一人くらしの老人への支援と見守り活動を通じて考える地域福祉教育
記 録: S市社会福祉協議会 TOさん
発表要旨
K市では昭和55年度から57年度まで県社協のモデル事業で「地域の福祉を高めるアンケート」を実施し、住民から出た課題に対して小地域活動を展開した。
昭和57年度から63年度までは「在宅福祉サービス」の課題発見と組織化、住民参加による 見守りが開始された時期である。「在宅高齢者生活ニード調査」から支部での課題を拾い出し、『一人暮らし老人の会作り』や『老人新聞の発行』『見守りチームづくり』を行った。
老人の会は新しい仲間作りや精神的な支えとなり、支部社協にとっては在宅福祉の課題を明確にすることにつながった。また、老人新聞は情報提供よりも民生委員が訪問の手立てとして持っていき、見守り活動をすることに意義があった。さらに、見守りチーム作りは、ニーズの発見や地域住民が主体的に助け合う仕組みづくりに、さらに住民参加やボランティアの育成は支えあう体制作りとなった。
昭和63年度から平成10年度までは、在宅福祉推進の時期で、特に見守り活動が安定的
に実施された時期である。
その後、介護保険事業に参入をした。困難を抱える人をどこまで救えるのか、手がかかりはじき出された要援護者を救う最後の底の部分の役割を担う一方、赤字は出せないというジレンマに苛まれる。
介護保険事業に手が取られる中、小地域活動は停滞し、本来の意義も忘れられつつあ
る。
地域の人の中にも、その活動の本来的意義を伝えられる人がいなくなってきた。
平成17年度はそのような形骸化しつつあるシステムの再構築をする時期である。
すべての地域福祉活動をもう一度見直す必要性がある。
感想
○我々の社協にもこの実践の表面的な部分だけ真似た事業がありました。
しかし、その事業の意義までは受け継がれず、表面的には似ているものの、実際は
まったく違う事業になっていました。事業の意義や価値を受け継いでいくことの重要性を痛感
しています。
いつか、この研究会で、事業の意義や価値を伝えていけるような報告書が出せればいいですね。