私はハワイ生まれ。両親はサーファー。
海がわが家。この血管には海水が流れている。
いつも海水で濡れているあたしたちを、ママは「人魚」と呼んだ。
初めて波に乗れた日、少しも迷う事なくプロになりたいと思った。
サーフィンはあたしの天職!
そんな語り口で始まる「ソウルサーファー」。
素晴らしかったです!
最近、ハワイがらみの映画増えてますよね。
こんな映画。
↓
将来有望な技量を持つサーファーの少女がある日サメに襲われ左腕を失います。
少女は失意に陥り一時はサーフィンを諦めかけるものの、家族の支えや友人からの励まし、
不屈の精神で再びサーフボードに乗ることを決意する、実話を基にした感動作。
と、まあ、そんな感じで。
なにしろ、テンポがものすごくよくて、ぐいぐい見せていきます。
あっという間の2時間だったー。
それでは簡単なあらすじ。
↓
プロ・サーファーになるという夢を持ち、周囲からも将来を嘱望される13歳の少女ベサニー。
海でサーフィンの練習をしていたところ、サメに襲われ左腕を失う。
以前のように波に乗れない己に苛立ちと絶望感を抱き、サーフィンから離れようとするベサニー。
しかしサーフィンへの思いを諦めきれず、友人や家族に支えられ、
ベサニーは再びサーフボードに乗ることを決意する。
厳しい訓練をこなし障壁が待ちうけようとも、彼女は何度も海に立ち向かっていく――。
こんな女の子だったら、、、それは私の理想だなあ、と思ったのが最初の15分間。
ベサニーは前途洋洋、その才能が期待される素晴らしいサーファー。
両親はとても素敵で、理解があって、同じくサーファー。そして自分を見守ってくれる兄たち。
あたたかい家族、大好きな海がまるで外庭のような素敵なおうち。
愛に包まれて、才能にあふれて、美しくて、、、その他もろもろ。
私にないものがズラーーーーリ。
だけど、べサニー、そこから事態は一変。奈落の底に。
サメが彼女の左腕をサーフボードごと食いちぎるのであります。
そのへんのシーンの臨場感もすごかった。
そしてそこからベサニーの本当の人生が始まった・・・。
片腕となった娘になにをしてやれるのか。
家族の苦悩の描き方が素晴らしいと思いました。
よくありがちな、変なメロドラマ仕立てではないのですよ。。。
ちゃんと共感できた。
溺愛する娘の将来を悲観するパパに、べサニーのママは言うのです。
「ノア(兄)を産んだ時、総てが初めてで何も分からなかった。
あの時と同じ、出来る事を少しづつ積み重ねていくだけよ。」
ママとパパも、ほっんとうに素敵。こんな両親がいたら、、、
家族のきずな、というものがドラマの中の一つのテーマでもあると思うけど。
常に前向きで負けない、精神力を持つべサニーは、そんな家族の思いやりにいら立つこともある。
互いが互いを思いやり、いとおしく思い、愛し、だけど、うまくいかない。
根性娘のべサニーは片腕でまたサーフィンの地区大会に出場するのだけど、
以前のようには波に乗ることもかなわず、屈辱の結果に。
私は大丈夫、だったはずの彼女にその時、本当の絶望感が襲うのです。
どうしたら?私は何をしたら?
もがき苦しむ彼女の問いかけに、答えを出せる人なんていない。
彼女の先生? クリスチャン関連のボランティアグループの先生だと思うのだけど、
まだ腕をなくす前に、先生がベサニーたち生徒に伝えたある言葉を思い出すんです。。
「近すぎると見えなくなる。行き詰まったら、ものの見方を変える事よ。」
べサニーは先生を訪ね、そのことを伝え、そして初めて弱音を吐き、泣くんです。
「これが神様からの試練なの?」べサニーの問いかけに、先生は答えます。
「分からない。神様は時に災いを起こされるの。でも、災いの先には素晴らしい事が待っているわ。」
まあ、よくいわれる言葉ですよね。
でも、本当にそうなんだと思うけど。その時のべサニーにはまだ理解できないですよね。
きっと頭で理解しようとしてもわからないことだと思います。
先生の誘いで、海外ボランティアに出かけたべサニー!
まさにそれが「視点を変える」旅ですよね。
彼女を救ったのは、スマトラ沖大地震の津波の被害に遭ったタイの子どもたちだったんです。
津波で両親を失った幼い男の子。海が怖くて、嫌いで、入れないでいるのを知ったべサニー。
自らサーフボードを手に海に入ります。
ほら、こんなに楽しいのよ、と目配せして、その男の子を手招きして、、、
海に一緒に入ることに成功するんです。
笑顔をなくした男の子の嬉しそうな顔!そして島の人たちの歓声!
その時の彼女の笑顔!喜び!
サーフィンで優勝した時にも味わったことのない喜び!
「神の御業は不思議だ。愛は津波よりも強く、恐怖に打ち勝つ。
あの子に教えた事で、サーフィンより大事なものに気付いた・・愛だ。」
そんな気づきを得るんです。
それこそが、神さまがくれた「試練の後の素晴らしいこと」。
そこからべサニーはぐぐぐっと変わっていきます。
全国からハワイの彼女の元に届いた励ましの手紙を見て、驚きます。
「私は優勝できなかった。それなのに?」
不思議に思うべサニーにパパのひとこと。
「挑んだからさ。」
試練に屈することなく、挑戦したことが人々に力勇気や希望を与える。
それを知ったべサニーは本当の意味で救われていくのです。
そこから始まった猛特訓。再び大会に挑戦するべサニー。
片腕のサーファーの復活。大観衆の視線をうけつつ、波をねらいます。
実際のサーフシーン、本当にダイナミックで美しくて素晴らしかった。
サーフィン映像の迫力やリズム感、音楽、すべてが最後の感動シーンにつながる!
記者たちがフラッシュを浴びせて、優勝したべサニーに問いかけます。
「もし、あの事故の前に戻れるとしたら?」
(それにしてもおバカな質問だねー。)
べサニーの答えはすばらしー。キラキラと輝いていた。
「過去は変えないわ。この貴重なチャンスを逃したくないの。
今は両手で抱きしめるより、多くの人を励ませるのよ。」
エンドロールでは、本物の!べサニーの映像が出てくるんです。
まさにこの映画のシーンとまったく同じような映像、、、。
是非是非、ご覧下さいましー。
素敵な家族の愛に囲まれて、イケイケサーファーで、将来を期待されて、
大好きな海に愛されて、すべてがそろった少女。
だからうらやましい、で終わってはいけないんだと改めて思います。
彼女には彼女の試練が与えられ、それに向かい合うか逃げるか、それは彼女の選択。
そこからが人生の本質なのだと、エンドロール見ながら思いました。
誰の人生とも比べることはできない、私は私の人生と向かい合うのみ。
だねー。だねー。
ヒトはやっぱり、どんなに恵まれていようとも、
「他」に与える喜びを知るほうがよほど幸せなんですよね。
それにしても良くできた物語、いや人生です。
べサニーを変えた「視点を変える旅」。
それはまさに、オフィス・ナウティカの目指すところだなー。
そうそう、そうなんですよ。
いただきー。。
こんな言葉も印象的でした。
↓
波に呑まれたら、立て直せばいい。
良い波はまた来る。
サーフィンも人生のようなもんじゃのー。