に応じてメモをとります。

これは私の方法なので、助成審査をする方々が一般的にこのようなやり方をしているかどうかはわかりません。もしかすると、すごく特殊なのかもしれません。これから助成申請をされる方々に少しは役に立つことがあれば幸いです。
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