睡眠障害にも「ランク」があるように感じる [2026年07月01日(Wed)]
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障害当事者団体ベクトルズ 会員 ハルです。
7月1日は「こころの日」。こころの健康について考え、精神疾患への理解を深めることを目的とした啓発の日です。今回は、統合失調感情障害・睡眠障害・アルコール依存症の当事者である私が、睡眠障害について感じていることを書いてみたいと思います。 私は統合失調感情障害を患い、その症状の1つとして睡眠障害も抱えています。私の場合は、眠剤を飲まなければ眠りにつけない「入眠困難」が中心です。一度眠ってしまえば、途中で何度も目が覚める「中途覚醒」や、朝早く目が覚めてしまう「早朝覚醒」はありません。だから私は、自分の睡眠障害は「入眠困難型」なのだと認識しています。 睡眠障害には、私が知る限りでも、 ・眠ろうとしても眠れない「入眠困難」 ・夜中に何度も目が覚めてしまう「中途覚醒」 ・予定よりずっと早く目覚め、そのまま眠れない「早朝覚醒」 ・眠ったはずなのに眠った気がしない「熟眠障害」 ・昼間に強い眠気が続いて生活に支障が出る状態 ・昼夜逆転など生活リズムが大きく乱れてしまう状態 など、さまざまな形があります。 同じ「睡眠障害」という言葉でも、その困り方は人それぞれです。だから私は、人から「私も睡眠障害なんです」と言われると、「どんな睡眠障害なんだろう?」と気になります。これは決して優劣をつけたいわけではありません。困り方が違えば、必要な治療や支援も違ってくるからです。 私自身、以前は解体工事の仕事を長く続けていました。毎日が体力勝負です。仕事を終えて帰宅する頃には、身体はへとへとでした。普通に考えれば、それだけ疲れていれば眠れそうなものです。 でも、睡眠障害はそう単純ではありません。 身体は疲れ切っているのに、眠れない。横になっても眠れない。時間だけが過ぎていく。そんな夜を数え切れないほど経験しました。 さらに私には、もう1つ大きな問題がありました。統合失調感情障害の診断を受けて以来の通院先である精神科病院が自宅から約10km以上と遠く、仕事との両立が難しかったのです。休日も少なく、通院のタイミングが合わないまま、眠剤を切らしてしまうこともありました。 その結果、私は眠剤の代わりに、大好きなビールへ頼るようになりました。仕事を終えてから深夜にかけて、500缶を4〜5本。そうして泥酔して眠る。そんな生活が続いていました。今振り返れば、決して健康的な睡眠ではありませんでした。 「眠るために酒を飲む」それが当たり前になってしまっていたのです。 ![]() 現在の私は、アルコール依存症の治療を主な目的として精神科病院へ長期入院しています。精神科病院だからこそ、これまで通院できなかった分も含めて、医師や看護師の管理のもとで適切な治療を受けられています。眠剤も処方され、以前より安心して眠れる日が増えました。 ここで1つ、私が感じていることがあります。 私が睡眠障害であることを話すと、「寝る前にストレッチをするといいよ!」「呼吸法を試してみたら?」そんなアドバイスをいただくことがあります。もちろん、その方は親切で言ってくださっているのでしょう。実際に、一時的な不眠であれば、生活習慣の改善やリラックス法で良くなる方もいると思います。それは決して悪いことではありません。 ですが、私のように精神疾患に伴う睡眠障害を長年抱え、薬物療法が必要な人間からすると、それだけでは解決しない現実があります。体操や呼吸法で改善するような一時的な不眠と、長年治療を続けている睡眠障害とは、同じ「眠れない」という言葉でも背景が異なることがあります。 だから私は「睡眠障害」という言葉の奥深さを、もう少し多くの方に知っていただけたら嬉しいと思っています。 睡眠障害は、見た目では分かりません。「眠れないだけでしょ?」そう思われてしまうこともあります。ですが、その「眠れない」が毎日毎日、何年と続けば、心にも身体にも大きな影響を及ぼします。 本日の「こころの日」をきっかけに、睡眠障害にもさまざまな形があり、一人ひとり困り方が違うことを知っていただけたら幸いです。 私たち障害当事者団体ベクトルズが大切にしている言葉があります。「十人十色」。睡眠障害も、まさに十人十色なのだと私は思っています。 以上 ご精読ありがとうございました。 障害当事者団体ベクトルズ 障害当事者会員 ハル |






