マルモイ ことばあつめ
[2020年07月29日(Wed)]
以前から「良い」評判は聞いていて。
上映始まったら絶対に行きたい!と思ってた作品。
母国語の使用を禁じられた日本統治下の朝鮮半島が舞台。
辞書作りの為、全国の方言を集めた「マルモイ作戦」。
辞書作りを通じて読み書きに目覚める主人公をユ・ヘジン、
朝鮮語学会代表をユン・ゲサンが演じる。
あらすじ:
1940年代の日本統治下の京城(現在のソウル)。
親日派の父がいる裕福な家で育ったジョンファンは、
失われゆく母国語を守るため、朝鮮語の辞書を作ろうと
各地の方言など、さまざまな言語を収集していた。
一方、貧しく、教育を受ける機会がなく
盗みを働いて日々生活していたキム・パンスは、
ジョンファンの鞄を盗んだことをきっかけに
彼の辞書作りに関わるようになり、
母国の言葉の大切さに気付いていく。
主演のユ・ヘジン。ホントにこういう役どころ、巧い!
彼が演じるパンス。いかにもチンピラなんだけど、
貧しさがゆえに学もなく、字も読めないが。。
憎めない!口から生まれたかのような、お調子者で、、
生きるために、スリなど、悪いこともやってはいるが、、
それもこれも、愛する二人の子供のため。
中学生とまだ幼い女の子を一人で育てているわけです。
この明るさが、ドラマの哀しさを際立てさせるんだな。
そんなチンピラパンスが、、自ら進んで文字を学び、
街中の看板などを読んで子供のように大喜びする。
学ぶこと、知ることの尊さが、彼からめっちゃ伝わる。
これが感動のラストへの伏線になっていきます。
いつのまにやら読み書きが出来るようになったパンス。
彼が、、もしものことを考えて。
子供たちに残すんです。手紙を。
めちゃくちゃ、汚い字ではあったけど。。。
もう、映画館内、、すすり泣きオンパレード。
私は、、泣きません。。。( *´艸`)
いろんな人が書いていますが。。
反日映画では決してないんですよね。
まあ、都合上、悪い日本軍は登場しますが。
かな〜り、ソフトに描かれていると思います。
この作品は、実話に基づいたフィクション?で、
1944年の「朝鮮語学会事件」をベースに描かれています。
民族運動をしていたという罪名で30名以上を拘束、
うち、数名が獄中で拷問死したそうです(-_-;)
日本の一部として併合しようとしたときに、
最初にやったことが言葉の弾圧なんです。
学校では朝鮮語教育を禁止、日本語を覚えさせ、
名前を「日本名」へ改名させたわけです。
映画の中では、、、
子供たちが普通に日本語しゃべっていて、、、
驚いたオトナにたしなめられたら、、
ハングルワカラナイ、って、日本語で答えていた。
母国語を失っていく怖さって。。
平和ボケしてる私たちにはイマイチわからない。
きっと想像する以上に辛いことなのでは、と思う。
言葉を失い、文化を失い、名前を奪われ。
それは国を失うこと。自身を失うこと。
そんな状況において、最後まで迫害に負けず、
地下に潜り、死ぬ覚悟で「言葉」を守った人たち。
タイトルの「マルモイ」とは、
『マル(言葉)』を『モウダ(集める)』ということで、
国語辞典を意味しているのだそうです。
その昔、アジアを旅行するとですね、、、
時々、いや〜〜なシーンに出くわしました。
台湾や韓国の年配のかたは、日本語が達者です。
もちろん、覚えたくて覚えたわけではありません。
この映画のように強制されたわけですから。
もう、大昔のことですが。台湾を旅行してたとき、、
小ぎれいなビジネスホテルに宿泊したのですが。
チェックアウトするのに並んでたんです。
私の前が恰幅の良い日本人のおじさん、、
出張で来られた方でしょうか。
ものすごい剣幕でフロントマンを怒鳴ってた。
暖房が弱かったじゃないか、みたいな???
もう、貴様!呼ばわりですよ。
すごく丁寧に、若い青年が日本語で謝っているのに
段々ヒートアップ。たかがそんなことで、、
土下座を強要。ものすごいデカい威圧的な声で。
もう、恥ずかしいったらない。
このクソおやじ!まだ戦争中と思ってんのか。
そう思えましたよ、、こういうオヤジほど、きっと
アメリカ人にはペコペコしてるな"(-""-)"アホ!
あんなに罵倒されて、、申し訳なすぎて。
オヤジが消えた後、フロントマンに私が謝ったんだけど。
彼はこんなこと慣れてると言わんばかりに、、
大丈夫デス、と笑顔で、、日本語で、(泣)
私なら絶対に大嫌いになる。日本人。
でも、、台湾の人たちは日本が大好きですよね。
ホントに有難いことだと思う、、、
話は戻りますが。。。
役者さんたちは本当に抑えながらも良い演技。
パンスの子どもたちが、これまた、、巧い!
幼い女の子、、スンヒちゃんが。
死ぬほどかわいい。
ホットクをほおばる笑顔がたまらない。
クレラップのCMに出れそうな子で。。
これからどんな風にに成長していくのかな、、
時々、刺さる言葉が出てくるのでボヤッとしてられない。
「言語はその民族の文化が入ってる器だ。」
「人が集まるところに言葉が集まり 、
言葉が集まるところに志が集まる。」
「言葉は民族の精神であり、文字は民族の命です」
「1人の10歩より、10人の1歩」
深いです。
なんか、、わからんけど、、すごく刺さります。
余談ですが、、、
マルモイは「新宿シネマート」で観たのだけど。
現在、シアターは両隣、前後の座席は開けている。
コロナ対策です。なんか、めっちゃ気分良いです。
儲けはないだろうけど、、すごくゆったり。
ここは俺の席だ。
きゃはは。シネマート、イカシてる!
私の両隣に、マ・ドンソク氏。(≧◇≦)素敵!
今や、アイドル化してる大人気俳優さんです(笑)
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