新年初夢? [2009年01月08日(Thu)]
新年おめでとうございます。2009年の海守ブログは「海底ごみ問題」の続報からスタートいたします。
昨年5/29の記事「ごみの墓場」では、目に見えないがために注目を浴びることの少ない海底ごみ問題を取上げました。ご愛読の皆さんからはコメントや多くのメールを頂戴しましたが、記事が現状を紹介するにとどまったため、皆さんに暗澹たる印象を与えたままになってしまったと気になっておりました。そこで、本日は新春にあわせて、未来志向の話題をお届けしたいと思います。 前述の記事では「漁業者が引き上げた海底ごみの処理費用は、原則的に漁業者負担になるため、網にかかったごみは再び海に戻られることが多いようです」としましたが、事態は少しづつ好転をはじめています。環境省と瀬戸内海沿岸の自治体は、2006年から「瀬戸内海海ごみ対策検討委員会」を発足させ、海ごみ問題に対する様々な対応策を検討、実施してきました。その一環として始まったのが尾道市の「海底ごみの買い取り制度」です。同市は昨年の7月から海ごみ用ごみステーションを設置し、漁業者が回収した海ごみを1袋100円で買い取る制度をスタートさせました。 海底ごみは魚類の10〜20%、貝類や海藻類の20〜30%を減少させる原因とも言われていますが、漁業者による引揚がほとんど唯一の回収方法となっています。しかし、1トン当たり数万円の処理費用がかかるため、せっかく引上げられたごみは再び海に戻されるケースが多かったのです。そこで、スタートしたのが同市の買い取り制度で、平均で漁師1人あたり1回の操業で100リットル程度の海底ごみが持ち込まれているそうです。 日本では始まったばかりの試みですが、韓国では2003年から釜山をモデル地域として本格的な買い取り制度が始まり、年間500トン〜700トンの買い取り実績をあげています。財源などまだまだ課題は多いようですが、社会全体で海ごみ問題に取り組む制度として、大いに期待できるのではないでしょうか? ちなみに、瀬戸内海全域の海底には約13,000トンの海底ごみが堆積していると推計されています。仮に、5,000人の漁師が1年間に300キログラムづつ引上げれば、9年弱で引揚は完了。引上げられた海ごみ1トンあたりの処理費用が2万円だとすると、単純計算で2億6千万円で全量を処理できることになります。雑すぎてお叱りを受けそうですが、新年初夢ということで・・・ ※瀬戸内海の漁業従事者数(平成19年度水産庁統計):30,470人 ◆関連記事(昨年5/29投稿 ごみの墓場):https://blog.canpan.info/umimori/archive/244 |
私が参加するNPO法人は、瀬戸内海国立公園を取り巻く環境問題について取り組んでいます。
今年は、海底ゴミ元年として更なる活動開始しましたので、どうぞよろしくお願いします。
海守さぬき会のこぐまちゃんです。
本年も宜しくお願い申し上げます。
早速ですが・・・本年正月に、地元の漁師さんから聞いたお話です。
私共地元男木島は、瀬戸内海でも数少ない豊かな漁場を持つ地域です。
近年、そんな故郷に夜な夜な出没するのが多くの密猟者だそうです。
中にはコンプレサーを装着した船で、朝方近くまで潜って入るようですが、
通報しても、保安庁の船が到着する頃には既に消えているとの事・・・
今から、アワビ・サザエの最盛期をむかえ、スモグリの漁師さんは頭を
抱えているそうです。
漁業に迫る違った危機です。