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誰もがいきいきと生きていくことのできる社会をめざした男女共同参画社会の実現に向けて情報を発信していきます。
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兵庫県明石市の情報を発信します。
DogEar50号 特集:絵本にみる「らしさ」ってなんだろう[2021年03月07日(Sun)]
特集:絵本にみる「らしさ」ってなんだろう

 女らしさや男らしさってだれが決めたのだろう?
 料理が得意なのは女の子? 力持ちなのは男の子?
 いえいえ、男女の区別なく、料理が得意な男の子、力持ちの女の子。どっちもカッコイイ!
 さてさて、絵本の登場人物たちは…


女と絵本と男.jpg
『女と絵本と男』
編者:中川 素子

 この本は、ジェンダーに主軸を置き、新しい視点をもった絵本の研究&ガイドブックだ。「私の絵本ジェンダー論」「授業❝絵本とジェンダー❞から」「女と男を考える絵本ガイド36冊」の3章で構成されている。
 1章の「私の絵本ジェンダー論」には、落合恵子、村中李衣など7名が執筆している。その中で、今回、紹介している絵本『おんぶはこりごり』の訳者である藤本朝巳が作者アンソニー・ブラウンのことや描かれたメッセージなど、詳細な内容について書いてあるので絵本とあわせて読むと面白い。
 また、2章では、本書の出版のきっかけとなった、半期にわたる大学の授業「絵本とジェンダー」の内容に加えて、そこで学んだ学生たちが、物語だけにとらわれることなく、絵を語り、自らの考えを文章にしている。
 そして3章には36冊の絵本が紹介されている。その中には『タンタンタンゴはパパふたり』や『パパのカノジョは』などセンターにある絵本も入っているので、この本を読んでから絵本を手に取るとより深みが増すことだろう。(いっぽ)

おんなのこだから.jpg
あなたへ14
『おんなのこだから』
文/レイフ・クリスチャンソン
訳/にもんじ まさあき
絵/はた こうしろう

 多くの人が「女の子なんだから!」「男の子だろ!」と言われたことはないだろうか。
 この絵本は、日々の暮らしの中でのつい見過ごしてしまいそうになる場面で「本当にそうなの?」「それでいいのかな?」と疑問を投げかけている。
 ・掃除や洗濯、妹たちの世話は「女の子だからあたりまえ?」
 ・サッカーは男の子、編み物は女の子?
 ・男の子は、泣かない? など。
 このように、性で区別しなくてもいいのではないか。家事をテキパキとするお父さんがいて、仕事をバリバリこなすお母さんがいたっていいじゃないか。みんながイキイキと生きていけるって素敵なことだけど、あなたはどう感じるだろうか。(いっぽ)

ええやん.jpg
『ええやん そのままで』
It's Okay to Be Different
作/トッド・パール
訳/つだ ゆうこ

 カラフルな色遣いにシンプルなタッチの絵が目に飛び込んで、関西弁『ええやん そのままで』のインパクトに思わず手を伸ばしてしまう。
 表紙を開けると、青色の顔に口の中は赤色で、歯が抜けた口を大きく開けて笑っている男の子。『ええやん はが ぬけた みんな ぬける ときが あるねんて』と、元気いっぱい。
 長い鼻のピンクの象や模様がカラフルなしまうま、外見の違いも「Okay」。違うことは違うと言いあえる友だち関係、「恥ずかしいな」と思う気持ちもマイペースも「Okay」。
「わたしは わたしの ことが すごく すき」が、なにより大事やん。どのページもそんなメッセージに溢れている。
 It's Okay to be…と、英語表記もあるので自分で訳してみるのもおすすめ。(わかめ)

おんぶはこりごり.jpg
『おんぶはこりごり』
作:アンソニー・ブラウン
訳/藤本 朝巳

 ピゴットさんとママと二人の息子、サイモンとパトリックは、素敵な家に住んでいた。
 パパと息子たちは「ママ、ごはんまだー」と言って、ごはんを食べ終わるとソファーに座ってテレビを観ているだけ。ママは一人で食事の後片付け、そうじ、洗濯、アイロンがけ。
 ある日ママは「ぶたさんたちのおせわはこりごり!」 という手紙を置いて出て行ってしまった。残った三人はママのしてくれていたことを全て自分たちでしなければならなくなった。まもなく家はぶたごやのようになり…
 やがてママが帰ってきたとき、三人は?
 絵の細部にはぶたの顔やトリックがいっぱい。隠れぶたさん探しも面白い。(かあか)

へんじゃないもん.jpg
『ヘンじゃないもん!』
文/いぬい さきこ
え/たかい たかこ

 わたし、マユ。うちは、ママがそとでおしごとしていてパパがおうちのことしている。『おまえんち、へんなの!』カズくんがいう。これってヘンなの? じゃあ、ツバメさんは? ライオンさんは? ペンギンさんは? 『パパはパパのおしごとしてるの。ママはママのおしごとしてるんだよ』
 この絵本は、幼児期から男女共同参画社会について考えるきっかけとして、茨木市が「絵本ストーリーコンクール」を企画し、68編の応募の中から大賞に選ばれた作品だ。
 あたたかい文とかわいい絵だが、その想いはしっかりと伝わる。これが普通であたりまえ、なんて定義はない。さまざまな家族のあり方があるんだよ、マユちゃんちだって、動物たちだって。(まあ)

しげちゃん.jpg
『しげちゃん』
作/室井 滋
絵/長谷川 義史

 作者は俳優の室井滋さん。子どもの頃から『しげる』という男の子みたいな名前のせいで、嫌な目にあうことがしょっちゅうだった。ピカピカの小学校入学の日も彼女の名前がナント男子用の青い紙に書かれていたのだ。「もっとかわいい名前に変えて」とお母さんに頼んでみたら、お母さんはギロリとにらんで。
 是非、読み聞かせてあげてほしい。名前は単に人を識別する記号や符号ではなく、そこには愛情がいっぱい詰まっているのだと、読みながら改めて思い出される。「あなたの名前はね…」と話は続いていくことだろう。
 絵はとてもおおらかで「しげちゃん」にぴったり。それに昭和レトロも懐かしく、親子の話も更に広がりそうだ。裏表紙の開きにある「名前パレード」の歌を聞いてみたい。(ト?)

世界一力もち.jpg
マジカル・チャイルド@
『世界一力もちの女の子のはなし』
作/サリー・ガードナー
訳/三辺 律子

 ジョシーは8歳9か月の女の子。ある日学校で、クラスメートのビリーの頭が柵に挟まって抜けなくなるという事件が起こった。ビリーは苦しくて顔が真っ赤になってきた。どうしよう! みんながうろたえていた時、突然「パキーン」とジョシーの腕に力が湧いてきた。ジョシーは柵に近寄るとあっさり柵を広げ、ビリーを助けたのだ。こうして、世界一力もちの女の子が誕生した。
「こんな小さな女の子が力持ち?」疑う人、感嘆する人、挑戦者…ジョシーとその家族の日常は一変した。ニューヨークで最高級のホテルに泊まり、毎日様々な重いものを持ち上げるショーに出ることになったのだ。
 つまらないショーに出るより誰かの役に立ちたいジョシー。彼女の力はどうなっていくのか。そして9歳になった時には?(ぽん)
DogEar34号 特集:絵本の力は∞(むげんだい)[2021年03月07日(Sun)]
特集:絵本の力は∞(むげんだい)

 幼き日、絵本を読んで、空想の世界に遊んだ。
 主人公になりきって冒険旅行に出かけたり、空を飛んだり、悪者をやっつけたり。感情移入して笑ったり、泣いたり、おこったり。
 そして子どもにはどんな絵本を読んであげようか。
 大人になっても絵本は心のビタミン剤。


COCO.jpg
『COCO〈ココ〉はとびきりかわったコ』
著者/エリザベス・マシューズ
訳者/佐伯 誠

 COCO・シャネルといえば、誰もが知っている有名人。しかし著者は「昔々の有名人」ではなく現代にも通用する、いきいきとした人物としてこの絵本に登場させた。
 ここに描かれているCOCOは、今にも本の中から飛び出してきそうな勢いだ。どんな逆境にもくじけず、自らの力で道を切り開いていくパワフルな姿は、大人の女性に勇気を与えてくれる。美しいイラストと小粋な文章が、非常に魅力的な、これはいわば大人の為の絵本だ。ここには一風変わった個性的なCOCOが世界を実にうまく描き出されている。
「人と同じじゃダメ、違っている方がいいんだよ」自分の個性を大切にしながら、大きな夢をもって頑張る、そんな力を与えてくれるすてきな一冊だ。(まあ)

パパがサーカス.jpg
『パパがサーカスと行っちゃった』
文/E・キャロット
絵/R・モエダン
訳/久山 太市

 真っ赤な表紙をめくると鮮やかな黄色の中に、でかでかとタイトルが現れる。「何が始まるの?」わくわくしながらページをめくると…。ハイテンションのパパが叫んでいた!
 パパは町にやってくるサーカスに大興奮。家族を巻き込んで見物に行ったかと思うと、なんとサーカスに入団してしまった。世界中を公演して回るパパと残された僕たち家族…。そしてパパは帰ってきた。
 この絵本のメッセージは「いくつになっても夢を持てるし、人生を楽しくできる」ということ。エネルギッシュな色使いの絵は見るだけで元気になる。
 イスラエルの絵本。(ぽん)

パパのカノジョ.jpg
『パパのカノジョは』
作/ジャニス・レヴィ
絵/クリス・モンロー
訳/もん

 パパのカノジョ? 表題からして読者はびっくりするに違いない。そこでページをめくってみると、個性的なファッションの女性がオペラなんか歌っていて、それを女の子が冷ややかな目で見ているといった具合。そうか、カノジョは女の子の何度目かのお母さん候補で、これはアメリカの絵本なのだと、やっと状況が飲みこめる。
 更にめくっていくと、感情を出さない女の子の目がだんだん明るくなってくるではないか。どうしてなのだろう? その秘密は…。 それは読んでのお楽しみ。
 素敵な絵を楽しみながら「私は本当の母親だけれど、カノジョのように子どもを安心させているだろうか」と、深く考えさせられる。絵本は押しつけがましさがなく、素直に読めて大人にとっても良いものだ。(ト?)

おへそのあな.jpg
『おへそのあな』
作/長谷川義史

「この本、逆さま?」表紙から本文まで逆さまの絵には訳がある。赤ちゃんはお母さんの羊水の中で頭を下にしている。おへそのあなから赤ちゃんが見ているのだから、逆さまなのだ。赤ちゃんはお腹の中にいるとき、もちろんじっとはしていないから「逆子」にもなるけれど。
 早く赤ちゃん生まれないかなあ。待ち遠しい日々、期待感あふれる家族の様子。そして赤ちゃんもどんなお母さんやお父さん、どんな家族のところに生まれるのか、好奇心いっぱいで、おへそのあなからのぞいたり、耳をすませたり。命の誕生はどきどきがいっぱいだ。(わかめ)

心をビンにとじこめて.jpg
『心をビンにとじこめて』
作者/オリヴァー・ジェファーズ
訳者/三辺 律子

 あなたは、とても悲しい出来事にであったとき、どうするだろうか?
 とにかく涙が枯れるまで泣く? それとも頑張らなければと奮起してしまう? それとも、それとも…。
 この絵本は、とても楽しい時を過ごしていた少女が、突然の悲しい出来事に心をなくし、そこから再生していくお話。
「心って重いんだよね」というある映画のセリフが脳裏をよぎる。そして、読み終えた後、自分の大切な心を抱きしめてあげたいと、思ってしまう。
 ストレスがたまってきたと感じたり、心がしんどくなった時に開くのがおすすめ。涙も声も出ないほどつらくなる前に―。(いっぽ)

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『わたし』
文/谷川俊太郎
絵/長 新太

「わたし」はおかっぱ頭で、赤いスカートの女の子。そんな「わたし」はおかあさん、おとうさんから見れば「娘のみちこ」で、先生からみると「生徒」、外国人から見ると「日本人」、宇宙人から見ると「地球人」、きりんから見ると…っていうお話。
「わたし」を自分に当てはめて、自分が家の中で、幼稚園や学校の中で、となり近所で、はたまた、日本、世界の中でどのような存在なのか考えてみよう。感じ方は読む人それぞれ違ってくるだろう。
 谷川俊太郎による文は大変短く、だからこそ色々な読み方のできる絵本である。(かあか)
DogEar25号 特集:たまには絵本を[2021年03月06日(Sat)]
特集:たまには絵本を

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『アリーテ姫の冒険』
著者/ダイアナ・コールス
絵/ロス・アスクィス

 むかしむかしあるところに・・・ではじまるおとぎばなしの多くは、王子様の助けを待つお姫様が描かれているが、この物語にでてくるアリーテ姫はとても個性的だ。
 アリーテ姫の父である王様は、いつか持参金をたくさん持った王子が現れるのを待ち望んでいた。一方、アリーテ姫は、王様の望むようなやさしく従順な女の子ではなく、結婚などしたくなかった。
 ある日、ボックスという男が、輝くばかりの宝石を持って、姫との結婚を申し出てきた。王様はそれに目がくらみ、承諾してしまう。しかしこの結婚、実は姫を殺すための策略だった。男はある予言者から「お前は、アリーテ姫に殺される」と言われていたのだ。
 このピンチにアリーテ姫は・・・。(いっぽ)

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『ルラルさんのごちそう』
著者/いとう ひろし
編集/萩原 由美

 ルラルさんはメガネとヒゲのおじさんだ。
 土曜日になると魚や野菜を買ってきて、なべやフライパンやほうちょうを使い、習い覚えた料理に腕を振るう。テーブルの上には見事なできばえのごちそうがいっぱい。ちょっと得意なルラルさんは庭の動物たちをごちそうに招待することにした。
 次の土曜日、お店で魚やえび、たこ、貝、だいこん、すいか、豆などを山ほど買ってお料理のはじまり。けれどもみんなは、ごちそうのできあがるのがまちきれなくて・・・。じょうずな料理より、みんなで食べるのがいちばん! というお話だけれど、子どもたちがあこがれる台所と料理、動物もいっぱい集まって、小さい子どもも楽しめるようによく工夫されている。(ト?)

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『おとうさんがおとうさんになった日』
著者/長野 ヒデ子

『おかあさんは、あかちゃんがうまれておかあさんになったの?』『じゃあ、おとうさんは、いつおとうさんになったの?』
 3人目の赤ちゃんを自宅で産むことに決めたおかあさん、おとうさん、子どもたち。
 赤ちゃんが生まれてくる前のゆったりとした時間、みんなで赤ちゃんを迎える準備。おとうさんは初めての赤ちゃんが生まれて「おとうさんになった日」を思い出す。まぶしくて、かがやいて、なんだかくすぐったい、あの日を・・・。そして、いよいよ赤ちゃんが生まれるときが来た! うれしい。でも心配、ドキドキ。
 赤ちゃんの誕生という特別な一日のことを描いた、優しい絵本。子どもはもちろん、出産を控えている人、まだの人、すでに遠い昔の人。すべての人に・・・。(かあか)

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『シンデレラのおしり』
著者・絵/ニコラス・アラン
訳者/とたに ようこ

 おしりにもいろいろあること、知ってた? 考えてみればそうよね・・・いろいろあるから個性なのよね。
 人それぞれなんだから、悩む必要なんてないんだよ、恥ずかしがることなんてないんだよと、かわいい絵本が教えてくれた。外見ばかりを気にしがちな自分を、優しくさとされたようで、思わずドキッとした。
 本書は、文章がとてもまろやかで、読んでいて心地いい。中のイラストも実にチャーミング! 一度手にとってイメージをふくらませてみてはいかが? 読む人それぞれにきっといろんな発見があるはず。(まあ)

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『バスラの図書館員』
 ーイラクで本当にあった話ー
著者/ジャネット・ウィンター
訳者/長田 弘

 バスラはイラクの港町。アリアさんはその町の図書館員。彼女にとって本は黄金よりも価値あるものだ。図書館にはあらゆる言語の本がある。新しい本も700年前の本も。本は自分たちの歴史が詰まっている町の大切な宝物だ。
 ところが、戦争の影が忍び寄ってきた。❝爆弾!❞町は? 私たちのいのちは? 誰も図書館の本のことを考えない。アリアさんは本を安全な場所に移してほしいと当局に頼んでみたが出来ないと断られた。燃えさかる町で彼女と友人たちのとった行動とは・・・。
 3万冊の本を戦火から守った、2003年にあった本当の話。(ぽん)

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『ひとりじゃないよ』
 21世紀に生まれてくる子どもたちへ
編者/アムネスティ・インターナショナル日本
絵/葉 祥明

 葉祥明さんのメルヘンタッチな絵が印象的だ。NGO人権擁護団体アムネスティが「21世紀に生まれてくる子どもたちへ」というテーマでメッセージを公募し、1冊にまとめたもの。
 谷川俊太郎、灰谷健次郎など有名人をはじめ、小学1年生の児童から大学生、主婦、会社員、造園業者など年令も職業も様々な26人が、世界中のいろいろな人権侵害に苦しんでいる子どもたちへ、それぞれ心をこめたメッセージを送っている。
 小学3年生の男の子の言葉が紹介されていて印象的だ。『小さいね みんなの いのち だいじだね』(わかめ)
Dog Ear 10号 特集:家族[2019年12月15日(Sun)]
特集:家族

 家族ってジグソーパズルみたいにいろいろなピースが集まって一つの絵や形を作っていくもの…?
 でも、よく見て下さい。そのピースの一つひとつ、そのものが素晴らしい表情を持ち、輝いています。


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『シングル化する日本』
著者/伊田 広行

 「両親と子ども二人という家族はすでに典型的ではない」事実、一人暮らし世帯が東京都では40.9%(2000年)にもなる。この傾向は全国にも拡がりつつある。晩婚、少子化、離婚の増加により、家族の形は変化し日本はシングル化しているのだ。
 家族を単位とする社会のシステムは限界がきているのではないか。…著者は個人を単位としたシングル単位での制度、生き方、考え方などを提案しシュミレートしている。
 斬新なこの考案は20年30年後に当り前のものとして定着しているのだろうか。それとも?…将来が楽しみである。

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『ひとり家族』
著者/松原 惇子

 21世紀はひとり家族の時代だといわれている。でも、ひとり家族ってどいうもの?
 たとえば本書では、こんな人が登場する。同じ家に住みながら夫婦という単位ではなく個人という単位で生きることを選んだ49才の女性。離婚するのではなく、よい妻・よい母(よい夫・よい父)という役割分業をやめたのだ。しかし、そのことによって2人の関係がよくなったというからおもしろい。
 また配偶者に先立たれた後、子どもと暮らさず、ひとりで気楽に生きている85才の男性がいる。気ままに休業するたばこ屋の彼は、自然にしているのが一番好きだという。それでもやはり、人がきてくれるのが一番の喜びのようだが。
 ひとりというのは❝個❞が尊重されてこそのものだが、それには個々の意識革命が重要だと思う。はたして、あなたは自分という❝個❞をしっかり持っているだろうか?(まあ)

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『お〜い父親PartU 夫婦篇』
著者/汐見 稔幸

 夫(男性)の視点から夫婦とは? を問いかけたコラム集。
 「家族サービス」では、子どもを中心としたサービスをイメージしがちだが、妻へのサービスは? となげかけている。また仕事のことは家庭に持ち込まない。妻に話しても理解できないと思うのではなく夫婦だからこそどんなことでも話し合っていくことが大事だという「語らない夫」など。夫婦のコミュニケーションの大切さを語っている。
 1篇が短い文章でユーモラスに書かれている。
 そしてイラストが内容を的確に伝えているので、それを読むだけでもおもしろい。また、妻のコラムも見逃せない。(いっぽ)

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『離婚 ―その後』
著者/岡野 あつこ

 近年、結婚するカップルの3組に1組は離婚するという。岡野自身も8年間にわたる結婚生活に終止符を打ち、新たな人生を歩むことを決めたひとり。現在離婚男女のネットワーク「カラットクラブ」を主宰している。
 この本では離婚した男女19人の苦渋の決断、その後の生活、今思うことを綴った手記をはじめ、クラブの会員など300人を対象に、離婚に至った理由、子どもの養育、経済状態など19項目についてアンケート調査を行った結果を掲載。座談会もあり、いろいろな角度から離婚を分析している。どれもこれもノンフィクションだから直に心に響く。ただ、離婚した女性の数だけ男性もいるわけだが男性の声がとても少ないのが気にかかる。(ト?)

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『あれも家族これも家族』
著者/福島 瑞穂

 ご存知、弁護士であり、参議院議員でもある福島瑞穂さんの著書。結婚、離婚、ドメスティックバイオレンス、シングルマザー、戸籍、住民票、年金、健康保険、税金、相続、遺言等々、ごく身近な事柄を弁護士の目から法律に基づき、行政手続の方法などについてわかりやすく解説。特に、カップルとして結婚届を出した場合と出さない場合の比較が興味深い。
 著者自身パートナーとは婚姻届を提出しない「事実婚」であり、娘は夫の姓を名乗っている。
 『結婚届を出していなくて「損」なことはある。しかし、結婚届を出していなくて「得」なことは一杯ある』という著者の言葉には考えさせられる。(かあか)
Dog Ear 9号 特集:生き方[2019年12月12日(Thu)]
特集:生き方

「目標を一つに定めてきちっとやらなきゃ」
「それより、いろんな自分発見にチャレンジしてみる方が楽しいんじゃないの」
「でも、そんなゆとりもないし。やっぱりケ・セラセラかな」
「意気地なし!ねえ、ちょっとこの本読んでみない。人生いろいろあるみたい」
いつも別々の私と話している。


無題5.jpg
『おこしやす 京の女将さん』
編/京都新聞社

 千二百年の歴史を誇る京都。その中で老舗の信用を守り続けて生活をしている101の店の女将たちが登場するこの本は、京都新聞夕刊の連載をまとめたものだ。
 「さすが京都の女将」と、読む人をうならせるだけの優雅さが、各ページにあふれている。主人や大女将を立て、出しゃばらず、引っ込みすぎずに絶妙のもてなしをするのは並大抵ではないだろう。
 聞き慣れた店も多いが、その店と女将を結びつけたり、新しい店、女将に魅了されたりと、読むだけで京都旅行のできる楽しい一冊である。(まあ)

音しずく.jpg
「音しずく」
著者/竹下 八千代

 23歳の夏、ドライブの帰り道、センターラインを越えてきた車との正面衝突。一瞬の事故により失明。突然、その身にふりかかったことに向き合い、苦しみながらも受け入れていく著者。
 光のない中での、結婚、子育て。健常者には考えられない苦労があっただろうが、周りの人たちの協力を受けながら、自らの努力でその道を切り開いていく。
 最後に著書には、こうしるしている。『何のために生きるのか。初めは何の答えも持たなかった私をここまで導いてくれたのは、紛れもなく目が見えないという障害でした。私にとって、障害は不幸の源ではなく、幸福の源になりました。』(かあか)

ノンパラ.jpg
『ノンパラ パラサイトしない女たちの本当』
著書/山本 貴代

 30代ひとり暮らし、結婚経験無し。そんな働く女性たちを「ノンパラ」と呼ぶをうな。
 「パラサイトシングル」は、未婚で親と同居し、基礎的な生活基盤を親に依存している人たちで、マスコミなどにも取り上げられて、知られるようになってきたが、ノンパラの生態はいったいどのような人たちなのか。その実体は?
 本書は10人のノンパラの城を紹介しながら、彼女たちの実像に近づく。ひとり暮らしを始めたきっかけはさまざま。自分の城を自分の力で守りながら、恋、仕事、結婚、出産など真摯に悩みながらも自然体で、しなやかに生きている。
 女性の生き方は、「OL→寿退社→結婚・独立」だけではないことを教えてくれる。(わかめ)

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『おひとりさま』
著者/岩下 久美子

 女性がひとりでバーのドアを開ける。「あれ!? おひとりさまですか?」…女だってひとりで飲みたいときはある。
 女性はいつもだれかと一緒にいないといけないの? もっと〈ひとりの時間〉を楽しみましょうよ。そんな思いから「おひとりさま向上委員会」を設立した著書。
 本書は「おひとりさま」を充実させるために入りやすい店や宿泊施設をリストアップ。また〈ひとりを楽しむ〉ということは…
 これからの時代を生きる、全ての女性に熱いメッセージがこめられている。(ぽん)

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『お母さん、ノーベル賞をもらう』
著者/シャロン・バーチュ・マグレイン

 20世紀にノーベル賞を受賞した14人の女性の物語。並はずれた頭脳を持って生まれた彼女たちでさえ、男性と一緒に研究することも、講義を聴くことも許されないという、今では考えられないような扱いを受けた。しかし、それを彼女たちは少しも不幸とは思わず、目を輝かせて突き進み、やがてNO.1になっていく。だが、もしも彼女たちの能力を正当に評価する人々の理解と支えがなかったら…。
 現在色々な用途に使われている放射能・DNAの発見なども、彼女たちの必死の研究のたまものである。「化学、物理なんて女性には無理。聞くのも苦手」と決めつけないで、ご一読を。(ト?)
Dog Ear 8号 特集:文学・エッセイ[2019年12月05日(Thu)]
特集:文学・エッセイ

本の扉を開けるとそこからさまざまな女の人生が飛び出す。
あなたはどの扉を開けて見る?


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『往復エッセイああ言えばこう食う』
著者/阿川佐和子・檀ふみ

 ともに偉大な作家を父とし、知性と美しさと仲の良いので有名なふたりが、大好きな「食」をテーマに幼いころのこと、様々な人との出会い、失敗したことなどをつれづれに短いエッセイにして交換する。さすが作家を父とするだけあって文章も歯切れ良く、トントントンと楽しく読める。
 お互いをボロクソにコキおろしながらも、相手をよく観ることで自分自身を見つめる、そんなイイ関係を続けられるのも二人のすばらしさなのだろう。肩こり解消にどうぞ。(ト?)

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『少子』
著者/酒井 順子

 1999年に厚生省がおこなった人口動態統計では、日本の出生率は1.34人。少子化が叫ばれて久しい感じはするけれど、人々が「結婚したくないナー」「子どもいらないナー」と思う本当の理由は何なのか。
 高校在学中からコラムニストとして活躍している著者は、独身、子どもなし。そんな彼女が「なぜ産まないのか」を本音で語る。
 内容は少子化という深刻な問題だが、読みやすい。(わかめ)

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『玉の輿同盟』
著者/宇佐美 遊

 「誰だって幸せになる権利があるし、なんだって起こりうるのよ」32才のOL3人が本当の幸せを求めて同盟を組んだ。これまでの不運を帳消しにして、最高の幸せを手に入れるためには「玉の輿」。
 しかし世の中、そんなに甘くない!
 泣き、笑い、真剣に悩みつつ、彼女たちは「玉の輿」をめざす。そもそも「玉の輿」って幸せなの?
 したたかでいてかわいい、そんな女の姿と彼女たちの周りのダメ男の世界を思いきり想像しながら読んでいただきたい。(まあ)

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『ラブリー・ボーン』
著者/アリス・シーボルト 訳者/片山 奈緒美

 彼女の名前はスージー・サーモン。14歳。ある日彼女はレイプされ、殺された。14歳のままのスージーは、天国から自分の家族やボーイフレンド、彼女を殺した犯人を見守る。
 彼女の目を通して語られる家族たちの悲しみ、母親の不倫、家出、そして成長していく友人やボーイフレンド。
 殺人事件という題材ながら暗くならない、「天国ってこういうところなんだ」と思いながら読める不思議な物語。(かあか)

『みんないってしまう』
著者/山本 文緒

 ごくありふれた日常の中で、ふと歯車のずれたような、ぎくしゃくした気持ちに陥ることはないだろうか? 自分だけ取り残されてしまったような疎外感・・・。
 著者は人間関係の繊細なずれから生じる喪失、慈しみを書き続けている。
 この12の短編でも恋、友情、信頼などをテーマに喪失を描いている。作品は全体的に曇り空のようで爽快さはあまりない。しかし何度も手にとって読んでみたい魅力のある作品だ。(ぽん)
Dog Ear 4号 特集:女性史[2019年11月01日(Fri)]
特集:女性史

「戦後強くなったのは、女性と靴下」なんて言いますが、どうして、どうして女性は太古の昔からがんばっていたようですただ、「男性社会」が認めようとしなかっただけ・・・歴史に名を残す偉大な先輩だけでなく、日常生活でも「がんばっていた」一般庶民の女性たちの人生・生活をのぞいてみませんか

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『明治快女伝 ―わたしはわたしよ―』
著者/森まゆみ

 本著は明治に生きた52人の略伝である
 女性の自立、解放に貢献した羽仁もと子・平塚らいてう・竹久夢二のモデルとなった三人の女性たち。また猟奇事件で有名な阿部定などさまざまな角度からスポットライトをあて、彼女たちの人生を深く力強く紹介している。
  政治に文学に恋にと時代を精一杯生きた明治の女性たち。その生涯を後世に伝えていきたいという著者の思いがこもっている。(ぽん)

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『わかりやすい 日本民衆と女性の歴史 近・現代編』
著者/金谷千慧子

 あなたは、近代の女性史をまとめて学習したことがあるだろうか。
 歴史の主役はいつも男性。では女性は? 序文で作者は、三重県志摩半島の海女への取材を通し、女性が従属の歴史の中だけで生きてきたのではなく、実はしたたかに時代、歴史をつくってきたことを確認する。
 このような視点で明治、大正、昭和の女性史をわかりやすく解説しているテキストである。
(わかめ) 

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『姫たちの伝説 古事記にひらいた女心』 
著者/中山千夏

「古事記」は昔々の神様のお話。西暦712年、天皇を神格化する目的で、そのころの伝説をいろいろつなぎ合わせたり、都合のいいように変えたりして書かれたようで、完璧に男性優位。女性の描写はごくわずかしか無い。
 だから女性は従順だったのか、いえいえ…千夏さんは、その僅かの描写から彼女たちを生き生きとした個性豊かな姫によみがえらせる。
YESはYES、NOはNO。姫の怒りに男神が逃げまどったり、男にも勝る政治力を発揮したり、痛快痛快! ただ姫だけでも77人の名前が出てくるので、ややこしいのが難。(ト?)

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『「モノと女」の戦後史 身体性・家庭性・社会性を軸に』
著者/天野正子・桜井厚

 今では消耗品と言っても過言ではないパンスト。約50年前、女性は給料の3〜4割もする、絹のストッキングを修理しながら何ヶ月もはいていた。そして1950年代なかば、「鋼鉄よりも強く、絹よりも美しい繊維」ナイロンが登場したころからストッキングの「進化」が始まる。それにともないストッキングをはく女性自身にも、外面、内面両方に様々な変化をもたらすようになった。
 このように、洗濯機、流し台、下着、生理用品などの進化と女性の変化、解放の関係について図写真入りで書かれている。(かあか)

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『二十世紀を変えた女たち』
著者/安達正勝

 かつてない激動の時代であった20世紀の中で、ひときわ目覚ましい活躍をしたフランス女性4人にスポットをあてている。
 マリー・キュリー、ココ・シャネル、シモーヌ・ド・ボーヴォワール、シモーヌ・ヴェイユとあげるとなじみのある名前もあるだろう。
 それぞれ完結した物語として読んでもよいし、時代を追って書かれたひと続きの話として読んでも、また楽しい。
 20世紀という100年間に、女性の生き方がいかに変化を遂げたかを大いに実感できる一冊である。(まぁ)

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『サンダンカンまで わたしの生きた道』
著者/山崎朋子

 冒頭、著者が男に頬をナイフで傷つけられるという衝撃的な文で始まる。顔に傷を負った女性がどう生きていけば良いのか、絶望の中、担当医の「傷痕(きず)も身の内」という言葉に一条の光を見る。
 時をさかのぼり、母との確執、朝鮮籍の青年との恋愛・別れ。そして、児童文学者と出会い結婚。それらの生活の中で女性史に心をむけ、アジア女性交流史研究会を発足させた。底辺女性史研究を本質とした山崎朋子の波乱に満ちた自伝。(いっぽ)
Dog Ear 3号 特集:子ども[2019年11月01日(Fri)]
子どもを育てる
おとなってすごいな!なんでもできちゃう」
でも、大人もスーパーマンではありません。
自信がなくなったり、不安になったり・・・
だけど、みんなのことは大好き。
いっしょに大きく育っていこうね。


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『放課後泥棒』
著者/森末哲朗

ー子どもは群れて育つんやー
「子ども見てたら学習塾、習い事と子どもの放課後がえらい窮屈になっとる。放課後の時間は学校の下請けとちゃうやろ。大きい子や小さい子が混ざって、いっぱい遊んで、人として生きていくうえで大切なことを勉強してほしいんや」そんな思いで始めた学童保育の指導員。19年の歳月を経て、キャンプ、阪神大震災、そして日常を通して子ども達がたくましく育っていくのを見てきた。それでも子どもは弱い。親の考えには逆らえない。子どもの大切な放課後を泥棒するのは一体誰や。
 子どもと真剣に真正面に向き合うとはどういうこと?子どもを見る目が変わるかもしれない。(ト?)

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『誰だってワーキングマザーになれるんだ!』
著者/百瀬いづみ

・・・百瀬いづみとご意見隊が考えるもっと自分らしい生き方・暮らし方・・
 ご意見隊とは、インターネットを通じて集まった働くお母さんたちのこと。4年間で延べ200人が参加している。
 本書は著者とご意見隊とのやりとり(チャット)で主に構成されている。例えば「ワーキングマザーは子どもに習い事をさせているか?」では未就学児の約半数に「させた・させている」と回答。「私はこうやって時間をやりくりした」「習い事は本当に必要?」など、ちょっと聞いてみたい本音がどっさり。
 家事の裏ワザなども紹介している。(ぽん)

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『父親はなぜひつようなのか』
著者/広岡守穂

 パリを始めとしてフランスの大都市では、年齢を問わず、半数の夫婦が離婚している。そして離婚したカップルの子どもたちの8割は、母親のもとで育てられる。そのことは人格の形成過程にある子どもにとって、父親の不在はとても大きな影響を受ける。
 心理学のうえから、父親の存在意義を問い直す本書は、少々難解。しかし、フランスの現状は、対岸の火事ではないだろう。(わかめ)

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『父親であることは哀しくも面白い』
著者/クリステイアーヌ・オリヴイエ 訳者/宇田川悟 

「父親」のあるべき姿とはなんだろう。
5人の子どもを育ててきた著者が「父親業」を通して見えてきたものは・・・。
 育児ストレスを抱えた妻のために良かれと思ってしてきた家族サービス。後にそれが妻にとっては負担だったと聞かされあ然となる。
 こうした夫と妻との心のズレは、子どもが生まれた頃から生じてくる。自らの体験から夫婦のコミュニケーションの大切さを語る。(いっぽ)

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『こどもをたたくっていけないこと?』
著者/村松邦彦

 カッとなって後で後悔・・・
 最近、毎日のように新聞やテレビニュースで報道される子どもの虐待致死事件。これは絶対にいけないこと。だけど、言うことをきいてくれない我が子に思わず手をあげてしまったり、きちんとしつけをしたいがために叩いてしまうというのはどうなんだろう? これはしつけ? 体罰? 虐待?
 育児雑誌の読者アンケートの回答を中心に子どもを叩いてしまうことについて、たくさんの人々の意見が書かれてる。答えはこの本を読んであなたが考えてほしい。(かあか)

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『子育てママのSOS』
著者/大日向雅美

 育児をしなくとも「父」という「夫」にわかって欲しい
 子育て中のみなさん、「これって私だけなのかしら?」と悩むことはないだろうか。
 日常生活の中で、子育てに専念している自分と仕事の世界に生きている夫との、その溝のあまりにも大きいことにがく然としてしまう。でも、そんな思いはあなただけではないはず。
 本書は、そういった母親(妻)の切実な思いを世の男性(夫)に届けるべく、しっかりと描かれている。ぜひ、夫婦でいっしょにご一読を。(まあ)
Dog Ear 2号 特集:家族 [2019年07月01日(Mon)]
特集:家族

家族とはあなたにとって何ですか?周りの人に聞いてみました。
「ウンーッ」と真剣に考えこんで、そして答えてくれました。
・老人介護・絆・心の支え・頑張りの源・悩みの種・宝物
短い言葉の中に家族への思いがぎっしり詰まって、それぞれのドラマが伝わってくるよう。
 あなたにとってー家族とはー


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『お母ちゃんの住まい誕生』
著者/宇津崎光代、宇津崎友貝、宇津崎せつ子


 家というのは実際に生活する場であり、鑑賞するためのものではない。そこに住む人が一番気持ちよく暮らせる空間でなければならない。 それなのに、外観ばかりを重視したり、主婦が動きにくい間どりであったり、たまに来るお客様主体である家が出来上がるのは何故?
 そういう疑問から、作者はインテリアを学び、ミセスの観点で住まいを作る会社を設立する。その人その人のライフスタイルに合わせての心地よい空間を提供するために。
 心と身体のために本当の意味での健康な家を作りたいという作者の思いが、この一冊にはたっぷりとあふれている。
 作者自身の『お母ちゃんの家』やその長女の家の誕生までの様子を読みながら、自分自身の理想の家について創造にふけるのも又楽しいだろう。(まぁ)

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『結婚の新しいかたち』
ーフレキシブル結婚の時代ー
著者/西川栄明、西川晴子


 様々なライフスタイルがあるように、結婚のかたちも多様化してきた。従来の結婚観にとらわれず、自分たちに合った結婚をしているカップルを紹介。そして、メリット・デメリットを語る。
 結婚によってどちらか一方が我慢をするのではなく、お互いの状況に応じて二人が納得いくかたちの生活をしている。こんな結婚があったんだと気づき、こらからのライフスタイルにひらめきを与えてくれる本である。(いっぽ)

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『離婚まで』
著者/藤本ひとみ


 可奈子は中学3年と1年生の娘をもつ夫婦共働きの45才。
 同僚の男性が絵画展に入選したことをキッカケに理想の娘、妻、嫁、母を演じていた自分に気づく。中学校の同期会への出席を口実に30年ぶりに故郷を訪れ、本当の自分を捜す。
 そして、母によって支配されてきた人生を精算し、本当の自分の人生をスタートし、生き直したいと決心する。 ミステリーでおなじみの著者の別の世界に出会える1冊である。(グー)

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『パパは専業主夫』
著者/キルスティン・ボイエ


 ママが、仕事を始めたいと言い出した。パパはいやな顔をしたがママは復職、そしてパパは休職して主夫になった。赤ちゃんの世話をするためだ。
 二人が入れ替わっただけなのにどうもうまくいかない。パパが家事や育児をすることに良心がとがめるというママ。でも主夫が週3回テニスに行くのは許せないと怒る。みんなに母親の役目をちゃんと果たしているか検査されているというパパ。なんか変じゃない?(ぽん)

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『家事する男は美しい』
著者/藤原ゆきえ


 家で料理を作る男性は増えてきたが、その他の家事、例えばそうじ、洗濯などはどうだろう?
 この本を読めば、料理はもちろん、そうじ、洗濯、買い物、それにお弁当屋離乳食づくりまでの基本がバッチリわかるはず。イラストがいっぱいで、豆知識や裏ワザ的なことも書かれていてとにかく読みやすい。男性だけに読ませるのはもったいない!?(かあか)

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『「長男物語』
編者/中国新聞文化部編


 あなたは双子の長男と次男がいたら、どちらと結婚したいと思うだろうか。長男という言葉には、最初に生まれた男の子という意味の他に家綾香行を継ぐ者、土地や墓を守る者、良心をみとる者など、義務や責任を伴うイメージがあるのではないだろうか。
 この本は、1998年1月から中国新聞に掲載された「男はつらいよ’98」シリーズの第一部「長男の重荷」を加筆したもの。普段、多くを語らない長男の心の内をのぞいてみては?(わかめ)


Dog Ear 1号 特集:生き方[2019年05月14日(Tue)]
特集:生き方 それぞれ

『桜梅桃李(おうばいとうり)」
桜は桜、梅は梅、桃は桃、スモモはスモモ、それぞれに花の良さがあるという言葉です。
 人間も個性や生き方など人それぞれ違って当たり前。でも、ちょっと迷ったり、悩んだり。
いろんな人の生き方を参考にしてはいかがでしょう。


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『そして燦く』
著者/吉永みち子


「日経ウーマン」に掲載された14人の女性のルポをまとめたものである。
 増田明美、天童よしみなど表紙に並んだ写真にはいくつか見覚えのある顔があるはずだ。今、さまざまなジャンルで活躍する彼女たちが、これまでどんな道のりを歩み、何を乗り越えて、そしてどのように変わったか。女性の転機をテーマに取材が進められている。
「これでいいのだろうか、と現在の自分のあり方に不安を感じている人へのアドバイスになるのではないだろうか」(あとがきより)
 きらめく彼女たちからパワーのおすそわけがもらえそうな、そんな一冊である。(ぽん)

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『女たちの「自分育て」輝きを増す生き方・働き方』 
著者/広岡守穂


「自分育て」とは「子育て」に対比した言葉。専業主婦として子どもを育て、夫を支えてきた女性が、社会の一員としてさらに成長したい、生きがいを求めたいと二度目に社会に出ること。つまり「自分育て」を応援する本である。
 専門学校で特技を身に付ける、講座を受けるなどして自分で仕事を起こした人や、福祉の分野で非営利グループとして仕事を始めた人たちなど元は専業主婦であった女性たちの社会参加していく姿を詳しく紹介している。(かあか)

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『これも男の生きる道』
著者/橋本治

「男の自立」って何だろう。一般的に「男の自立=家事」という考えがまかり通っているのだ。家事ができないと自立していないのか? そもそも「男の自立」っていうのは何なんだ?
 著者は、家事は一通りのことができるし、編み物だってできてしまう。そんな男が考える男の生き方。小気味いい調子でたたみかける文章に、男のみならず、女もついついうなずいてしまうユーモアたっぷりの作品。(まぁ)

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『出会った相手が悪かった!? 札付きのフェミニストを妻にして
著者/宮本博文


「男は男らしく、女は女らしく」こそが、もっともふさわしい姿だと信じて疑わなかった著者が結婚した相手は、フェミニストだった。
 それまで常識だと思っていたことがくつがえされ、戸惑いあわてふためく著者。反面、妻は常に冷静に対応する。そのたび(なんで分かってくれへんのや)という心の叫びが。
 そうして何度も妻にほんろうされながらフェミニズムを理解していく様子を心情を交えて分かりやすく書かれている。(いっぽ)

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『いくつもの週末』
著者/江國香織


「旅行に行く」という私に夫の答えは「ごはんは?」このひとはごはんのためだけに私と結婚したんじゃないかしら。
 恋人同士だった二人が結婚した。夫婦になってから『週末は、いつも夫と一緒にいる。そして、ほとんど毎週末けんかをする』
 それなのにどうしてもついくっついてしまう。二人はときどき途方もなく淋しい、と感じながら。
『きらきらひかる』で紫式部文学賞を受賞した著者の結婚生活をつづったエッセイ集である。(グー)

『遅咲きの梅』
著者/津村節子


 かなは福井県鯖江市の貧しい農家の生まれ。母の死後、父は女を連れ込み家に居場所のなくなったかなは、23歳のとき東京へ出て、ある進歩的であたたかい家庭の家政婦として働く。
 27歳で鯖江の農家に嫁ぐが、そこの暮らしは貧困と厳しい自然、姑との確執と心休まるゆとりもない。そんな中でもかなは自分を見失わず自立していく。彼女の指針となったのは。
 福井県は著者の故郷。鯖江の風土を背景に、懸命に生きる女性へ力強い応援を送る。(ト?)

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