こんにちは

今週後半は、関西地方は雨模様です

今日は、今大学院で取っている文学の授業に関連して、旅について思うことを書いてみようと思います。
テキストは、マーク・トウェインの自伝的旅行記"Roughing It(1872)"(「西部放浪記」)です。
トムソーヤ/ハックルベリーフィンの冒険が圧倒的に有名なトウェインなのですが、旅行記を含むノンフィクションも結構書いたそうで、ヨーロッパやハワイ、地球一周講演旅行記まで出し、ベストセラーになったらしいです。
「西部放浪記」は、アメリカ西部ネバダ(当時は、まだ州になる前の「準州」でした)の秘書官に任命された兄に同行した際の経験を、トウェインがまとめたものです。
出発地は、アメリカのほぼ真ん中より少し東に位置する、ミズーリ州のセントルイス。
駅馬車にがたごと揺られること19日間で、目的地の西部に到着します。
当時のアメリカでは、特に西部にはまだ未開の地もあり、道中はその土地に元々住んでいた人々などに襲われるような危険な状況も考えられました。鉄道や道路も完全に整備されていないところを行く馬車旅は、現在の私たちでは考えられないような、過酷なものだったに違いありません。
トウェインはそのような状況の中、旅先で目にする人々や珍しい動植物、ネイティブ・アメリカンの様子、途中の駅で出される軍からの横流しの食料がいかにまずいかなどを、細かい観察眼でつぶさに捕らえ、旅行記に仕上げました。
この本を教室で議論すると、決まってさまざまな時代の旅の形のことが話題に上ります。
19世紀に馬車で移動したトウェイン、1970年代にアメリカへ留学された教授、Eメール世代の私たちでは、もちろん旅に対する心構えや距離感が全然違います。
リスクは大きかったけれども、見るものすべてが新しく、細かいことを何もかも書かずにはいられなかったトウェイン。
電話代も飛行機代も現在よりはとても高く、一度外国へ行ったらしばらくは帰ってこないと覚悟して行かれた教授。
北海道より韓国の方が近いかも、と考え、メールやネットで自由に国境を越える私たち世代。
便利といえば、現在のテクノロジーに勝るものはありませんが、その分、旅の時間そのものを最大限に楽しもうという思いが、薄れている場合があるかもしれません。
世界中、同じような顔の空港を利用し、デジカメで好きなだけ写真を撮っては消すことのできる時代です。
もちろん、外国で知り合った人と、いつまでも気軽に連絡を取り合えるというのは大きなメリットですし、こうしてブログで情報を発信できるインターネットも、一度取り上げられたらとても困ってしまうと思います。
というわけで、どの旅の形が良いかということは一概には決して言えませんが、19世紀の旅行記を読むことによって、何が待ち受けているかわからない、新しい土地を訪れるスリルやワクワク感を疑似体験してみるのも、悪くないなぁと思う今日この頃です

そして、今度自分が旅に出るときには、是非彼の目線を借りて、周囲の出来事により詳細に目を向けてみたいと思います。
さて、今日は、若干固い内容の日記になってしまったかもしれないので、本文とは全く関係がありませんが、パソコンに入っていた面白写真を載せておきます

修学旅行生もたくさん訪れる新京極商店街で一際目を引く、巨大オムレツの看板です

既に看「板」ではありません。
味はとっても美味しいです