少し前になりますが、子供英語について情報発信を続けている清水万里子さんのコラムに、「ALTと家庭で国際交流」という面白いテーマが取り上げられています。
『いろいろな職業の人がいますので話題も尽きないでしょう。ぜひご家庭に彼らを招待してみてください。きっと良い交流ができると思います。英語でも、日本語でも素晴らしい心の交流ができます。』
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コラムでは、JETプログラムで来日したALTとの交流が取り上げられていますが、私たちが暮らす地域社会に定住している外国人との「素晴らしい心の交流」ができることは、「地域社会の教育力の向上」につながるのではないでしょうか。
この点については、清水さんの別のコラム「松香洋子先生が『小学校英語教育』を語る!」の「小学校英語の成果とは?」が参考になります。
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その中では、小学校英語の成果(があがっている可能性)として、
@心理面 : 児童が自信を持ち、自尊感情を高め、学習意欲を向上させている。
A言語面 : 英語のあいさつに自信をもち、聞いて理解する力が伸びたり、積極的に発表できたり、いつのまにか英語を読めたりできる。
B文化面 : 外国人とのふれあいを楽しんでいる。
C公立小学校の教育力の向上 : 新しい指導内容についての「学級担任なりの答」を見いだしてきている。
D小学校と中学校の連携 : 中学生の態度面、積極性、聞き取り力、表現力などに大きな成果が出る。
E地域社会の教育力の向上 : 地域に居住している外国人や、大学や、英語のできる民間人が地域の小学校で恊働するというのは、これから地域で大切な動きとなってくる。
の六領域があげられています。
小学校英語による「心理面・文化面・地域社会の教育力の向上」って、なかなか評価しづらいですが、多くの自治体の小学校英語教育の事業評価項目にも入っています。
一人一人の言語能力・知識の向上も大切だけど、みんなで取り組むボトムアップの「意識・交流」の向上も大切。これは、授業のなかだけでは限界もあるので、清水さんの言うとおり、家庭や地域社会で取り組んでいくことが有効だと思います。
それから、「心理面」についてですが、豊中市の小学校英語の取り組みでは、地域に暮らす外国人住民が教壇に立つことで、外国にルーツをもつ子どものロールモデルとなり、自信と自尊感情が取り戻されて、活き活きする、という成果が現場の先生方から報告されています。
これは、ネイティブスピーカーのプロの先生よりも、身近な外国人住民ならでは、の成果だと考えています。