大阪湾 全面釣り禁止!? [2008年10月30日(Thu)]
先週の土曜日、新潟県柏崎市の防波堤で釣人11人が高波にさらわれ、海に転落する事故がありました。11人は全員救助されましたが、近くで発生した同様の事故では60代の男性が死亡しています。この防波堤では毎年のように高波による転落事故が発生していて、県によって立入禁止の看板が設置させていましたが、実際には釣りのメッカとして大勢の人が出入りしていたようです。
立入禁止が有名無実化している防波堤は数知れません。柏崎の防波堤も立入禁止看板やフェンスが設置され、様々な侵入防止策が施されてきましたが、フェンスの切断や梯子を掛けるなど、新手の侵入との「いたちごっこ」だったそうで、全国でも同じようなケースがあとを絶ちません。 こんな状況を打開すべく、大阪市は大阪港内の防波堤や護岸を港湾施設とする条例改正を行い、市内の岸壁ほぼ全てを釣禁止にする方針を打ち出しました。大阪港では岸壁に一般の人が立ち入ることは禁止されていますが、法的な根拠がないために強制力がなく、パトロール中の職員に対して「立入禁止の法律でもあるのか?」などと開き直る人が多い状況だったようです。そこで大阪市は条例を改正し、違反者には5万円以下の罰則を科すことができるようにしたわけですが、市民からの反発が多く、全面禁止の指定は延期されています。現在は市民や釣関連団体との協議が続けられていて、全面禁止の先行きは不透明ですが、いずれにしても何とも情けない話です。 大阪市が条例を改正したきっかけは、昨年の8月に発生した釣人の死亡事故(後に、遺族は安全管理義務を怠ったとして大阪市を提訴)です。筆者も釣人の端くれですが、「安全」「モラル」「ルール」は、遊びの上で最大限尊重されるべき原則です。釣人の気持ちは十分に理解しているつもりですが、釣りに限らず自分達の自由を守るためには、それ相応の自主規制が必要なことを物語るニュースだと思います。 以下、条例改正により立入禁止が検討されているエリア 文責:海守事務局 三浦翔太 |