消えゆく響き [2010年01月28日(Thu)]
港の風物詩「霧笛」、ブォーンという曇った響きが情緒に溢れ、演歌でもお馴染みの存在です。哀愁漂うその響きは海洋関係者のみならず、一般の方からも広く愛されてきた存在ですが、GPSの普及などにより、役目を終えることになりました。
霧笛は雪や霧で視界が悪くなると発信される音波標識で、船に港の位置を知らせる役割を担ってきました。1968年には53基あったものの、現在は北海道を中心に9基が残るのみとなっており、ついにこの3月末で全廃となります。 関係者によると、GPSやレーダーが普及した現在においては、霧笛廃止の影響はほとんどないようですが、個人的には寂しさを感じてしまいます。 霧笛を備えた灯台が観光名所だった釧路では、早くも、80年以上も鳴り響いていた地元のシンボルともいえる「音」を残そうと保存会が設立され、海の日などに特別に鳴らす案が持ち上がっているとか・・・ 霧笛を備える納沙布岬灯台(写真提供:灯光会) |