老いと人権 [2011年02月23日(Wed)]
梅一輪 一輪ほどの あたたかさ ぽつぽつと咲き始めたという情報を得て、 小規模多機能ホームの面々が道後公園に梅見に行きました。 派手ではない梅の、すがすがしい香りが心を洗います。 少しの肌寒さを感じつつ外気に触れたのでした。 先日、憲法25条を考える会に出席し、 「老人の人権」は守られているのか? ということを思いました。 高齢者福祉の現場にいると、「恵まれたお年寄り」と 「恵まれないお年寄り」がいるのをひしひしと感じます。 2000年に始まった介護保険制度は、 市場原理を福祉に持ち込み、 「福祉サービス」の売り手と買い手を作りました。 この理論からいえば、お年寄り本人が自分に合ったサービスを 選ぶことが可能なのですが、実際にはお年寄りは判断力を失っており 本人の意向より家族の意向が強まることが多いと感じます。 また、貧しい人は施設を選ぶことさえできていないと思います。 日本は、「老いること」に消極的な国だと思います。 アンチエイジングという言葉がちまたで大はやり。 高齢期に差し掛かると「介護予防」に精を出し、「誰かに迷惑をかけるようになったら死んだほうがマシ」とささやかれます。 高齢者のうつ病罹患率や、自殺率も高いのが特徴です。 歳をとると、自分の人生さえ選ぶことができないのでしょうか。 今まで家族のために働いてきたのに、待っているのは悲惨な現状、老いた人には不安でいっぱいです。 私は19歳の時北欧に旅行に行ったのですが、住んでいる人たちは、「この国に住んでいれば老後に何の心配もない」と言い切っていました。 北欧では、医療・福祉・教育を市場経済から除外しています。 老いた人が安心して生活できる、 そんな国になっていかねばならない、と強く思いました。 |