「海と鉄」 [2009年09月17日(Thu)]
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多くの会員さんにご購読いただいている会報誌「うみもり(今年度創刊)」ですが、次号(11上旬発送予定)に向けて、編集作業が本格的に始まりました。私達の予想を遥かに上回るお申込をいただいており、身が引き締まる思いです。
会報誌「うみもり」は皆さんと一緒に作る双方向マガジンです。沢山の海守会員に登場していただきながら、様々な視点から海を見つめ、皆さんの活動アイデアや意欲を掘り起こし、海守会員による活動を全国に広げていくことを目指しています。 そんな訳で、幸いにして多くの会員さんからお話を伺う機会が増えているのですが、このところ頻繁に耳にするのが「海と鉄」に関する話題です。「海と鉄」といわれてもピンと来ないかもしれませんが、最近になって、鉄のもつ海洋環境への重要性に俄かに注目が集まっています。 そこで、次号「うみもり」は、「海と鉄」にスポットを当てて編集に望みたいと考えているのですが、少しだけフライングしてみたいと思います。 ≪前置きとして「鉄の惑星」≫ 地球はよく「水の惑星」といわれます。確かに地表の約71%は海ですが、質量ベースで考えると、水の割合はわずか0.03%しかありません。一方で、鉄は地球を構成する物質のなかで最も多く、地球の重さの30%〜40%は鉄といわれています。まさに地球は「鉄の惑星」なのです。 ≪命の源≫ これまた、水は「生命の源」といわれますが、鉄も生命にとって欠くことのできない物質です。私達の呼吸には赤血球内のヘモグロビンが必須ですが、このヘモグロビンは「ヘム鉄」と「グロビン」というたんぱく質から出来ています。成人男性は体内に4〜5グラムの鉄をもっているそうですが、単に呼吸という機能1つとっても、鉄が果たしている役割の重要性がわかります。 ≪海と鉄≫ では、なぜ海に鉄なのか?これは次号「うみもり」を核心ですから、誌面にご期待いただきたいのですが、骨格だけ披露させていただきます。 海が抱えている大問題の1つとして、温暖化等の影響による海水温の上昇と、海洋生物の「ゆりかご」ともいえる藻場の減少が挙げられます。温暖化(海水温上昇)と藻場減少は相互に関係しており、近年の様々な研究から、海水温上昇が海藻類の成長を妨げ、藻類が吸収していた二酸化炭素が吸収されず、温暖化にますます拍車をかけているという仮説が多く発表されています。 「海藻類が吸収する二酸化炭素なんて、たかが知れている」とも思いますが、「仮に北海道の面積の20〜30%の面積に昆布を繁茂させれば、日本が年間に排出している二酸化炭素の50%程度を吸収・固定できる」との試算があるほどです。 このように、昆布に代表される海藻類を増やすことによって、魚介類は産卵や成長の場を取り戻して増殖し、海藻類が膨大に吸収する二酸化炭素によって温暖化対策に貢献できるという図式に注目が集まっているのです。そして、その原点となる海藻類の成長には、森林等の減少やダムなどの影響から、海に不足しがちな鉄の供給が非常に有効であることが分かってきたのです。 ≪素朴な疑問≫ とはいっても、化学に疎い筆者には多くの疑問が残ります。そもそも、鉄はどうやって水に溶けるのか?鉄分が過剰になった場合の悪影響は?など、枚挙に暇がありません。次号「うみもり」は創刊号と同じく16ページの予定ですが、果たしてどこまで切り込めるのか、期待と不安が交差する編集現場です。 ≪お願い≫ @会報誌「うみもり」へのご意見をお聞かせください。 A「海と鉄」に関係する研究や活動等をご存知の方は教えてください。 メール:jimukyoku03@umimori.jp(海守ブログ担当:海守事務局 三浦翔太) ※会報誌「うみもり」の詳細・ご購読はこちら→お問い合わせ先 |




