鮪-マグロ-まぐろ [2006年11月30日(Thu)]
私たち日本人がだいすきな魚といえば、やっぱり「マグロ」でしょう。
そのマグロが、世界中の海で減ってきています。 子供や孫の代にも、このマグロの美味しさを味わってもらいたい! 日本は世界最大のマグロ消費国です。 関連業界はもちろん、私たち消費者にも責任ある行動が 求められていると思います。 以下に、最近のマグロニュースをまとめました。 ◆メバチマグロ規制の動き 日本が毎年3万トン以上を漁獲している中西部太平洋のメバチマグロに ついて、この海域の資源管理機関が、総漁獲量を25%削減するように 勧告しています。同機関は、この海域のキハダマグロについても10%の 削減を勧告。クロマグロやミナミマグロなどの高級マグロだけでなく メバチ、キハダなどの「普及マグロ」でも捕りすぎが続いていることが 明らかになっています。 同機関科学委員会のシミュレーションでは、97年依頼の過剰漁獲が続けば 15年以降に資源状態が急速に悪化するとの結果が出ているとのことです。 ◆クロマグロの不正漁業 大西洋や地中海のマグロ資源を管理する国際機関の年次会合が 26日までクロアチアで開催しれました。 この会合ではクロマグロの漁獲規制が守られていないことが問題され 2006年の全漁獲枠32,000tに対して20,000t以上の不正漁業が横行している との指摘がなされました。 水産庁は、不正漁業を野放しにすればクロマグロ漁業ができなくなると 懸念を発表、「自国の漁獲枠を守りながら、資源管理強化での合意を目指す」 としています。 ◆マグロ価格11〜20%高に 水産庁は10月〜11月の東京中央卸売市場でのマグロ卸売価格が 前年度比で11〜20%高になるとの見通しを発表しました。 価格高騰の原因としては、日本向けに多くを輸出してきた台湾が 資源管理のため操業を自粛していることや、海外でも健康志向を背景に マグロ人気が高まっていることが影響しているようです。 ◆養殖マグロ 近年、スパーなどでよく目にする養殖マグロ。 高級品だったクロマグロやミナミマグロが低価格で買えるとあって 市場は急成長を続けています。 財布に優しい養殖マグロは、私たち消費者にとってはありがたい存在です。 しかし、この養殖がマグロの資源管理に新たな問題を引き起こしている ことも事実のようです。 養殖は、海で獲った稚魚を生簀で育てる通常の養殖と 養殖で育った成魚の卵を人工孵化させて育てる完全養殖に分けることが 出来ますが、現在は獲った稚魚を育てる方法が主流です。 つまり、大量の養殖マグロが流通するということは 大量の稚魚が漁獲されているということです。 先に開かれたマグロ類保存委員会では、養殖マグロ向け稚魚の漁獲の 実態が極めて不透明であり、資源状態の急激な悪化の一因であるとの 指摘がなされました。 完全養殖技術の普及と、養殖用稚魚の漁獲実態の把握が急がれます。 【海運水産ニュース/農林水産白書より】 |