東京にもやっと冬らしい寒さが訪れましたが、気がつけば今年も残すところ2週間となりました。海守にとっては、「海守の活動=会員の活動」という新たな活動方針の定着に挑んだ1年でしたが、あらためて皆様のご理解とご協力に感謝するとともに、更なる飛躍を心に誓っております。
一方で、今年は我らの海保が何かと話題になった1年でもありました。年の瀬に際し、この1年に起きた海保関連の主な出来事を振り返ってみます。
●長崎五島列島で漁船沈没、10人死亡
1/12、五島列島沖で底引き網漁船が消息不明となる。その後、水深150mの海底に沈んでいることが確認され、6月に引上げられた船内から乗組員10人全員の遺体が収容された。
●ロシアが国後沖で操業の日本漁船を銃撃
1/29、北方四島・国後島沖で安全操業船2隻がロシア沿岸警備隊のヘリから銃撃を受ける。その後、同漁船2隻が位置情報システムを作動させずに操業していたことが判明、船長2人が漁業調整規則違反で逮捕された。
●チリ地震津波で養殖施設に被害
2/27、チリでマグニチュード8.8の大地震が発生。翌日には津波が日本に到達し、宮城県や岩手県を中心に養殖いかだが流出するなど、大きな被害が発生した。
●霧信号所が全て廃止
3/31、全国9箇所に残っていた霧信号所が全て廃止された。霧信号所は、明治10年に青森県尻屋埼灯台に霧鐘が設置されて以来、最大で53箇所あったが、レーダーやGPSの普及で役割を終えた。
●シー・シェパード活動家が逮捕
南極海で、日本の捕鯨船に反捕鯨団体「シー・シェパード」活動家が侵入する事件が発生。3/12、帰国した捕鯨船に乗船していたニュージーランド活動家が、艦船侵入容疑で逮捕された。
●118番運用開始から10年
5/1、海上保安庁の緊急通報用電話番号「118番」が、運用開始10年を迎えた。これまでに、52,000件の有効通報があり、約6,000隻・19,000人の救助に繋がった。
●中国がEEZ内での測量に中止要求
5/3、日本の排他的経済水域(EEZ)内で測量を行なっていた海保測量船が、中国公船から調査中止要求を受けた。日本側はEEZ内の正当な調査と回答し、測量調査を予定通りに終了した。
●貨物検査特別措置法が成立
5/28、国連安全保証理事会が昨年6月に採択した北朝鮮制裁決議を踏まえて、同法が成立。これにより、特定貨物を積んでいる船に対して、海保等が立入検査できるようになった。
●密航ブローカーを逮捕
6/18、不法出入国事件を捜査していた七管本部が、韓国人船長ら20人を「出入国管理及び難民認定法」違反容疑で逮捕した。
●改正港則法と海上交通安全法が施行
7/1、「港則法及び海上交通安全法の一部を改正する法律」が施行。一定航路の追い越し禁止など、各海域の特性に講じた航行法や海保が提供する情報の聴取義務化、危険防止のための勧告措置が新設された。
●海上保安学校採用試験の申込者、初の6,000人超
7/4に合格発表された同校採用試験の申込者が過去最高の6,438人となり、初めて6,000人を超えた。
●広島航空基地所属のヘリが墜落
8/18、同基地のヘリ「あきづる」が香川県佐柳島沖で送電線に接触、海上に墜落して乗員5人全員が死亡。直ちに委員会が設置され、再発防止や広報体制の見直しが行なわれた。
●尖閣諸島沖で中国漁船が巡視船に衝突
9/7、尖閣諸島沖で違法操業を行なっていた中国漁船に巡視船「よなくに」が退去勧告を行なったところ、中国漁船が「よなくに」に衝突のうえ逃走、さらに追跡中の巡視船「みずき」にも衝突して逃走した。9/8、海保は中国漁船の船長を公務執行妨害で逮捕し、翌日に送検。その後、那覇地検は船長を「処分保留」で釈放した。
11/5には、衝突の様子を撮影した映像がユーチューブに流出したことが確認され、神戸保安部職員が「自分がやった」と上司に告白した。
●映画「海猿」の第3作が大ヒット
9/18、機動救難士の活躍を描いた映画「海猿」の第3作が公開され、前作を上回るヒットを記録した。
●中国人船員を救助
11/10、巡視船「もとぶ」が、沖縄県西表島沖で沈没したパナマ船籍貨物船から漂流中の中国人乗組員2人を大しけの海から救助した。(1人は死亡)
(海上保安新聞より抜粋)