性犯罪の「国の再犯防止プログラム」 [2014年11月28日(Fri)]
性犯罪で服役し、刑務所を出所後の保護観察中に、国の「再犯防止プログラム」を受けていながら、中学生を含む女性20人に最長6年半にわたり強盗・強姦や強制わいせつなどを繰り返した加害者男性(住所不定・無職・50歳)に、裁判員裁判で大阪地裁は、27日求刑通り「無期懲役」の判決を下しました。
加害者は暴力団員を装い被害者を脅迫して不安、孤立させ、警察に相談させないようにだまし、2006年4月〜12年9月まで女性20人に対して、約140回乱暴し、うち17人から約160万円を奪ったとのことです。 裁判員裁判の裁判員女性は、「「再犯防止プログラム」は効果がなかったと言える」と言っています。そうだと思います。「保護観察中」のために命令によって仕方なく受けたのでしょう。 また、「再犯防止プログラム」の内容にもよります。中味がどういう内容かわかりません。何回受けるのかもわかりません。また誰が作成したのかもわかりません。性暴力の被害女性の気持ちが反映されているのかもわりません。 言えるのは、通り一篇のグループ・カウンセリング手法(性犯罪をする理由をただひたすら受けとめて、彼らの反省を促し、将来に向けて自立を促す)のやり方では、彼らの男性中心社会の価値観・信念・規範は変わらないのです。被害女性の苦痛、悔しさ、虚しさ、恥ずかしさ、死んでしまいたいと思うような辛さを何百回と訴え彼らが受け入れないかぎりダメです。それによって被害女性に共感し、尊重するようになるには、長い時間が必要です。 プログラムは加害当事者を変えるのではないのです。先ず本人が真剣に変わろうとして受講し、活用しないかぎり変わらないのです。 被害女性のことを考えると、この加害者には刑務所の中で暮らすしかないようです。 被害女性の方々には、どうか心をケアし、自分らしく生きてほしいです。あなたの価値が下がったのではありませんから。安全で安心な中で、平穏に生き続けてほしいと願います。それが暴力に負けなかった証になります。 |