「森のことこと」
森林セラピー基地でこの活動をはじめて10年を迎えた私たちが感じる森のこと、
森から教えてもらったたくさんのこと、ちいさな紙面に想いを込めて、
たくさんの方に伝わってほしいこと、こと。
最終回となる第12回目のタイトルは「東大寺再建のふるさと徳地の森を次世代へ」、森の案内人 藤井均 さんからの寄稿です!

森のことこと〜森林セラピー基地 山口市徳地の森から〜
「東大寺再建のふるさと徳地の森を次世代へ」
「東大寺再建のふるさと」と称される徳地の森。
滑山国有林の最深部にある飯ケ岳の山頂付近には、本州最西端のブナの林と、樹齢200年を超すアカマツ「滑マツ」が混在し、ほかでは見ることができない風景が広がる。
はるか昔、この地から東大寺再建用材が切り出されたことをほうふつさせる巨木「三本杉」、江戸時代に植林された「毛利藩モミ林」など、この森の巨樹・巨木は、見るものに畏敬の念を抱かせる。
清流滑川にかかる橋脚の跡は、昭和のはじめまで森林鉄道で木材を搬出していた遺構であり、その歴史にロマンを感じる。
何世代にもわたる林家の手により育まれて来たスギやヒノキの美林、愛情をもって育ててこられた人たちのおかげで、私たちは森林の恩恵を享受している。
森林・林業行政に携わってきた私は、森の案内人として、多くの人に、森の価値や先人たちの知恵・努力を伝えることも大切な役割だと思っている。
森を訪れる方に、森や自然との確かなつながりを感じていただき、森林に関心を寄せ、森林を守り育てる取り組みにつながるきっかけになれば、これに勝る喜びはない。
森の案内人の会が発足して12年目。今年、新たな取り組みとして、基地内である国立山口徳地青少年自然の家周辺の市有林をフィールドに、森林環境教育の場づくりを手掛けていくこととしている。
森が元気になれば、人も地域も元気になる。森林セラピー基地の徳地の森から、その取り組みをはじめたい。森を訪れる多くの人と、その喜びを分かち合いたい。
(森の案内人、藤井均)
【森林セラピーガイドツアー】希望の日時で森林セラピーの森を案内します。問い合わせ、申し込みは「森林セラピー山口」(電話0835・56・5234)へ。
【写真説明】「東大寺再建のふるさと」と称される徳地の森。森林環境教育の場づくりを進め、次世代につなげたい。
Posted by 松本 at 23:22 | 山口新聞連載〜森のことこと〜 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)