大しけの海 必死の救出 [2010年11月25日(Thu)]
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11月10日に沖縄で発生した巡視船「もとぶ」による、大しけの海での生々しい救出劇をご紹介します。
(以下、11/25号の海上保安新聞より) 十一管本部巡視船「もとぶ」は11月10日、沖縄県・西表島南約340`付近で連絡途絶したパナマ船籍貨物船の捜索に出動し、漂流している貨物船船員2人を発見、救助した(うち1人はその後死亡確認)。大しけの海での生々しい救助劇を報告する。 同日早朝、十一管本部からの「中国人乗組員25人が乗り組んだ貨物船『NASCO DIAMOND』(1万7000d)が、船体傾斜しているとの報告を最後に連絡を絶ち、付近でライフラフト(救命いかだ)が発見された。貴船は捜索に当たれ」との指令により、「もとぶ」は那覇港を出港した。同本部へは台湾行政院国家捜索指揮センターから通報があった。 11日未明に現場に到着、直ちに捜索を開始した。午前9時5分、船橋で指揮を執っていた山田孝雄航海長が、波間に「黒い救命胴衣」を着け(救助後、重油の付着で黒く見えたことが判明)、顔も黒い漂流者を発見。現場は、北東の風15b、うねり4bを超える大しけで、船から直接救助することとし救命浮環を投下した。 ライフライン(命綱)をつけた外間竜太主計士補が舷側に設置したラダー(縄ばしご)で海面まで降りた。波にもまれながら漂流者をたぐり寄せ、抱きかかえて「確保した」と思った瞬間、大波が襲いかかり2人を呑み込んだ。強烈な引き波の中、外間官は必死に確保しようとしたが、漂流者が全身重油まみれだったため抱え続けられず、漂流者は外間官の腕から放れてあっという間に船から離れてしまった。 ぐったりとして波に漂う漂流者。「早く助けなければ」と焦る中、いつも沈着冷静な中村治雄航海士がレスキュースリング(救助用の器材)を用意した。漂流者に接近して漂流者にレスキュースリングを渡すと、外間官が再び降りて引き寄せた。漂流者は何度か波の中に没し、一時は宙吊りとなって激しく振られる場面もあったが、最後は外間官がガッチリと確保して、「もとぶ」甲板に引き上げた。 重油が付着して頭から足先まで全身真っ黒、ドロドロになっていた漂流者(26歳の三等機関士)は、「もとぶ」乗組員により油を落とされ、風呂で体を洗われると見違えるようになった。衰弱していた体も徐々に回復し、正に九死に一生を得た漂流者は、何度も「謝々」を繰り返した。 一人目の救助を完了した直後の午前9時57分、もう一人の漂流者を発見した。今度は山田哲郎機関士補がライフラインを取り、ラダーで海面に降下して漂流者を確保、救助したがすでに心肺停止状態だった。 本船上からの漂流者の救助、その後の対応など困難で厳しいものだったが、ベテラン職員指揮の下、主に若手職員により実施された。台湾巡視船には3人が救助され(うち1人は死亡)、三等機関士を含む3人は同日夕刻、自衛隊ヘリコプターで石垣島に搬送、入院した。中国大使館からは海上保安庁に謝辞が寄せられた。 (十一管「もとぶ」) ![]() スリング投下 ![]() 確保 |







政治や背景は関係ない!!
海保魂を感じました。
いろいろとあるけれど...
南の島で....こんな厳しい現状があるのだと.....北の海でも感じました。
本当に頑張ってほしいと思います。
につきる。応援します
私も海の孤島で仕事をすることがありますが、何が起きた時には海保庁を頼るしかありません。
それなのに、大型遠距離高速船の配備がされていない事が疑問です。
ドクターヘリだってありません。
陸と海がどれだけ人命保護の格差があるか、制服組は考えて、国会議員はその意見を尊重すべきです。
一般の国民の方々は、実感が湧かないと思いますが…
旅行乗った船が沈みそうになった時、すぐに助けには来れません。
その様な、実のある議論が日本にはなさすぎます。
日本の将来のために頑張ってください。
状況応じた的確な判断をされているんですね。
これからも厳しい任務でしょうが
頑張ってください。