まちサロン in cafe 2月「障がいがあっても地域の中で」 [2023年03月28日(Tue)]
早坂さんは40年前に港南台に転居してこられました。
重度の知的障がい(注)があるご次男が2歳のときだったそうです。 当時は、まだ歩くこともできないご次男を公園に連れて行くことにも 抵抗があり、みんながいない時間を選んで遊ばせるなど、気を遣いながら 子育てをしていたそうです。 ご次男が成長するに従って一人で行動したいという意識が芽生え、一人で 地域に出ていくようになると、いろいろとトラブルが起きるようになりました。 小さい子と遊ぼうとすると「怖い人が来たから帰ろう」と言われたり、一人で 外に出さないでほしい…と言う人がいたり。 そんな状況の中、早坂さんは「障害のことを理解してほしい」「話せばわかる ので何かあったら注意してほしい」とその都度説明。 何か言われてもへこたれずにいろんな子に声をかけ続けるご次男の明るい人柄も 手伝って、次第に理解してくれる人が増えていったそうです。 障がいがあるからといって、学校と家族だけの人間関係のみで暮らしていくのは 寂しい。もっと豊かな暮らしができるようであってほしい。 配慮や手伝いも必要だけど、障がいも個性として受け入れられ、普通に自分のまち で暮らしていけるようにしたい。 そんな思いで、40年間、障がい者の親の会や作業所の立ち上げなど、障がいに関係 する活動に取り組んでこられました。 小学校の授業でワークショップをしたり、出前講座をしたり、作業所で見学を受け 入れたり…。 2018年には早坂さんの発案で、港南区自立支援協議会(港南区役所・港南区社会 福祉協議会が協力)が作成した障がい理解の啓発ポスターが大きな反響を呼びました。 イラスト入りで障害の特性を具体的に描いたポスターは、NHKのニュースでも取り上げられ、横浜市内だけでなく他県からも使わせてほしいとの要請があったそうです。 https://www.townnews.co.jp/0112/2019/05/30/482775.html ↓啓発ポスター keihatsuposter.pdf 差別や偏見があるのは大人たち、子どもたちは素直に柔軟に理解してくれる。 そんな子どもたちに期待しながら、今後も活動を続けていきたい…とおっしゃる 早坂さん。 一方こうした活動を通して、自分のためではなく「まちを良くしていこう」と いろいろな地域活動をしている人達がいることを知り、「素晴らしい」と感じた とのこと。 これまで障がい者のことだけを考えて活動していたが、障がいの人たちだけで 集まっているだけでなくもっと地域に出てつながっていくことが大事だと思った とのことです。 この日のまちサロンは定員いっぱいの参加。 通勤するご次男を毎朝見かけ挨拶をしているという方。 港南台に長く住んでいてもこうしたことを知らなかったという方 ご自分のお子さんも障害があるという方、学校の先生、 そしてご次男ご自身も参加され、新たな出会いがあったり、 久しぶりの再会があったり、和やかであたたかいまちサロンとなりました。 早坂さん、 貴重なお話をありがとうございました。 福祉ホームさんは、タウンカフェの小箱ショップに出店されており、 早坂くんはクッキーの納品などでよく来店され、スタッフたちともすぐに 仲良しになりました。 港南台での知り合いは多く、まちを歩いていてもいろんな人と挨拶を交わ している早坂くんは、人と人とをつなげるまちづくりに一役買っているの ではないかと思います。 注:近年、社会福祉の関係者の間では重度の障害者とは言わず、 「支援を多く必要とする人」と表現するそうです。 |