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2006年09月22日

福祉教育を基盤とした地域福祉を考える研究会 9月度報告 1

福祉教育を基盤とした地域福祉を考える研究会 9月度報告 1

テーマ:Tケアホーム

発表者:Tケアホームボランティア担当Nさん  

記 録:K市社会福祉協議会 Hさん

1.埼玉県福祉教育・ボランティア学習推進員として

認定証は肩書きか?資格か?・・認定証ほしさに行く人がいる。
一般ボランティアとの違いは?・・学校で話せるからという人もいる。
先生になった気だけはならないよう自分は心がけている。

2.施設におけるボランティアの位置づけ(2つの施設を比べて)

A施設・・ボランティアは「させていただくもの、湯茶の接待は必要ない」
頭を下げない職員もいる。イベント(おまつりなど)時、始まりに管理職は呼ばない
と来ない。
B施設・・寄り添っていただくだけでもボランティア。
     イベント(おまつりなど)時、始まりに管理職(事務長)がご挨拶。管理
者自らの挨拶により「自分たちは必要とされている、大事にされている」認識を持
ち、ボランティアさんの気持ちも変わる。

3.ボランティア導入の実態

A施設・・イベント時など単発ボランティアのみ

B施設・・平成17年度 333件 延べ3,300余人・・日曜日以外必ず毎日どこかのフロ
アにボランティアがいる。ボランティア担当の職員は3人いるが、必ず1人は出勤する
ようにしている。そして常にボランティア調整を行っている。

4.Bの施設理念

「地域に開かれた施設を目指して」
「ボランティアが運んでくれるもの」

5.今年度の取り組み

 @花爽快(はなそうかい)・・ボランティア懇談会(交流会)
              同じフィールドで活動しているのはどんな方か?
              互いを知り、高めあおう

 A社協「はじめての夏ボラ体験」オリエンテーションについて

  市内にある4老人福祉施設(特養・老健・デイケア・デイサービス)が合同でオ
リエンテーションを実施・・実は3施設のコーディネーターが新人で、ボランティア
の受け入れ方がわからないところから誕生した。このオリエンテーションでは、参加
者によるワークショップも行われた。
  この企画の目玉・・希望施設での体験が終われば、残りの施設でも随時体験可
能。

 B「頑張れ 父ちゃん母ちゃん」講座の開催
  団塊の世代の掘り起こし。
  B施設だけにとどまらず、ボランティアの意向に沿った施設での活動が可能なよ
うに紹介をする。

6.その他

 ボランティア学習推進員としてノーマライゼーションについて理解しているつもり
だが、障害者の社会参加が大変なことについて、さりげないフォローをすることの
教育は難しい。
学校での福祉教育もいろいろある。ボランティアグループの中には、何人かだけでも
気づいてくれればそれでいい → それを地道に続けていけばよいという考えもあ
る。

○感想

 わが市でもA施設のようなところもあり、社協のボランティアセンターから派遣し
たボランティアさんから苦情を聞くこともあります。施設からのボランティア派遣依
頼がきたら、原則的には施設に近い方にボランティア活動を依頼することが多く、そ
れは自分の地域のなかの施設を知り、交流を深めていただくという趣旨からです。わ
が社協としては多くの施設がB施設のような理念を掲げていただけるよう、施設と社
協の連絡を密にし(こちらにも問題があると思うので・・)、投げかけていかなけれ
ばいけないと考えております。
「はじめての夏ボラ体験」のオリエンテーションの企画も面白いなと思いました。夏
ボラには学校の宿題や受験のための資料としてボランティア活動証明を依頼する学生
が多いのが現状ですが、なかには「もっと活動してみたい」という方もいるので、こ
のシステムを参考にさせていただきたいと思います。
posted by mk at 06:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 福祉教育

福祉教育を基盤とした地域福祉を考える研究会 9月

 福祉教育を基盤とした地域福祉を考える研究会を9月8日に川越で開催しました。
 
 1.Tケアホーム

     発表者: Tケアホーム   ボランティア担当Nさん


 2. 知的障害と自閉症を併せ持つ息子さんのいる母。

    発表者:I市社会福祉協議会 iさん  


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2006年08月25日

埼玉の福祉教育の今とこれからをともに考える一夜報告


埼玉の福祉教育の今とこれからをともに考える一夜報告 8/8


埼玉県における福祉教育の歴史と展開〜取り組みの原点を振り返って〜

   埼玉県社会福祉協議会 永田部長


1 福祉教育の概念規定
(1)重田委員会 ― 1971年
○ 福祉教育とは、憲法にもとづく社会的基本権としての生活上の福祉の確保を
さまたげる諸問題を解決し、かつ、住民の生活における福祉を増進するために、地域
社会における住民が、それをみずからの、および、住民共通の課題として認識し、そ
のうえにたって、福祉増進の住民運動を自主的・継続的に展開するのを助けることを
目的として行われる教育活動である。
○ 福祉教育は、社会福祉の機関や専門家が住民に福祉を教えるという他律的な
啓発活動ではなく、地域住民自身が福祉を自分の問題として主体的に認識し、行動す
るという自己教育の過程である。
○ 住民の日常生活面での権利擁護の観点から、制度や政策を批判的に検討し、
その問題点を克服するための住民の実践意欲を建設的な方向で高めていくような教育
活動でなければならない。

・ 社会権的な意味合いが強い
・ 地域福祉における一つの方法論として規定されている
・ 福祉教育の主体は住民自身である
☆ 福祉教育を人権視点に立脚した地域住民自身の自己教育運動としてとらえ、運動
論的福祉教育論を展開する点に特徴がある

(2)第1次大橋委員会 ― 1983年
○ 憲法第13条、25条等に規定された人権を前提にして成り立つ平和と民主主義
社会を作り上げるために、歴史的にも、社会的にも疎外されてきた社会福祉問題を素
材として学習することであり、それらとの切り結びを通して社会福祉制度、活動への
関心と理解をすすめ、自らの人間形成を図りつつ社会福祉サービスを受給している
人々を、社会から、地域から疎外することなく、ともに手をたずさえて豊かに生きて
いく力、社会福祉問題を解決する実践力を身につけることを目的に行われる意図的な
活動である。

@ 人権思想をベースにする
A 歴史的・社会的存在としての社会福祉問題を素材とする
B 社会福祉問題との切り結びをとおして、社会福祉制度や活動への関心と理解
をすすめ、みずからの生活の中で体験化、感覚化していく
C 社会福祉問題を解決する実践力、社会福祉サービス受給者とともに手をたず
さえて豊かに生きていく力を身につけることを目的に行われる意図的・計画的な教育
活動である

2 埼玉県における福祉教育の原点
(1)福祉教育のねらいと方法 ― 1987年
  @ ねらい
・ 福祉的な心情や態度を培う
・ 社会福祉についての知的関心・知的理解を深める
・ 社会福祉への自発的・市民的参加(活動及び運動)を促す
  A 方法
   ア 地域の福祉問題を素材として学習し、老人や障害者をはじめその地域で生
きる地域生活者としてのすべての住民とのかかわりを重視する
   イ 福祉の心を実践的に理解し、実践的態度・意欲および能力として育て、し
かもそれを福祉的実践につなげるために体験活動を重視する
   ウ 子ども、老人、障害者などすべての地域住民が豊かにともに生き・ともに
育つ街づくり・地域づくりをすすめんとする協働活動を重視する

     ・体験活動を重視し、それをとおして福祉の心の日常化を図る。また、多
様な人間的かかわりの中で、自己覚知と自己変革を促す

(2)社会福祉問題と切り結ぶ福祉教育
○ 社会福祉問題とは生存権、発達権、幸福追求権が疎外されている状態をいう
○ 古典的には貧困問題を基本的な問題として位置づけ、老人、児童、障害者問
題などに分化した問題である
○ 新しい問題は、高度経済成長期以降の個人的な消費財の不足、自然環境など
の質的劣悪さ、人間性の頽廃、社会連帯の喪失などによる社会問題である。
・ これらの社会福祉問題は重層的に現れ、その原因も複雑化、錯綜化してい
る。
・ これらは特定の人の問題ではなく、全ての国民が現実及び可能性において担
う生活課題となる(社会福祉問題の国民化、地域化)


(3)福祉教育とボランティア教育
○ 福祉教育は地域福祉の主体形成を進め、地域福祉の基盤づくり、環境醸成の
ための教育活動であり、運動である。
○ ボランティア教育は、ボランティアの主体形成を目的的にすすめるための教
育・訓練活動であり運動である。その具体的なねらいはボランティア活動についての
理解をはじめ、活動の継続化や質的向上、さらにはボランティア自身の自己の再発見
と人格的変容などをはかることにある。

(4)福祉教育の展開と家庭・地域との連携
○ 福祉教育に関する機関・団体として、社会福祉協議会をはじめ、社会福祉施
設、公民館、民生委員協議会、ボランティアグループ、子ども会、老人クラブ、障害
者団体、婦人会、青年団、町会、自治会などさまざまなものがある。これらのうちで
その中核に位置づけられるのは社会福祉協議会である。
○ 市町村社協の福祉教育活動には、関係機関・団体との連絡調整、関係図書・
資料・視聴覚資料などの収集・提供、講師・指導者の紹介・斡旋、手話・点字・介護
技術などの研修・訓練などがある。また、現に展開されている地域福祉や在宅福祉
サービスの具体的な諸活動の中に、児童・生徒の福祉教育活動を組み入れることもで
きる。

3 これからの展開 ― 社会福祉協議会が進める地域福祉の一環である
(1) 地域における福祉教育の推進
(2) 福祉増進の住民運動の展開
・ 地域福祉推進の主体づくり
・ 社会福祉協議会におけるコミュニティワーカーの育成
・ 地域におけるリーダーの育成
(3) 権利擁護の視点
・ 正しく知る
・ スティグマ、偏見、差別をなくす
(4) 日常化の視点
(5) 福祉教育計画の策定
・ 社協発展強化計画、地域福祉活動計画、地域福祉計画との連動
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2006年07月27日

福祉教育を基盤とした地域福祉を考える研究会 7月度報告

M町福祉施設連絡協議会について

1 設立の動機

 当時ボランティアコーディネーターを担当していたが、施設側のとらえるボランティア像との違いからトラブルがあった。そこで「三芳町でのガイドラインが作れないか」と考え、6〜7年前に社協が「施設にとってボランティアは必要か?」というアンケート調査を行なった。

 その後、半年間施設のボランティア担当者とコーディネーターがプライベートに集まり、会議を重ねていったが、仕事として集まれないか施設に打診したところ6施設長が認めてくれ、連絡協議会がスタートした。

2 加入施設

  設立時5施設(1施設は不参加)であったが、現在は10施設が加入している。

3 事務局と社協のかかわり

  設立当時、社協は文書の作り方などを援助するため2年間を目途にかかわる予定であったが、今では社協が専門分野の知識を得ることが多く、かかわりは続いている。

4 各施設長を役員として運営委員会を実施している。

5 職員研修

  自分達だけではなく施設に勤める職員全体のレベルアップを図るため、内容については職員にアンケートをとって決めている。また、近郊2市2町の施設病院へも研修の周知を行なっている。

6 ボランティア情報誌「げんき」の発行

  不定期ではあるが、施設全体で発行している。社協で印刷、全戸回覧を行なっているが、ボランティアに対する反響がある。

7 住民向け町内福祉施設見学会

  広報、社協だよりで周知し、二日間の予定で行なっている。昨年までは昼食代を実費で徴収していたが今年は無料とした。

8 福祉まつりへの参加

  現在は連絡会や施設のPRを行っているが、将来的には福祉相談も行ないたい。

9 パンフレットの作成(住民主体)

  福祉のことで町役場に電話してもたらいまわしにされることが多い。そこでパンフレットを作成し、直接施設に電話できるよう、住民にとってメリットあるものにしていく。

10 社協のボランティア支援

  各施設に申請により毎年1万円を助成金として施設の会計に繰り入れることによりボランティアの必要性、位置づけができるようになった。

まとめ
 ある職員から「俺達は自分の施設しか知らないコンプレックスがある。」という言葉があった。連絡協議会が機能することにより同じ地域の施設を知り、職員同士の交流ができるようになった。また、勉強会への出席により職員のレベルが上がった。

 将来的には利用者同士の交流ができればよいと思っている。

Aさんの感想

 老健に勤めるボランティアコーディネーターとしてはなんともうらやましい話でした。
 私の職場でも「地域に開かれた施設作り」を目指してボランティア懇談会を開くなどしています。将来的には利用者のニーズにあったボランティアのコーディネーター業務を円滑に実施するために、こういった施設間でのボランティア交流をしようと現在、模索中です。

 職員の交流があって、ボランティアの交流があって、そして加齢とともに施設を移動する利用者の皆さんが安心して次の施設を利用できるよう、利用者同士の交流会を楽しみにしています。
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福祉教育を基盤とした地域福祉を考える研究会 7月度報告

サロンからNPOへの架け橋

〜精神保健福祉ボランティアグループの発展について〜

H市社会福祉協議会 Nさん

1.平成12年度 社協・保健所共催による精神保健ボランティア講座の開催

社協担当者「精神疾患がからんだボランティアニーズの高まり」
保健所担当者「精神障害者の社会復帰、参加には市民(ボランティア)の協力が不可欠!」
グループ化し、作業所のボランティアとしてメンバーとかかわろう!!

【ポイント】

 グループ化の話し合いの中で「社協は何をしてくれるの?」との問いに「背中をおすだけ」と答え「どうゆうこと?」と社協担当者がボランティアにたたかれる
  ↓
ボランティア自身に自覚と責任が生まれる
  ↓
グループ化へと

2.精神保健福祉ボランティアグループ「ハートぷらす」の誕生

動スタート 気づき@「作業所は男性が中心で馴染めないメンバーもいる」

3.ふれあいいきいきサロンとして「さろん・ど・ハート」活動スタート

メンバーもボランティアもゆったりとした心地よい時間を共有できる

気づき
Aメンバーにはいろいろな可能性、才能がある。それを発揮できる場がない

4.社協の補助金がなくなる

気づきB運営財政の基盤づくり、市民賛同者を増やす啓発活動の必要性を確認

5.NPO法人立ち上げにむけての準備会

気づきC連携することの意義と意味を自ら見出す

6.ほっとスペース“セ・ラヴィ”スタート(自由に集える場兼創作活動の場)

各社会資源をつなぎ合わせる中心的な場になる。

7.NPO法人あお〜らスタート

地域生活支援センター受託

【ポイント】

スタッフから「1年ぐらいどうしようと話してた。せかすわけでもなく、寄り添ってきたのが社協(職員)」

はじめは、社協職員Nさんがボランティアの方々の背中を押したが、今は、Nさん自身がスタッフの方々の活動や言葉に背中を押されている。相互関係ができている。

感想:

精神保健のボランティア講座は、ここ何年かあちこちで実施されているが、実際にNPO法人取得し事業展開へつなげている例は少ないと思う。

社協のコミュニティワーカーとしてどのようにかかわっていったのかが大きな鍵となるのではないかと感じた。メンバーや家族、ボランティアへの関り方やそれぞれの思いをつないだり、うけとめたり、寄り添いながら、また、社会の動きに沿いながら、現在も関り続けることでさらなる道が開けている。

Nさんの熱い思いや地域が変わっていく様子にふれられ、また、元気をもらったよ。
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2006年07月15日

福祉教育を基盤とした地域福祉を考える研究会 7月

 福祉教育を基盤とした地域福祉を考える研究会を7月14日に川越で開催しました。
 
 1.サロンからNPOへの架け橋

〜精神保健福祉ボランティアグループの発展について〜

                    発表者:H市社会福祉協議会 Nさん 


 2.M町福祉施設連絡協議会について
                    発表者:M町社会福祉協議会  


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2006年06月29日

福祉教育を基盤とした地域福祉を考える研究会 6月 1

福祉教育を基盤とした地域福祉を考える研究会 6月度報告 1

テーマ:地域福祉推進会議からみるH市社会福祉協議会のふくし

発表者:H市社会福祉協議会 SUさん  

記 録:F市社会福祉協議会 Tさん

(1)地域福祉推進会議設置までの流れ
平成13年よりH社協事務局で「地域福祉推進会議設置」に向けての計画を立
 て始める。
平成15年、市内7箇所の公民館(社協支部)で推進員が誕生。各地区10人程度の 
 推進員(2年任期)を置く。同年後半より地域福祉推進会議設置。
平成16年、地域福祉課(6人)全員で担当地区を受け持つ。毎年地域福祉推進の会 
 議を持ち、地域の課題を反映して支部活動を行う。
・ 平成17年、推進員の改選

(2)地域福祉推進会議設置の目的               
  地域福祉計画の法制化に伴い、「住民参加を基本理念」とする社協がどう役割を果た
 せるかという危機感から、地域の福祉課題に対し必要な活動に結びつけ、支部活動を
 活性化するためのワーキングとして地域福祉推進会議設置した。
  また、福祉教育・ボランティア学習推進員が地域で活躍できるようにするため。

(3)地域福祉推進会議の概要と役割(詳しくは配布された資料をご覧下さい)
・ 地域福祉推進員は、社協支部役員とは別で、福祉委員(行政協力委員)・民生委員・
  児童委員・ボランティア団体・学校関係者・福祉施設関係者・地域住民(障害者等 
  含む)・自治会・福祉教育推進員・PTA役員・老人クラブ等から選出されており、
  市内7箇所の公民館(社協支部)に各地区10人程度の推進員(2年任期)を置く。
地域福祉推進会議は、1~2ヶ月に一度の会議を持ち話し合いを行う。
地域の課題から必要な活動に結びつけたり、企画・提案・連携の仲立ち及び実践活動を行う。また、地域への情報提供や啓発といった福祉広報の役割もある。

(4)地域福祉推進会議の成果
様々な立場の人が「福祉」「地域」というテーマを考え協力し合う貴重な「場」にな  
  っている。
地域で福祉的な課題があると「推進会議で議論しよう」という流れができつつある。
 (話し合いの場である「核」ができたことで、多種多様な地域資源を効率よくつなぐ
  ことができるようになってきた)
社協自体の他の事業と連動し、より効果的な展開が図れる。
地域に「社協の存在」が見え、期待も高まってきており職員の意識も向上。
地域福祉課の職員が全員で関わることで、担当事業を超えて職員間の情報交換がで
 きるようになった。

(5)各支部の活動や問題点
地域によってそれぞれ特徴があり、農村地帯の地区では今まで会議が行われていないところもある。古くからのコミュニティがあるため、現状では何とかなっているが、高齢化が進み今後どのように展開していくか検討中。
ニュータウンという土地柄か、自治会組織がなく、30~40代が少なく子どもも少ない所もある。介護・高齢者関係に関心が高いため、介護関係の講座を開催したりしている。
高齢者のサロンを全地区展開しているところもある。(20地区中15地区で実施)。
  地域のコミュニティも残っており老人憩いの家もある。
推進員に力量があるため、推進員で完結しやすいところもある。地域の人々を巻き込
  む努力をしている。

(6)今後の取り組みと課題
今後は子どもに焦点を絞ったサロン、三世代交流で進めていきたい。各地区に子育て
  サロンを作りたい。公民館単位では、主任児童員が子育てサロンを実施している。
  高齢者のサロンの中に子どもを引き込むことで親も引き込みたい。障害者のサロンも
  作りたい。
まだまだ「地域福祉推進会議」の存在は薄い。
地域の幅広い意見をどう集め、集約して活動に結び付けていくか
活動のマンネリ化防止、関係者の動機付けの維持。
自分達が思い描いている「地域づくり」に向けて計画的に行動していくよう仕掛けていきたい。

*感想:今、私が当社協で取り組みたいと考えている活動の実践例をご紹介いただいたよう
    な感じでした。小地域活動が地域福祉のポイントだと思います。それぞれの地域の    
    実情や福祉課題に応じた活動が実践できるよう、社協は地域住民と様々な形でつな
    がり、色々な関係機関、サービス、ボランティア等とネットワークを組んでそれら
    の課題に取り組みたいと思います。東松山社協の地域福祉推進会はとても参考にな
    る取り組みでした。ありがとうございました。
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2006年06月26日

福祉教育を基盤とした地域福祉を考える研究会 6月度報告2

福祉教育を基盤とした地域福祉を考える研究会 6月度報告2

テーマ:「学び合い」−現場から学ぶということ
発表者:MNさん 
記 録:HNさん

福祉コーディネーターの研修でグループごとに物を作り競うワークショップが行なわれた。ある参加者は協力するのではなく競うことが福祉の研修としてふさわしいのか?という感想を持った。

今回は現場で学ぶことをお話したい。
@毎年、「環境まちづくりフォーラム・埼玉」が行なわれており、その分科会のひとつ「カッパ(川)分科会」では生物・河川環境教育のように分野別ではなく川という密着した現場の視点から考えることを行なっている。
A企業では改善活動として「三現主義(現場に出て、現物を見て、現実に接する)」の原則が行なわれている。
Bまちづくりの現場では私が所属しているユニバーサルデザインステップでは実際にまちを疑似体験しながら、具体的な現場の調査からまちづくりのプランを行なっている。
C地域情報研究所のまちづくり講座では現場の当事者が企画して主体的に実践していくことで各地で実績を上げている
D地域通貨に限らずいろいろな学習会だけで終わるのではなく、まちをどうするか、問題をどうやって解決するかという考えと結びつけることが必要。
E社会的起業については資料にもあるが、要は現場主義が大切である。

冒頭紹介したワークショップの例で言えば、競うのは良いが最終的に協力をしていくこと
が必要。知識ばかりで現場を学ばない教育、マネジメントのスキルしか頭になく、効率し
か考えられないコーディネーター・リーダー、そういう人を養成するプロデューサーはいら
ない。必要なのは「人のつながりのコーディネート」、お互いに学びあいを進めていくこと。
現在危惧しているのは「競争・成長」の原理であり、「共生」に向かう「いのちの分かち合
いと学び合い」などを問いかけていかなければならないと思う。

小平市の事例ではゲストティーチャーが盲導犬を連れてきたとき、盲導犬が入れない店が
あることから、飲食店をしている生徒の家ではどうか?どうすれば納得してもらえるか?
を学習した。(その他、「都」及び「社大」の資料あり)

現在、福祉教育、環境教育、人権教育、平和教育、ジェンダー教育などいろいろな取り組
みが行なわれているがその共通項を「いのち、助け合っての暮らし」など現場(地域)で
つながりを持っていきたいということを教育目標にしていこうというのが提案であり、持
続可能な社会をキーワードにしたい。

今年、水俣が50周年を迎える。お母さんが水銀を摂取したために、それを子供が吸い取って生まれてくる。本来であれば、お母さんが成り代わるべきなのにそれができなかった。人間のいのちを最初から犯すような現在の持続不可能な社会で、末期がんの患者、障害者、高齢者などの人たちに我々は成り代われないが、何かしたいという思いでみんな活動していくことを基本にすれば良いのではないか。

感想
 講座などで学んだことを地域で生かすのではなく、地域の現場から現状と将来の課題を
見い出し、その解決のために必要な人のつながり、知識を学ぶことの必要性を再認識し
ました。
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2006年06月10日

福祉教育を基盤とした地域福祉を考える研究会 6月

 福祉教育を基盤とした地域福祉を考える研究会を6月9日に川越で開催しました。
 
 1.地域福祉推進会議からみるH市社会福祉協議会のふくし

                    発表者:H市社会福祉協議会 SUさん  

 2.「学び合い」−現場から学ぶということ
                    発表者:市民           MNさん  


 今回はスペシャルゲストが来場。
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2006年05月23日

福祉教育を基盤とした地域福祉を考える研究会 5月度報告 2

福祉教育を基盤とした地域福祉を考える研究会 5月度報告 2


テーマ:緩和ケア病棟におけるボランティアの取り組み
発表者:HNさん
記 録:県社協 Tさん

○概要

がんによる死亡者数は、全志望者の3割を占めているが、ホスピス、緩和ケア病棟で亡くなる人の割合は、がんの総死亡者数の約4%である。その様な中で、埼玉県は全国的にも遅れている状況にある。

これまでの緩和ケア病棟のボランティア活動は、社会福祉施設でよく見られるような、「サービス提供型」の一方通行的なものが主であったが、病棟をひとつの地域社会と考え、サービス提供型から応答型ボランティアへ、「Doing」ではなく「Being」のボランティアに変えていくために、新規ボランティアを導入した。新規ボランティアについては、活動に自主性が見え、緩やかなグループ化の兆しも見えるなどの成果も現れているが、「Being」よりも「Doing」を求めたり、一部のスタッフと結びつきが強くなってしまうなどの課題も見えている。

また、5月より病棟のドクター、看護婦長、ボランティア代表、コーディネーターで活動検討会議を開催することになるなど、ボランティア、コーディネーターの存在が、病院内で認識されてきている。

これまでの福祉教育では、障害者や高齢者と、社会生活を共に送る力を養うことが中心となっていたが、一方で、緩和ケア病棟のボランティアを通して感じることは、死に至るまでこれからどう生きていくのかということを、第1の人生の人に見せていくことが大切であるということ。学校や地域におけるいのちの教育が、今後重要になってくると思われる。

○感想、質疑など

地域医療については、医療者から考えるのは病院中心、福祉関係者が考える地域医療は緊急措置的な見方である。医療者と地域を近づけていくことが必要。

介護職のターミナルケアに対する意識、知識を変えていかなければならない。
見守り活動に、見取りの視点を加えていくことも必要。

ボランティアに「Doing」ではなく「Being」を求めることは大切だが、専門職でも難しい。段階を設け、学びあいの機会も大切にしたほうがいい。

病院のスタッフがボランティアをどのように認識しているか?
→一部はボランティアを補助の労働力と見ている場合もある。この意識を変えるには、活動の中でボランティアの意義等を見せていくしかないと考えている。

平均在院日数が20日を切る状況では、ボランティアの心のケアも大切ではないか?
→ボランティア同士の傾聴や宗教家の介入、遺族会や家族会での悲しみの共有などが重要である。

日本人は死を隠す文化がある(塩を撒く等)。同僚が亡くなったときに、その死を受け止められなかった。これが、自分が死ぬことも受け止められないことにつながっているのではないか。

武士の文化等、死を厳かなものとして考える時代もあった。最近では、TV番組のオーラの泉が人気を集めるなど、死に対する考え方が変わってきているようにも思う。

○感想
現在の福祉教育実践では、確かに擬似体験や障害者との交流、施設訪問など、「自分とは異なる人」を知って、その人たちとも一緒に暮らしていこうというところで終わってしまう取り組みが多いような気がします。本来は、そこで感じたことをきっかけに自分と向き合うことで、初めて自身の意識が変わるのではないかと思います。

命について学ぶということは、他でもなく自分自身と向き合うことです。いきなり自分自身と向き合うことを窮屈に感じたり、逃げ出したくなる感情もあるかとは思いますが、それが自然に出来るようになることも、また学びの成果だと考えます。

posted by mk at 05:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 福祉教育