命を救ったペットボトル [2008年08月28日(Thu)]
海守ハンドブック(52ページ)にも掲載していますが、「人が溺れている!」という時にペットボトルは有効なアイテムとなります。同ハンドブックでご紹介しているのは「ペットボトル(大)を胸に抱えて仰向きの姿勢を維持すれば、大人も安定して浮いていられる。」というものですが、今朝もペットボトルが人命救助に役立ちました。
今日7時ごろのことですが、香川県さぬき市の海岸を散歩していた中学生が、溺れている中学生と知人男性を発見しました。この中学生は水泳が得意だったことから、近くでバーベキューをしていた男性が持っていた「ペットボトル16本をつないで作ったいかだ」を持って沖合50mまで泳ぎ、2人をこのいかだに掴まらせて救助しました。救助された2人は低酸素状態に陥っていたものの、病院に運ばれ、命に別状はないとのことです。 溺者救助に際しては、救助にあたる方がパニックを起した溺者にしがみつかれ、共に溺れてしまうケースも多発しています。そこで重要なのは、一刻も早く「浮くもの」をつかませ、溺者の体と呼吸の安定を図ることです。といっても、現場には浮輪などがないことも多く、この場合はビニール袋を膨らませたものや、空のペットボトルなどが非常に有効です。また、ペットボトルなどの軽いものを溺者に投げる際には、少量の水や砂などを入れると投げやすくなります。 多くの方にとっては常識かもしれませんが、漂着ごみ等として、日頃の海岸では嫌われ者のペットボトルの活躍をご紹介しました。また、若松海上保安部ではペットボトルで作れる救命浮輪等の代用品「浮くっちゃボトル」の作り方を紹介していますので、併せてご紹介します。 浮くっちゃボトルの作り方(若松海上保安部HP) |