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つながるボーダーレス・アートギャラリー、NOMA [2006年04月26日(Wed)]

滋賀県社会福祉事業団の北岡さんが来会されました。

この福祉事業団が運営する「ボーダレス・アートギャラリー NO-MA」は、日本財団改修制度を利用して、整備された建物です。



北岡さんとの会話中、こんな話が。


あるダウン症の男性がつくった作品を、画商が買いつけに来た。

「いくらで売ってもらえるか?」

と聞かれたので、「3万円」といったら、

「えっ、3万でいいんですか?」と喜んで買っていった。



後で聞くと、NYではこの作品に26万円の値段がついたそうです。

それまでは保管場所・処分方法に「どうしよう」と悩んでいた絵や陶芸が、「アート作品」として、その人の収入源になる。
家にはまだ何十枚も「作品」が眠っています。


助成金がなくなるとともに、事業が終わってしまうのではなく。

助成期間が終了後も、その建物や、その建物によってつくり出された場・仕組みによって、障害者の方の収入につながるなど、何らかの効果が生まれる。
その効果が、1年後、3年後、10年後と続いていく。


あぁ、「いい事業」ってこういうことか、と、北岡さんの話を聞きながらしみじみ思いました。
『チェンジメーカー』 [2006年04月26日(Wed)]




『チェンジメーカー 社会起業家が世の中を変える』
著者 渡邊 奈々 
発行 日系BP社
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同じ職場のきださんからお薦めいただいて、読んだ本です。

「ソーシャルアントレプレナーシップ」という言葉を聞いたことがありますか?

Social Entrepreneurship:

「社会福祉」と「ビジネス」という相反するふたつの言葉を合わせた造語。
福祉の分野に先鋭的なビジネス戦略と的を射たビジョン、効率を重視するマネジメント手法を持ち込んで、様々な社会問題の解決を図るもの。
(p.12)

…3回くり返しても覚えられなさそうな単語ですが。
初めて耳に、というか目にしました。


この本は、世界各国で、ビジネスの考え方を取り入れながら社会問題に取り組んでいる18人の「社会起業家」の活動を紹介したもの。


すべてが寄付で成り立つのでは、寄付金がなくなったときにすべてが止まってしまう」(p.38)

そうではなく、ビジネスとして成り立つ手法を考える。

例えば、

マラリアが多く発生するタンザニアにおいて、先進国で製造した蚊帳を購入して寄付するのでなく、一般国民が購入可能な価格で製造できるようにタンザニア国内の蚊帳メーカーに技術支援を行ったり。

メキシコのセメント会社が作った「スラム住人には3割引でセメントを販売する」というサービスを、スラム住民に支持者の多いひとりの女性に営業してもらい、販売が成立するたびにセメント会社が彼女に対しマージンを支払う、というシステムを作ったり。

「これまでのチャリティは、穴のあいたコップに水をそそぐようなムダがある。
経済援助によって具体的に測定可能な効果を生むこと、社会事業への投資こそがフィランソロピーの新しい形」

(p.41、アキュメン・ファンド創設者 Jacqueline Novogratzの言葉)


…おもしろい。


助成という仕事をしていますが、大半の申請は「助成金がなくなったときに止まってしまう」事業。
でも本来は、そういったその場限りで終わってしまう事業を、助成期間終了後も資金が円滑にまわって継続できるような仕組みの事業に組み替えるアイディアとノウハウを提供することが助成する側の役割なんだ、と。

この本を読んで改めて感じました。


アイディアが生まれる頭が欲しい。

持って生まれた才能がないならば、本やメディアからヒントになるような知識と、経験を積んで人脈と実績を吸収するしかない。

一歩一歩、ひび勉強です。


とりあえずこの本、お薦めです。