鉄による海洋緑化実験、本格スタート! [2009年10月15日(Thu)]
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何度かお届けしている「海への鉄分供給」についてですが、鉄鋼業界がこの10月から本格的な調査をスタートさせ、本格参入に向けて動き出しました。
鉄を利用した海の緑化実験に乗り出したのは新日本製鉄(以下、新日鉄)です。室蘭に製鉄所をもつ新日鉄は、地元漁協や自治体、北海道大学などと共同で、鉄を作る際に生まれる鉄鋼スラグを詰め込んだ箱を浅い海底に設置し、鉄分を海に供給するための現場調査実験をしています。 以前よりご案内のとおり、「海と鉄」については、次号の会報誌「うみもり」で特集を予定していますが、今回のポイントは「鉄鋼スラグ」です。海に鉄分を供給する方法は色々あるのですが、新日鉄は鉄を作る際に生まれる副産物である「鉄鋼スラグ」に着目しています。このスラグ、1トンの鉄鉱石から鉄600キロを作る際に400キロも発生し、なんと年間に1200万トンも生成されている代物で、セメント材料などとして活用されているものの余り気味なのです。つまり、安く簡単に、そして大量に手に入るものといえます。 そこで、新日鉄ではこの鉄鋼スラグに着目したわけですが、厄介払いというわけではありません。効率的かつ安全に鉄分を海に供給する方法として、炭素と鉄の電位差を使って海中に鉄を溶かしこむ方法があるのですが、スラグにはちょうどよい炭素が含まれているのです。また、同社では、できるだけ自然に近いかたち(腐植酸鉄)の鉄分供給を目指して、腐植土とスラグを混ぜて海底に設置するなど、試行錯誤を行っているとのことです。 この取り組みは、言うなれば「海のサプリメント」でしょう。人間同様、サプリ依存では困りますが、健全な自然循環の回復を前提とした「補助」として、大いに期待したいと思います。 |





