おはようございます。
朝4時に早朝覚醒してしまいそのまま起床しました。
やや睡眠不足の内田です。
2024年9月1日に「障害当事者団体ベクトルズ」を設立しましたが、
なぜ僕が障害者福祉にそれほど携わりたいのだろうか…?
と改めて自分自身に素朴な疑問を抱いたので、
軽く自問自答をしつつコラムにしてみたいと思います。
そもそも「ベクトルズ」の発起推進メンバーは僕以外に3名いました。
僕は最初、障害当事者の団体をつくってみたいという案に「乗った側」です。
これまでの約10年間で様々な任意団体の設立や事務作業に関わってきた経験から、
「つくってみたい!」という仲間がいるならサポートしたい♪
と思ったのです。
「つくってみたい!」本人が設立時代表理事、
僕はそのサポートをする役目として副代表理事に座りたいと考えていました。
ほか、僕の手が空かない際に代表理事をサポートする役目として代表補佐理事、
そして任意団体に限らず法人運営や法律法制度に知識のある人を相談役理事
にしたいと素案を考えました。
そこでまずは設立に最低限必要な「定款の素案」を作成し、
賛同・協力してくれる仲間を探して声をかけ、
「設立時ミーティング」を開きました。
これに集まった仲間たち4名で話し合ったところ、
活動において会員の死亡賠償・怪我賠償・受託事業の急遽キャンセル賠償など
どうするのか?といったネガティブな懸念点ばかりが話題となり、
結局のところ設立の話がまとまらず、懸念点を話されて心が揺れてしまった
仲間たちばかりだったのです。
僕はその時点ではもうヤル気満々の情熱を持ってミーティングに臨んだ
わけですから「今はまだ団体はいらないんじゃないかな?」という
結論に至った時は不満でいっぱいでした。
これから自分たちが何か社会に対して貢献できるような当事者団体をつくりたい!
という思いをサポートしたい側だった僕でしたが、
設立ミーティングに集まるまでの間に会話を重ねて
ヤル気がMAXになっていたわけです。
それが、設立直前になって "おじゃん" になってしまったため、
僕は「ガッカリ」という気持ちもありましたが、
「仲間たちがつくらないなら僕がやる」というエネルギーに燃え立ち、
僕の情熱や団体理念を親友に伝えて賛同・協力を得られました。
僕が11年前に「自殺予防団体-SPbyMD-」を共同設立した親友です。
これからみんなで知恵熱絞り合ってアイディアを出し合って
自分たちの得意分野や好きなことを活かした活動をしたい人がいるのに、
賠償責任といったネガティブなことを話されても、
僕のように動じない人間もいますが、心揺れて不安になっちゃう方も実際います。
受託事業の急なキャンセルは例えば、
指揮を執っていた仲間が当日になって精神不安定に陥ってしまったり、
講義依頼を受諾していた仲間が当日になって体調不良に・・・
といった場合に、依頼主様から賠償金請求を受ける事態もあり得るという話。
そんなものは事業を受託する前や講義依頼を受ける前に
依頼主様に例えば「当団体の所属者は全員なんらかの障害を持っています。
特に精神障害者の場合は当日になって急に体調不良で外出すら
困難になるケースもあり、その場合には当日の急なキャンセルもあり得ることを
ご承知おきの上でご依頼願います」などと先に留意事項をお伝えすればいいだけのこと。
講義依頼は個々人の問題ですが、
「ベクトルズ」として例えば福祉バザー等の他団体様たちをも含めて
開催するようなイベントを依頼主様から受託した場合には、
動ける仲間たちでカバーし合えばいいだけのこと。
僕たちはお互いに支え合って補い合って活動していくからです。
活動中の怪我に対する賠償金については、
札幌市役所に詳細を報告すればボランティア活動保険がおりる仕組みになっています。
ただし「死亡」に関しては明記されていないので
札幌市役所に問い合わせてみないとわかりませんが。
「自殺未遂当事者の会-芯-」のように定款にて免責規定を設けて
「当団体および会員は、活動に伴い生じた事故等に関し、
いかなる責任も負わず、各会員の自己責任とする」と定めてしまい、
入会希望時点でその点も同意してもらう形式をとるという方法もあります。
団体を立ち上げる前から不安に思ってヤル気をそこねてしまうような発言は
僕は好きではありません…。団体ひいては自分たちの責任問題や責任意識・覚悟
について尋ねる程度なら構いませんが、
敢えてビクつかせてしまうようなネガティブな心配は持たせないこと…。
僕はそう思っています。
さておき、
本題の「なぜ僕が障害者福祉に携わりたいのだろうか」ですが、
僕は自分の天命たる自殺予防活動以外では「支え手になりたい」
「自分の経験や情熱から最大限サポートしたい」という気持ちが強くあります。
僕の前職は就労継続支援B型作業所の支援員と合わせて
会社の社長と一緒に「作業所同士が支え合える組織を作り、
利用者様にとっても作業所様にとってもお互い協力して作業依頼や受託が
できるような障害者福祉を推進していきたい」という方針の組織を設立しました。
B型支援員としての仕事は人手不足で多忙でしたが
利用者様との関わり合いが楽しかったり面白かったりして「やり甲斐」を感じていました。
社長と作った組織のほうでは様々な加盟作業所様のところへ訪問して
利用者様がやる作業を他の作業所様から依頼する仲介をさせてもらったり、
色んな作業所様のサビ管や支援員とお話できる日も多く、
そこには「やり甲斐」の他に「生き甲斐」をも感じていました。
僕は自分の障害特性から他人との接し方やコミュニケーションにおいて
トラブルを起こしてしまうことが多々あり、
最初はそうした仲介の仕事には自信がありませんでしたが
やってみると面白かったんです。
組織ではハンドメイドの作業に取り組んでいる作業所様と
合同福祉バザーも企画・準備・開催・運営することが2回できて
僕はやはりそうしたイベント開催活動が好きなんだ♪ということも分かりました。
ちなみに僕は先天性の広汎性発達障害(軽度知的障害を伴う自閉症)ですが、
働いていた当時はメンタルクリニックへ行ったことがなく、
退職してからようやく検査を受けて知った事実なんです。
「まさか支援員として働いていた自分自身も障害者だったとは…!!」
「しかも生まれながらにした先天性の…!」
と診断下りた時にはビックリしましたね。
天命たる自殺予防活動は精神保健福祉にカテゴライズされますが、
「ベクトルズ」は障害者視点で取り組む障害者福祉と保健福祉に
カテゴライズされたいという思いで今います。
なぜ僕が障害者福祉に携わりたいのだろうか…。
支援員として働いていた頃のサポートをするという「やり甲斐」、
社長との組織で作業所同士の作業依頼の仲介をしたり
福祉イベントを開催するという仕事の「生き甲斐」を感じて、
もう僕は本格的なTHE・組織の一員としては働けないけれども、
それに近いような障害者福祉に取り組む団体を
障害を持った仲間たちと一緒にやっていきたい!
という強い思いが、少しカタチを変えても継続しているんだと思います。
最後に「ベクトルズ」の代表理事は現在は僕ですが、
実際の取り組み・活動の内容は「会員」となっていただいた
仲間たちで知恵熱絞り合ってアイディアを出し合って立案して、
それを理事会が実現できるようなプラン案を作成したり
収支予算案を作成したりしてから総会の承認を得てみんなで支え合って活動する
という方針をとっています。
自分たちの得意分野や好きなことを活かした活動
やったことないけどチャレンジしてみたい活動
などを実現できるようなサポート体制をつくっていきたいと思っています。
今後とも「障害当事者団体ベクトルズ」をよろしくお願いいたします。
(執筆/障害当事者団体ベクトルズ 代表理事 内田貴之)