8/1、海上保安大学校卒として初めて海上保安庁長官に就任した
佐藤雄二第43代長官が就任記者会見を行い、「尖閣諸島の国有化
以来、中国公船が日常的に出現している。海保の抱える事案は国
家の主権・領土領海の確保など国家の根幹にかかわる業務が多い
が、これまでの経験を生かして立ち向かいたい。職員と一丸とな
って難局を乗り越えたい」と決意を語りました。
佐藤長官は、海保の目指す気風として「海保のモットーは『正義
仁愛』だ。正義は『法執行』であり、法にのっとり冷静に対応し
ていく。それには職員全員の力が必要で、風通りが良く、笑い声
が出る職場を作るという北村前長官の方針を堅持したい」としま
した。
具体的な課題としては、尖閣諸島警備をトップにあげ「最近では
中国側が海上勢力を持つ4つの機関を統合したが、引き続き関係
省庁と緊密な連携をとり、領海警備に万全を期したい」と強調し
ました。
2番目に「巡視船14隻相当の尖閣専従体制を確立するための予算
要求を行い、体制の充実強化を図りたい」と語りました。
また、ソマリア沖等で頻発している海賊問題への対策法案成立や
拉致問題への取り組み、南海トラフの巨大地震を想定した防災・
減災対策への意欲を示し、原発対策、海洋調査、交通安全対策等
の日常業務にも職員一丸となって対処したい述べました。
現場出身の初の長官としては「尖閣警備などで実際に船に乗り、
厳しい局面を現場で処理してきており、今後に生かせるのではな
いか」とし、「海保にはさまざまな分野、能力をもった人たちが
おり、私一人で背負うのでなく、皆が知恵を出し合って対処して
いる。職員を信頼しており、そうした面でのプレッシャーはない」
と笑顔を見せて言い切りました。

●写真:笑顔で報道陣の質問に答える佐藤長官
※本記事は海上保安新聞から抜粋、再編集したものです。