9/11に海上保安庁の第42代長官に就任した北村隆志長官の単独インタビュー
記事が、海守の運営母体である(財)海上保安協会が発行する海上保安新聞に
昨日掲載されましたので、ご紹介します。
※写真:力強く抱負を語る北村長官(海上保安新聞提供)
《以下、海上保安新聞より(10/11日号)》
海上保安庁の第42代長官に就任した北村隆志長官(58)が海上保安新聞の単
独インタビューに応じて抱負を語った。焦点の尖閣諸島問題については「日
本の領海を守るのが使命。相手の公船以上の勢力で対応していきたい」と述
べ、毅然と対応する姿勢を強調した。
−−海上保安庁勤務は約30年前の警備一課補佐官以来ですが、その時に比べ
どう変わったでしょうか。
長官:当時に比べ予算は5割アップぐらいですが、プレゼンスはものすごく
上がっています。東日本大震災の対応をはじめ海上保安官一人一人が努力を
積み重ねてきた結果、格段に存在感が大きくなってきたと思います。その組
織のトップとしての覚悟、心構えはできているつもりです。
−−長官就任早々、領有権を主張する中国や台湾の多くの公船が尖閣諸島に
現れ、連日その対応に追われる現場は厳しい状況ですね。
長官:就任した9月11日に海上保安庁が尖閣三島を取得・保有しましたが、
それ以来、中国、台湾から多くの公船、漁船が現れています。全国から船艇
や航空機を動員してやっていますが、海上保安庁の本来任務である海難や密
輸・密入国取締りへの対応もあり、やり繰りが必要です。海上保安庁は一丸
となって、毅然と冷静に頑張っていくことが基本です。
−−昨年の東日本大震災ではまだ行方不明者も多いのですが、対応は?
長官:現在は二管本部を中心にやっていますが、これまで399体のご遺体
を見つけています。ご家族の気持ちを思えばこれからも引き続き努力を重ね
ていくことが必要です。捜索に当たる現場の保安官の士気はまだまだ高いと
思います。
−−平成25年度予算の概算要求で船艇・航空機の整備や増員要求を出したが、
これについてはどうでしょう。
長官:船艇・航空機の整備に併せて、増員400人、那覇保安部の新設など
を要求しましたが、当然ながらもっと長期的にバランスよく整備していかな
ければならないものもあります。これからも不断に精査していきたいと思い
ます。
−−海上保安庁の現場からは定年間近のベテランと新人ばかりで中堅層が薄
いといわれますが。
長官:50歳以上は3割でそうバランスが悪いとは思いませんでしたが、一定
年数がたつと船を降り、本庁や管区勤務になる職員もおり、現場は手薄にな
っているようです。定員枠は簡単に増やせないから新人の教育・研修や再任
用者に現場を鍛えてもらうなど工夫が必要と思います。
−−日常的にはどうやって気分転換していますか。
長官:7年前から週1のペースで自宅近くの区立体育館のジムで有酸素運動
や筋トレなどをやっています。昔はゴルフもしましたが、スコアが悪くて不
機嫌になると女房から言われたこともあっていまはしていません。この8月
に娘に孫が生まれ、初めておじいちゃんになりました。