海守の協力団体である(社)日本海難防止協会は、海岸漂着ごみ問題の解決等を目的とした、一般市民主導による新事業(通称:宝の島プロジェクト)を進めています。
具体的には、油化装置によって、島民が自主的に回収した海岸漂着ごみの一部(発泡スチロール)をスチレンと呼ばれる石油エネルギーに変換、これを島内で有効活用するというものです。スチレンは、ガソリン等と同じ引火性の液体で、ディーゼル機関、ボイラー等の燃料として利用することができます。
本プロジェクトは離島の海岸美化や省エネ対策に貢献するばかりか、ごみ由来のエネルギーを利用した起業を通じ、離島振興にもつながる可能性を秘めています。文字通り海岸漂着ごみが離島を「宝の島」に変えるこの取組、今後全国の主な離島海岸を車両移動式の油化装置が巡回するステージに移ります。
つきましては、本プロジェクトに関連したフォーラムと公開実験が開催されますので、お知らせいたします。
≪1、竹富町海洋フォーラム2010≫
日時
2010年10月16日(土曜日)12:45〜16:15
場所
沖縄県竹富町・西表島、中野わいわいホール(竹富町字上原10 番地579)
内容
○開会挨拶
○講 演
1.東海大学 山田吉彦 教授 「国境離島と海洋基本計画」
2.東京海洋大学 渡邊豊 教授「海洋基本計画を踏まえた離島物流の自律とグローバル化」
3.日本海難防止協会 大貫伸 主席研究員「宝の島プロジェクト」
−海岸漂着ごみ問題の解決と離島振興を目的とした新たな取り組み−
4.琉球大学 伊波美智子 教授「観光と地域のサステナビリティ戦略」
○特別イベント 笑呼路次郎(エコロジロー)氏 「環境腹話術・環境落語」
○パネルディスカッション
「離島がすべきこと 〜離島が抱える海洋問題とその解決策〜」
○竹富町宣言
「離島の思いは黒潮の流れとともに全国へ・・・、全世界へ・・・」
○閉会挨拶
≪2、鳩間島・宝の島プロジェクト公開実験≫
日時
2010年11月3日(火曜日)13:00〜15:15
場所
沖縄県竹富町・鳩間島 コミュニティーセンター及び周辺エリア(鳩間港から徒歩4分)
内容
○挨拶(日本財団、竹富町長、日本海難防止協会ほか)
○海岸清掃活動のデモンストレーション(漂着発泡スチロール等の回収)
○車両移動式油化装置のお披露目(テープカット・除幕式)
○車両移動式油化装置の稼動デモンストレーション
(上記海岸清掃活動で回収した発泡スチロ ールを原料としたスチレン油の抽出)
○“省エネ縁日”
(ごみ由来のエネルギーで発電を行い、綿菓子やかき氷を作り、無料配布)
○NPOからの実験報告(本社会実験に対する感想等)・質疑応答など
その他
雨天決行(台風等の荒天の場合は順延)
お問い合わせ先:
(社)日本海難防止協会
担当:大貫・吉村
TEL:03(3502)3543
FAX:03(3581)6136
※写真左:油化装置によるスチレン油の抽出(鳩間島)
右:スチレン生成に初めて成功し喜びに沸く鳩間島民