船の排ガス [2007年06月01日(Fri)]
船舶の排ガスに対する非難が世界的に高まっています。
陸上で発生する排ガスには段階的に厳しい環境規制が 実施されているのですが、船舶側の環境対策は必ずしも 十分ではないようです。 また、コンテナなどの扱い量の増加により 港湾内での燃料消費も増えていて、窒素酸化物や 硫黄酸化物などの排出量は増加傾向にあります。 例えばEU地域では、2010年の排ガスの総排出量に占める 船舶の割合が40%〜50%に達し、自動車や工場などからの 発生を抜いて、最大の排出源となることが予想されています。 国際海事機関でも、この問題への対策が検討されていますが 脱排ガスシステムやクリーンエネルギーの導入には 莫大な費用が必要で、海運業界の負担はもちろんですが 私達を含めたエンドユーザーの理解が不可欠でしょう。 地上では、環境に優しい商品やサービスが選択されるように なりつつあるように思います。 エネルギーの96%、食料の60%を輸入に頼っている日本に とって、その輸送が及ぼす環境負荷は重大問題ですから 海運業界には、私達の責任ある選択をリードするための 取り組みが期待されます。 ●日本海時新聞(2007年5月31日付)より |