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ヨキータの哀愁日記

ジプシーの血たぎる(妄想)
私ヨキータの人生は
流れ流れてどこへ漂着するのでしょう。
チクチクもの哀しくて、だけどサクっと笑える日々を綴ります。


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ブータン 山の教室 [2021年06月23日(Wed)]
「ブータン山の教室」-scaled.jpg


東京は、、ようやく映画館上映にお許しが出て。

すっごく観たいものはないが、、

ちょっと見たい映画は二つ、三つ。


このブータンの映画はその中の一つです。

たまたま半額に近いチケットをもらったので、

久々にヒマラヤの旅に行ってきますか!と(笑)


2005年に行われた国勢調査で、

国民の97%が「幸せ」と答えたことなどから

「世界で一番幸せな国」と呼ばれ始めたブータン。


その北部にある標高4800Mの村ルナナを舞台に、

都会から来た若い先生と、村の人たち、

子どもたちの心の交流を描いた感動作。


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監督さんと子供たち。


あらすじ

若手教師のウゲンは、ある日教官に呼び出され

ブータンの秘境、ルナナの学校に行くよう告げられる。

「オーストラリアに行き、ミュージシャンになりたい」

夢を抱きながらも、渋々ルナナ村に行くことに。

1週間以上かけて辿りついたその地には、

「勉強したい。」と真っすぐな瞳で

彼の到着を待つ子どもたちがいた。

ある子どもは「先生は未来に触れることができるから、

将来は先生になることが夢」と口にする。

慣れない土地での生活に不安を拭えなかったウゲンは

村の人々と過ごすうちに自分の居場所を見つけていく。





標高5000M越えの山の上にある村、ルナナ村。

ヒマラヤ山脈の連なる山々の景色が雄大で美しい。


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東方神起のユンホを少し残念にした感じの???

あ、サッカーの香川にも似てる、、ウゲン。

都会で育った、まあ、イマドキの現代っ子。


ルナナ村までの行程でまず打ちのめされます。

到着まで8日もかかるというルルナ村。

車で移動は初日のみで、、ホテルも初日のみで、、

残りはトレッキング、そしてテント。

その旅からこの物語は始まるんですが。。。


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私もネパールでトレッキングは数回やったし。。

ボランティアをしに、秘境ムスタンまで行ったし。


ウゲンが面食らったいろんなことを、

私は現地で体験済みなので。わかるっちゃわかる。


そういうのがメンドクサイ若者ならここで脱落だな。

数日かけて山を上がっていく行程で。

村から迎えに来てくれた案内人に夕食出されても

顔も見ず、食べもせず、スマホいじってガン無視。

感じ悪すぎのウゲンでしたが。


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story4.jpg

村人総出で2時間もかけて出迎えに来てくれたのに、

それを見ても、シラ〜〜〜。怖いぞ、、それ。


到着したものの、住まいや教室の環境が劣悪で。

ウゲン、村に着くなり、村長に言っちゃった。


「僕には無理です。帰ります。」


506366.jpg


まあ、映画ですから。

ここから徐々に雰囲気は変わっていくのですが。


超、かわいいクラス委員のペムザム(本名)が、、

(ポスターのかわいい女の子!)

ウゲンを「授業の時間です。」と起こしにくる(笑)

つぶらな瞳の子供たちと交流も始まるし。。


bhutanclassroom_01.jpg

同世代の村一番の歌い手セデュとの出会いもあり。

ウゲン、しばらくこの村にいる気になっちゃいます。

やる気スイッチ入ったのですよね。

皆に助けてもらって黒板も作るし。ノートも作るし。


ティンプーの友人に教材やギターを送ってもらって、

ウゲンは、創意工夫をして授業を始めていきます。

新しいボールを手にした子供たちのキラキラな瞳ったら。


セデュから「ヤクに捧げる歌」を教わることになって。

ヒマラヤの峰々を前に二人で歌の練習、これはエモい。


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無気力で教師をやめたがっていた青年が、

山奥の村の人々との交流を通して変わっていく。


そしてどうしても覚えたいと思った、

「ヤクに捧げる歌」がとてもいいのです。


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ヒマラヤの高地ではヤクは神さま。

村の生活に絶対的に必要であり、、

村人たちのヤクへの尊敬と愛情を感じます。


私もテントに泊まっているとき、、

外の掘っ立て小屋トイレで用を足そうとしたら、、

(トイレちゅうても、一本分の木が空いてるだけ。)

トイレ前に、デッカーーーいヤクが寝っころんでて、、

ヤクを越えないと用も足せない、、という状況を経験。

あれはインパクトありました〜〜〜。


ヤクのウンチは大事な燃料でもあるし。

沸点が低いので、なかなか火をおこすの難しいんだけど

ヤクさんのウンチさまは乾けば、マッチより確実。


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フレキシブルに創造的な授業をやっていくウゲン、

子供たち、村人からの絶大なる信頼が寄せられる。

ずっと、村にいてほしい人、に格上げです、、


でも、、ウゲンには夢がある、、普通の男の子の夢。

オーストラリアのライブハウスで歌うシンガーになる。

この村にいること、では決してない。

自分はここにいるような人間ではない、と思ってたはず。


「ここにはいられません、もっといい先生がいるはずです。」

と、後ろめたさはあれど、ハッキリと伝えるウゲン。


哀し気な村長さんの言葉が刺さります。


「この国は世界で一番幸せと言われているけれど、

先生のように未来を担うような人が、

幸せを求めて外国に行ってしまう。」


ここが、、この作品の軸となっているテーマでは??


村長さんは、お別れ近づくウゲンに言います。

「ウゲンはヤクになった。」


宝ものである、ヤク。村に絶対に必要であるヤク

つまり、ウゲンは「村に無くてはならない人」に

なったということですよね。


ううう。

生徒たちの哀し気な表情はたまりませんわ。

ここまで求められては、心は動くだろうし、、、

辛いだろうし。。でも夢を追い求めなければ、という

本来の自分も残っているのだから。


風になびくタルチョの旗。

5色の旗に託された文字や絵が風になびくことで

読経したことになる、チベット仏教の信仰のひとつ。

祈りや願いを自然の中の風に託したタルチョです。


必ずそこには、積み上げられた石を見ることになります。

積み上げていけば、願い事が叶う、、、


数か月前の行きの行程では、そんなの迷信だ、と

流し目で通り過ぎたウゲンでしたが、


帰りにそこに立ち寄った時は、、別人のようだった。


石を一つ一つ積み上げながら、

「いつか戻って来れますように。」とつぶやくのです。


ラストシーンもなかなか興味深い。。

ウゲン、もともと引き寄せ力が大きいのか?

シドニーのライブハウスで夢を叶えてるんです。


金髪のにーちゃんねえちゃんが大騒ぎのライブハウスで、、

ゴキゲンな英語の歌を弾き語ってるんですが。

でもまあ、聴いてる人は酒飲んで大騒ぎしに来てるし。

だれもウゲンの歌なんて真剣には聞かないですよね。


ふっと、、彼は歌うことをやめて。

あの「ヤクに捧げる歌」を歌うのです。


バーの店主は大文句言ってたが(笑)

ウゲンはシドニーの地にいながら、

ルナナ村の彼女らに歌を届けようとしている。

言葉はなかったのですが。いろいろ伝わるシーン。


村人みんなが歌える「ヤクを讃える歌」

わたしももう一回聞きたいな。


上映してるシアターは少ないと思うけど、

これは是非、スクリーンで観てほしいです。


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