
DogEar34号 特集:絵本の力は∞(むげんだい)[2021年03月07日(Sun)]
特集:絵本の力は∞(むげんだい)
幼き日、絵本を読んで、空想の世界に遊んだ。
主人公になりきって冒険旅行に出かけたり、空を飛んだり、悪者をやっつけたり。感情移入して笑ったり、泣いたり、おこったり。
そして子どもにはどんな絵本を読んであげようか。
大人になっても絵本は心のビタミン剤。

『COCO〈ココ〉はとびきりかわったコ』
著者/エリザベス・マシューズ
訳者/佐伯 誠
COCO・シャネルといえば、誰もが知っている有名人。しかし著者は「昔々の有名人」ではなく現代にも通用する、いきいきとした人物としてこの絵本に登場させた。
ここに描かれているCOCOは、今にも本の中から飛び出してきそうな勢いだ。どんな逆境にもくじけず、自らの力で道を切り開いていくパワフルな姿は、大人の女性に勇気を与えてくれる。美しいイラストと小粋な文章が、非常に魅力的な、これはいわば大人の為の絵本だ。ここには一風変わった個性的なCOCOが世界を実にうまく描き出されている。
「人と同じじゃダメ、違っている方がいいんだよ」自分の個性を大切にしながら、大きな夢をもって頑張る、そんな力を与えてくれるすてきな一冊だ。(まあ)

『パパがサーカスと行っちゃった』
文/E・キャロット
絵/R・モエダン
訳/久山 太市
真っ赤な表紙をめくると鮮やかな黄色の中に、でかでかとタイトルが現れる。「何が始まるの?」わくわくしながらページをめくると…。ハイテンションのパパが叫んでいた!
パパは町にやってくるサーカスに大興奮。家族を巻き込んで見物に行ったかと思うと、なんとサーカスに入団してしまった。世界中を公演して回るパパと残された僕たち家族…。そしてパパは帰ってきた。
この絵本のメッセージは「いくつになっても夢を持てるし、人生を楽しくできる」ということ。エネルギッシュな色使いの絵は見るだけで元気になる。
イスラエルの絵本。(ぽん)

『パパのカノジョは』
作/ジャニス・レヴィ
絵/クリス・モンロー
訳/もん
パパのカノジョ? 表題からして読者はびっくりするに違いない。そこでページをめくってみると、個性的なファッションの女性がオペラなんか歌っていて、それを女の子が冷ややかな目で見ているといった具合。そうか、カノジョは女の子の何度目かのお母さん候補で、これはアメリカの絵本なのだと、やっと状況が飲みこめる。
更にめくっていくと、感情を出さない女の子の目がだんだん明るくなってくるではないか。どうしてなのだろう? その秘密は…。 それは読んでのお楽しみ。
素敵な絵を楽しみながら「私は本当の母親だけれど、カノジョのように子どもを安心させているだろうか」と、深く考えさせられる。絵本は押しつけがましさがなく、素直に読めて大人にとっても良いものだ。(ト?)

『おへそのあな』
作/長谷川義史
「この本、逆さま?」表紙から本文まで逆さまの絵には訳がある。赤ちゃんはお母さんの羊水の中で頭を下にしている。おへそのあなから赤ちゃんが見ているのだから、逆さまなのだ。赤ちゃんはお腹の中にいるとき、もちろんじっとはしていないから「逆子」にもなるけれど。
早く赤ちゃん生まれないかなあ。待ち遠しい日々、期待感あふれる家族の様子。そして赤ちゃんもどんなお母さんやお父さん、どんな家族のところに生まれるのか、好奇心いっぱいで、おへそのあなからのぞいたり、耳をすませたり。命の誕生はどきどきがいっぱいだ。(わかめ)

『心をビンにとじこめて』
作者/オリヴァー・ジェファーズ
訳者/三辺 律子
あなたは、とても悲しい出来事にであったとき、どうするだろうか?
とにかく涙が枯れるまで泣く? それとも頑張らなければと奮起してしまう? それとも、それとも…。
この絵本は、とても楽しい時を過ごしていた少女が、突然の悲しい出来事に心をなくし、そこから再生していくお話。
「心って重いんだよね」というある映画のセリフが脳裏をよぎる。そして、読み終えた後、自分の大切な心を抱きしめてあげたいと、思ってしまう。
ストレスがたまってきたと感じたり、心がしんどくなった時に開くのがおすすめ。涙も声も出ないほどつらくなる前に―。(いっぽ)

『わたし』
文/谷川俊太郎
絵/長 新太
「わたし」はおかっぱ頭で、赤いスカートの女の子。そんな「わたし」はおかあさん、おとうさんから見れば「娘のみちこ」で、先生からみると「生徒」、外国人から見ると「日本人」、宇宙人から見ると「地球人」、きりんから見ると…っていうお話。
「わたし」を自分に当てはめて、自分が家の中で、幼稚園や学校の中で、となり近所で、はたまた、日本、世界の中でどのような存在なのか考えてみよう。感じ方は読む人それぞれ違ってくるだろう。
谷川俊太郎による文は大変短く、だからこそ色々な読み方のできる絵本である。(かあか)
幼き日、絵本を読んで、空想の世界に遊んだ。
主人公になりきって冒険旅行に出かけたり、空を飛んだり、悪者をやっつけたり。感情移入して笑ったり、泣いたり、おこったり。
そして子どもにはどんな絵本を読んであげようか。
大人になっても絵本は心のビタミン剤。

『COCO〈ココ〉はとびきりかわったコ』
著者/エリザベス・マシューズ
訳者/佐伯 誠
COCO・シャネルといえば、誰もが知っている有名人。しかし著者は「昔々の有名人」ではなく現代にも通用する、いきいきとした人物としてこの絵本に登場させた。
ここに描かれているCOCOは、今にも本の中から飛び出してきそうな勢いだ。どんな逆境にもくじけず、自らの力で道を切り開いていくパワフルな姿は、大人の女性に勇気を与えてくれる。美しいイラストと小粋な文章が、非常に魅力的な、これはいわば大人の為の絵本だ。ここには一風変わった個性的なCOCOが世界を実にうまく描き出されている。
「人と同じじゃダメ、違っている方がいいんだよ」自分の個性を大切にしながら、大きな夢をもって頑張る、そんな力を与えてくれるすてきな一冊だ。(まあ)

『パパがサーカスと行っちゃった』
文/E・キャロット
絵/R・モエダン
訳/久山 太市
真っ赤な表紙をめくると鮮やかな黄色の中に、でかでかとタイトルが現れる。「何が始まるの?」わくわくしながらページをめくると…。ハイテンションのパパが叫んでいた!
パパは町にやってくるサーカスに大興奮。家族を巻き込んで見物に行ったかと思うと、なんとサーカスに入団してしまった。世界中を公演して回るパパと残された僕たち家族…。そしてパパは帰ってきた。
この絵本のメッセージは「いくつになっても夢を持てるし、人生を楽しくできる」ということ。エネルギッシュな色使いの絵は見るだけで元気になる。
イスラエルの絵本。(ぽん)

『パパのカノジョは』
作/ジャニス・レヴィ
絵/クリス・モンロー
訳/もん
パパのカノジョ? 表題からして読者はびっくりするに違いない。そこでページをめくってみると、個性的なファッションの女性がオペラなんか歌っていて、それを女の子が冷ややかな目で見ているといった具合。そうか、カノジョは女の子の何度目かのお母さん候補で、これはアメリカの絵本なのだと、やっと状況が飲みこめる。
更にめくっていくと、感情を出さない女の子の目がだんだん明るくなってくるではないか。どうしてなのだろう? その秘密は…。 それは読んでのお楽しみ。
素敵な絵を楽しみながら「私は本当の母親だけれど、カノジョのように子どもを安心させているだろうか」と、深く考えさせられる。絵本は押しつけがましさがなく、素直に読めて大人にとっても良いものだ。(ト?)

『おへそのあな』
作/長谷川義史
「この本、逆さま?」表紙から本文まで逆さまの絵には訳がある。赤ちゃんはお母さんの羊水の中で頭を下にしている。おへそのあなから赤ちゃんが見ているのだから、逆さまなのだ。赤ちゃんはお腹の中にいるとき、もちろんじっとはしていないから「逆子」にもなるけれど。
早く赤ちゃん生まれないかなあ。待ち遠しい日々、期待感あふれる家族の様子。そして赤ちゃんもどんなお母さんやお父さん、どんな家族のところに生まれるのか、好奇心いっぱいで、おへそのあなからのぞいたり、耳をすませたり。命の誕生はどきどきがいっぱいだ。(わかめ)

『心をビンにとじこめて』
作者/オリヴァー・ジェファーズ
訳者/三辺 律子
あなたは、とても悲しい出来事にであったとき、どうするだろうか?
とにかく涙が枯れるまで泣く? それとも頑張らなければと奮起してしまう? それとも、それとも…。
この絵本は、とても楽しい時を過ごしていた少女が、突然の悲しい出来事に心をなくし、そこから再生していくお話。
「心って重いんだよね」というある映画のセリフが脳裏をよぎる。そして、読み終えた後、自分の大切な心を抱きしめてあげたいと、思ってしまう。
ストレスがたまってきたと感じたり、心がしんどくなった時に開くのがおすすめ。涙も声も出ないほどつらくなる前に―。(いっぽ)

『わたし』
文/谷川俊太郎
絵/長 新太
「わたし」はおかっぱ頭で、赤いスカートの女の子。そんな「わたし」はおかあさん、おとうさんから見れば「娘のみちこ」で、先生からみると「生徒」、外国人から見ると「日本人」、宇宙人から見ると「地球人」、きりんから見ると…っていうお話。
「わたし」を自分に当てはめて、自分が家の中で、幼稚園や学校の中で、となり近所で、はたまた、日本、世界の中でどのような存在なのか考えてみよう。感じ方は読む人それぞれ違ってくるだろう。
谷川俊太郎による文は大変短く、だからこそ色々な読み方のできる絵本である。(かあか)