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「一般就労が難しいなら選択肢は作業所だけ」みたいな社会にはしたくない [2026年05月14日(Thu)]
障害当事者団体ベクトルズの内田貴之コラムです。

「“仕事”って、会社だけですか?」というテーマで、障害当事者団体ベクトルズで現在力を入れ始めている「デザイン制作サポート事業」について趣旨や考え方を話してみる。

事業名を見ると「デザイン制作を請け負う事業なんだな」と思うでしょう?実際その通り。地元企業と業務委託契約を交わして、チラシ制作や画像制作・映像編集などデザイン関係のサポートを行なっている。契約書にも「グラフィックデザインや映像編集等のスキルや経験を活かし、双方の発展に資することを目的とする」と書いてある。

ただ、障害当事者団体ベクトルズとして本当にやりたいことは、単なるデザイン業ではない。

障害当事者団体ベクトルズは「会員それぞれの得意分野を、様々な場所や形で発揮していくこと」それ自体が、障害者福祉の促進に繋がると考えている。

つまり「障害者だから支援を受けるだけ」ではなく「社会の中で、自分の得意分野を発揮する」そういう実感を持てることが大切だと思っている。

僕自身は複数の団体に関わっているため、イベントチラシ・SNS用画像・開催後写真つきレポートなどを作ったり、そういう形でデザインスキルを発揮する場所がある。でも、そういう環境にいる障害者って、実際どれほどいるんだろう?とも思う。

例えば、就労継続支援B型などでPhotoshopやIllustratorを学んだとしても、実務案件があるかどうかは、その作業所が仕事を受注できるかに左右される。つまり「スキルは身についた。でも発揮する場所がない」という人も、実際かなりいると思う。

だから障害当事者団体ベクトルズでは「一般就労が難しいなら、選択肢は作業所だけ」みたいな社会にはしたくない。

企業へ就職する形だけじゃなくても、
 ・業務委託
 ・プロジェクト参加
 ・得意分野ごとの関わり
そういう形で社会と繋がれる道があっていいと思っている。

もちろん今はまだ「デザイン制作サポート事業」という形なのでデザイン系が中心。けれど将来的には、障害者それぞれの得意分野に合わせて、もっと色々な仕事や関わり方ができる組織にしていきたい。

ただ、ここで誤解されやすい話もある。

現在、企業から頂いた報酬は、その仕事を行なった本人ではなく障害当事者団体ベクトルズの活動資金になっている。これだけ聞くと「搾取では?」と思う人もいるかも…。

障害当事者団体ベクトルズが今まず目指しているのは「会費・助成金・寄付金だけに頼らず、事業収益でも活動できる組織になること」。つまり、まずは組織として自力で継続できる基盤を作る。それが現在の第一目標である。

もちろん将来的には、障害当事者団体ベクトルズを非営利型一般社団法人にすることを組織の叶えるべき夢としており、きちんと本人への報酬として還元できる形を目指している。

障害者福祉ってどうしても
 ・支援する側
 ・支援される側
だけで語られやすい。

でも僕は「得意分野を社会で発揮して、そこに価値が生まれる」そういう関わり方も、もっと増えていいと思っている。



以上
障害当事者団体ベクトルズ
代表理事兼相談役 内田貴之
Posted by 内田 at 10:56 | 内田貴之コラム | この記事のURL