1000年の山古志 [2009年10月28日(Wed)]
『1000年の山古志』 監督:橋本信一 2009年/日本/カラー/120分/DV ------------------------- 5周年に行けなかったので、せめてもと、ポレポレ東中野で10/30(金)まで上映中の映画を見てきました。 山間の村を訪れて、都会の人はそこを「原風景」と呼ぶ。 そこに住んでいたことはないのに。 都会の人がいう「田んぼ」と、山の人がいう「田んぼ」とは違う。 都会の人がいう「水」と、山の人がいう「水」とは違う。 「復旧はできても、復興には時間がかかる」 災害支援で良く聞く言葉。 道が直った、造成地に家が建った、ということも大きいことだけど、 山が崩れて水源から離れてしまった田んぼに引いた水が入る瞬間や、 神戸から分けられたひまわりの種を絞って一滴の油が落ちてきた瞬間の表情を見ると、 そういうことを重ねて人は乗り越えていくんだ、と思わせる。 災害支援で私が関わらせていただいた場所は峠を一つ越えた塩谷集落だったので、直接知っている方は出てきませんでしたが、風景や、しゃべり方や、牛や鯉を見つめる目は会った人たちと同じで、 当時の底冷えする外気や、ピンクドームのむっとした熱気や、初めて仮設にお邪魔して全然地元の人たちの会話についていけなかったことや、忘れかけていたことが色々思い出されました。 パンフレットに載っていたシンポジウムでの橋本監督の言葉。 「山古志の方々は、とにかく人間が濃い。 人間が跳ねてる、というか…ちゃんとした顔をして、ちゃんと目を見開いて、ちゃんと生きてる。 僕らの世代は、なんかフラフラして根っこがない感じがずっとつきまとっているんですが、山古志に行くとホッとします。 なぜかというと、根っこがあるから。」 私が時々ふと無性に小千谷を訪れたくなるのも、きっとそのせいだと思う。 この機会に、過去を振り返ってみた。 https://blog.canpan.info/tsublog/archive/22 https://blog.canpan.info/tsublog/archive/91 https://blog.canpan.info/tsublog/archive/124 https://blog.canpan.info/tsublog/archive/321 一人の人が仲間を求め やがて人と人が絆となり 多くの人たちが塩谷をめざした ただ復興を願い 村人とともに汗と涙を流した 先人が成し遂げた偉業を また一歩から 塩谷の芒種庵の玄関に飾られている言葉。 当時、2005年の春にペンキで書いた時よりも、5年経った今の方が奥深く感じます。 あまり知ってる人が出てこないなぁと思いながらエンドロールを見ていたら、復興の影役者、彼らの名前はばっちり入っていました。 さすがです。 改めて、亡くなられた方々にご冥福をお祈りします。 ☆ 横浜のシネマ・ジャック&ベティでは11月6日(金)まで上映中です。 ご興味のある方はぜひ。 |