


『手紙』 原作 東野圭吾
なんとかして、弟を大学に行かせたい。
その一心で強盗に入り、図らずも殺人を犯してしまった兄、剛志。
そのことによって、逆に直貴は大学を諦め、新たな道を歩むことになります。
そんな直貴の元へ、剛志は毎月一回、刑務所の中から手紙を送ってくるのでした。
東野圭吾の漢字二文字タイトル、しかも「加害者の弟」を描いた作品とあって、暗く重たい作品ではないかと身構えて見ました。
けれど、想像していたような重苦しさは全くありません。
容姿も学力も特別な才能もありながら、結局は「強盗殺人犯の弟」というレッテルによって、挫折を繰り返す主人公の直貴。
そんな主人公の苦悩を描いていながら、どこか救われるのは、全くの孤独ではないからでしょう。
時に夢があり、支える人があり、道を照らす人がいる。

その中で考え、苦しみ、葛藤しながら、一つの道を掴み取っていくのです。
加害者の家族に、ここまでスポットを当てた作品は、珍しいのでは・・。
タイトルにもなっている「手紙」が、効果的に使われていて、いい作品でした。
同じ映画を見ていたらしい高校の体育科の先生にとばったり会った娘は

なんとこの先生が出張中に、骨折し・・・心配かけた娘

「いい映画だったなぁ」「高校3年生、たまには気分転換も必要・・・」と優しい言葉をかけてくださいました。さぁまた勉強です。