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生涯学習政策の効果 [2012年02月12日(Sun)]
大学院の時のゼミの研究論文発表会に参加してきました。
2年前は私も、社会人ゼミ生として修論発表したことを懐かしく思いながら、学部生の皆さんの卒論や社会人の方の論文発表を聴かせていただきました。

その中で、ひとつ大変興味深い報告がありました。
4回生の「地域社会政策としての生涯学習」という研究発表で、生涯学習政策を充実させた県は、刑法犯罪が少なく、ボランティア参加率、幸福度が高いという分析結果が出たという報告です。



2009年度の47都道府県の社会教育費の相対的支出を調べてみると、
トップ3は、福井県(15.03%)、長野県(14.92%)、宮城県(14.71%)
ワースト3は、徳島県(7.41%)、沖縄県(7.32%)、京都府(5.62%)

一人あたりの社会教育費を調べてみると、
トップ3は、島根県(25,160円)、福井県(15,030円)、鳥取県(13,820円)
ワースト3は、大阪府(8,480円)、神奈川県(8,060円)、京都府(6,960円)
という結果だったそうです。

これらの結果から生涯学習が充実していると言えるのは、
福井県、島根県、長野県、宮城県等。
充実していないと言えるのは、
京都府、神奈川県、東京都、埼玉県、大阪府等。

生涯学習政策の派生効果として、寿命、所得、失業・就業率、介護保険料、医療費、学力、体力、児童問題、自殺率、犯罪数、幸福度、ボランティア参加、インターネット利用、スポーツ実施、旅行・行楽、趣味・娯楽等を分析してみると…

なんと、生涯学習政策が充実している都道府県ほど、刑法犯数は少なく、ボランティア参加立は高い、幸福度も高いなどの結果が出たとのことです。

具体的には、
生涯学習政策が充実していると言える福井県は、失業率の低さは全国1位、要支援費費用の低さも全国1位、平均給付費用は全国5位、学力は全国2位、体力は男女ともに全国1位、幸福度も全国1位、ボランティア参加率は全国4位とのこと。

比較して大阪府は、
中途退学率の高さは全国1位、平均給付費用は全国最下位、学力は45位、体力も男子は最下位、女子は45位、刑法犯数の多さは全国1位、幸福度も最下位とのことです。

しかも今回の分析結果は、昨年末に法政大学の坂本教授が発表した「47都道府県別幸福度ランキング」の結果と非常に近いとのことでした。
http://www.hosei.ac.jp/koho/photo/2011/111110.html

大変面白い結果です。すばらしい!!
今現在、シーズ加古川が運営している東播磨生活創造センター「かこむ」も、ある種の生涯学習支援の施設ともいえます。
「かこむ」の機能を充実させることで、東播磨地域の幸福度をアップさせられるかもしれません。
とても勉強になった1日でした。
行政との協働は「対話」の場づくりから [2012年01月31日(Tue)]
先日、とある行政と市民が意見交換をする場でコーディネーターをさせていただきました。
行政と市民の協働のあり方とは何なのかを考える意見交換の場です。

コーディネーターをさせていただきながら、「行政と市民の協働」について、色々と考えさせられました。

想像以上に、行政側は市民から意見されることを怖がっています。
そのような行政側の姿勢は大変問題ですが、行政側が恐怖を感じていることは市民側の伝え方にも問題があります。
なので、まずは対等に「対話」する場を作らなければ、「協働」は進まない。
私が一番感じたことでした。

まずは、人と人として理解し合うことがなければ、「協働」は進みません。
理解するための「対話」を繰り返していくことが大切です。

仲の良いファシリテーターから言われました。
  行政の重い腰をあげさせつつ、
  市民の軽い口をたしなめつつ、
  よりよい対話づくりを進められるかどうかが、
  協働の実体化が問われる今後の正否の鍵を握るでしょうね。と。

「協働」という綺麗な言葉がよく使われていますが、真の「協働」というのは本当に難しい。
けれども、現場で活動している市民の言葉が、想いが、しっかりと行政に伝わるように、そして、行政の考えが市民にも理解されるように、その「対話」の場づくりのお手伝いをすることが、私の役目なのではと感じている今日この頃です。
第13回シーズ加古川塾「 [2011年11月10日(Thu)]
またまたブログの更新が遅れてすみません!

先日の11月8日は、第13回目のシーズ加古川塾を開催しました。
第12回に引き続き、講師は近畿大学総合社会学部教授の久骰_先生。
テーマは、「『コミュニティ』と『市民力』その本質と課題〜なぜ今、「市民主体のまちづくり」なのか〜」。



大きな政府を目指すのか、小さな政府を目指すのかという議論がよくされます。
近年では、行政の財源が縮小してくる中、小さな政府を目指すべきだという意見がどちらかというと多くなってきました。
しかし、政府を小さくするのであれば、小さくする一方で何かを大きくしなければならないのではないか?
冒頭、そのような問題提起から今回の講座は始まりました。

イギリスのキャメロン首相は、「Big Society」という施策を取られているそうです。
つまり、政府を小さくする一方で、社会を大きくするという施策です。
行政が小さくなるのであれば、その担い手をどう育てるか、その育てる仕組みが大切ではないかという考えです。

日本では、よく「新しい公共」と言われます。
行政だけではなく、「新しい公共」として市民が公共の担い手として活躍しなければならないというものです。
行政が小さくなるだけでなく、社会をどう大きくするのか、その担い手としての市民をどう育てていくのか、その点が大切ではないでしょうか。

前回に続き、久先生の講座は大変わかりやすく、しかも社会の本質を突いた内容の濃い講座です。
本来はもっともっと内容が濃いのですが、このブログにどう書いてお伝えしたらいいものやら、、、。
少ししかご報告できずにすみません。

第14回、15回目も久先生にお願いすることにしました。
12月は休塾し、1月2月の開催です。
ぜひ、ご関心おありの方は、お気軽にご参加ください。
明石市市民提案型パイロット協働事業受託団体交流会 [2011年11月05日(Sat)]
以前に、明石市の画期的な事業として、明石市市民提案型パイロット協働事業が進んでいることをブログでもご紹介しました。

明石市市民提案型パイロット協働事業については、詳しくはこちら↓
http://www.city.akashi.hyogo.jp/community/community_shitsu/kyoudou.html

本日、このパイロット協働事業を受託している6団体が集まり、意見交換会を実施しました。
私はそんな意見交換会のコーディネーター役として呼んでいただきました。
今日はそのご報告をしたいと思います。



今回、受託団体が集まって交流会をしようということになったのには、この事業を進めていく上で、色々と課題が見えてきたからです。
パイロット協働事業は、市民が明石にとって必要だと思う事業を市民側から提案し、市民と行政が「協働」して進めていく事業です。
しかし、受託団体側からは、「協働事業なのに、行政は資金を出しているだけで、本当の意味での協働にはなっていない」、「担当部署だけしかこの事業をわかっていなくて、他の部署は全然協力してくれない」など、いろいろな不満の声が上がっていました。

そこで、今回、行政との協働とはいったい何をもって協働というのか、協働のあり方についてなどを議論することになりました。

パイロット協働事業の良かった点の振り返りでは、
・市民側の意識改革ができた
・行政の仕組みがよくわかった
・市民と行政が議論することができた
・行政側にも協働の意識改革ができた
など、様々な意見が出てきました。

一方で、パイロット協働事業の課題についての振り返りでは、
・協働事業の成果をどう考えるか
・この事業が終了した後をどう考えていくか
・委託事業という契約方法でよいのか
・資金面だけの協働ではなく、協力してほしい
といったような意見が出ました。

当初は受託団体だけで意見交換をしようかとなっていたのですが、明石市から3名の職員もご参加くださり、行政側の意見を出してくださいました。
行政側も
・市民提案型であることから、どこまで踏み込んでいいのかがわからない。
・役割分担をどうしていけばよいのかわからない。
などの意見を出してくださいました。

今回の事業は行政側にとっても「パイロット」、つまり「試験的な」事業なのです。
市民にとっても、行政にとってもこの事業を通して、「協働」していくためにはどうすればよいのかを考えていくための事業なのです。

横浜市では、子育て系の団体さんが集まって、「協働契約のあり方を考える研究会」を進めています。
愛知県もNPOと行政のパートナーシップをどうするのかということについて、先進的に検討されています。
しかし、まだまだ行政と市民がどう協働していくのかについては、どこも模索している状態です。
そのような中、明石市では、市民提案型パイロット協働事業がきっかけとなり、市民と行政の協働について検討することができていることは、素晴らしいことです。

地元明石でこのような検討会が進んでいることを大変嬉しく思います。
受託団体の皆さまの活動がこれからもどんどん拡充していくことももちろんですが、今回の事業を通して、市民と行政の協働のあり方を模索し、そのモデルになっていただけると良いなぁと感じた1日でした。
第12回シーズ加古川塾「今、なぜ『コミュニティ』が重要か」 [2011年10月13日(Thu)]
先日、第12回目のシーズ加古川塾を開催しました。

---シーズ加古川塾とは---------------------------
もともとは現場の話だけではなく、もう少し社会全体のことを勉強しようと役員・職員・会員向けに始めた勉強会です。
今年度からは、「市民まちづくり塾」として一般にも公開をしています。
毎月テーマを決めて、講師によるミニ基調講演と参加者によるディスカッションを組み合わせた、勉強しやすく発言しやすい、でもちょっとアカデミックな庶民塾です。
どなたでも参加自由な場です。

【今までのテーマと講師】
第1回「国家・市場・市民社会」、講師:今田忠氏(市民社会研究所 所長)
第2回「市民社会とは何か?」、講師:今田忠氏(市民社会研究所 所長)
第3回「NPOは多元社会を超えられるか」、柏木登起の修士論文発表
第4回「企業のCSR活動」、講師:今田忠氏(市民社会研究所 所長)
第5回「中間支援組織について」、講師:今田忠氏(市民社会研究所 所長)
第6回「地方分権と市民自治の系譜〜歴史的転換期20年を振り返る」、講師:松本誠氏(市民まちづくり研究所所長)
第7回「地方自治と住民自治の現状と課題」、講師:松本誠氏(市民まちづくり研究所所長)
第8回「「参画・協働」と自治、議会基本条例」、講師:松本誠氏(市民まちづくり研究所所長)
第9回「市民自治の担い手と市民力向上の課題」、講師:松本誠氏(市民まちづくり研究所所長)
第10回「「改正NPO法成立」−どうなる?NPOのこれから−」、講師:実吉威氏(認定NPO法人市民活動センター神戸 理事・事務局長)
第11回「市民公益税制実現 −これからの日本の寄付文化−」、講師:実吉威氏(認定NPO法人市民活動センター神戸 理事・事務局長)

---------------------------------------------------

今回の第12回目と来月の13回目は、「『コミュニティ』と『市民力』その本質とその課題」ということで、近畿大学総合社会学部の教授久隆浩先生に来ていただくことになっています。



第12回目のテーマは、「なぜ、今『コミュニティ』が重要か」。
コミュニティの活性化や地域が大切というけれど、本当にコミュニティは必要なのか?という話から始まり、「近代」の仕組みについて大変わかりやすく説明してくださいました。

以下は、久先生の講座内容を柏木なりに整理したものです。

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「近代」という時代は、法治主義・資本主義の社会です。
つまり、物事の問題を法や制度といったルールか、お金で解決をする社会システムなのです。
なので、システムが自動的に秩序を作ってくれるので、自分自身で努力をして課題を解決しようという努力をしなくなります。
そうして、「他人任せ」の人が増えてしまっているのが今現代の社会なのです。

しかし、制度やお金を使ってより効率的に、より合理的に物事を推し進めようとすることに限界が見え始めてきました。
徐々に、制度の時代からコミュニケーションの時代へ移らなければならない時が来ていると言えます。
人任せにしない、責任を押しつけない社会をどう作っていかなければならないのです。

そのような取り組みとして、地域分権システムが少しずつ知られて来ています。
地域の中で「できる人」が「できること」を担っていく仕組みが重要なのです。

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今回の久先生の講座では、「近代」の特徴と課題をとてもわかりやすく整理をしてくださいました。
私が社会人になってからNPOのこれからについて学びたいと思って入った大学院時代の2年間で学んだ「近代」の特徴をとても簡単に整理してくださったことには驚きでした。

次回は、11月8日(火)です。
テーマは、「なぜ今、市民主体のまちづくりなのか」
時間は、18時30分〜。
場所は、東播磨生活創造センター「かこむ」で行います。
お気軽にご参加ください!
※参加ご希望の方は t-kashiwagi@npo-seeds.jp までご連絡ください。
第11回シーズ加古川塾「市民公益税制実現」 [2011年08月23日(Tue)]
先週19日に、第11回目のシーズ加古川塾を開催しました。
今回のテーマは『市民公益税制実現 −これからの日本の寄付文化−』ということで、前回に引き続き、講師に認定NPO法人市民活動センター神戸の実吉さんに来ていただきました。



------【シーズ加古川塾とは】------

シーズ加古川塾は、激変する社会のさまざまな問題について議論し合う「市民まちづくり塾」です。
昨年度までは、シーズ加古川の役員・職員・会員向けの講座でしたが、今年度から一般の皆さまもオープンにして、再開することとなりました。
毎月テーマを決めて、講師によるミニ基調講演と参加者によるディスカッションを組み合わせた、勉強しやすく発言しやすい、でもちょっとアカデミックな庶民塾です。
どなたでも参加自由な場です。

今までの内容は、
第1回 『国家・市場・市民社会』(講師:市民社会研究所所長今田忠氏)
第2回 『市民社会とは何か?』(講師:市民社会研究所所長今田忠氏)
第3回 『NPOは多元社会を超えられるか』(柏木登起の修士論文発表)
第4回 『企業のCSR活動」』(講師:市民社会研究所所長今田忠氏)
第5回 『中間支援組織について」』(講師:市民社会研究所所長今田忠氏)
第6回 『地方分権と市民自治の系譜〜歴史的転換期を振り返る』(講師:市民まちづくり研究所所長松本誠氏)
第7回 『地方自治と住民自治の現状と課題』(講師:市民まちづくり研究所所長松本誠氏)
第8回 『参画・協働と自治、議会基本条例』(講師:市民まちづくり研究所所長松本誠氏)
第9回 『市民自治の担い手と市民力向上の課題』』(講師:市民まちづくり研究所所長松本誠氏)
第10回 『「改正NPO法成立」−どうなる?NPOのこれから−』(講師:認定NPO法人市民活動センター神戸理事・事務局長実吉威氏)
-----------------------------------

以前のブログにも報告しましたが、今年6月にNPO法と税制度の歴史的大改革が実現しました。
すでに、新しい寄附税制は6月30日から施行されています。
@寄付する人に対して所得税の税額控除が導入されました。
認定NPO法人等に寄付した個人に対して、税額控除制度(最大約50%)が導入されました。
例えば、10万円寄付すると最大約5万円戻ってくる優遇措置で、これにより、個人の寄付の促進が期待されます。

A認定NPO法人の認定要件が緩和されました。
税制優遇のある「認定NPO法人」の要件が大幅に緩和されました。
「3,000円以上の寄附者が年平均100人以上いる」などの要件を満たしさえすれば、従来より簡単に認定されることになります。

B地域において活動するNPO法人等に対して個人住民税による支援が可能になりました。
都道府県や市区町村で活動するNPO法人のうち、条例で定めることで、個人住民税の寄附金税額控除の対象として個別に指定したものは、Aの要件を満たすものとできるようになりました。
つまり、Aの「3,000円以上の寄附者が年平均100人以上」という要件を地域にあわせて、50名にできたりすることができるものです。

C日本版プランド・キビング税制が創設されました。
プランド・キビング税制とは、NPOに寄付をしたいけれども「どこに寄付していいかわからない」という方のために、信託制度を活用して、資産を認定NPO法人などへ寄附しようというものです。
今回の税制改正で、地元の信託銀行などに預けた財産から生じる利子所得が非課税となりました。

以上が大きな改正ポイントです。
これらの改正によって、寄附する側が優遇を受けられるような制度が実現しました。
来年4月からのNPO法改正とあわせて、今後ますます日本の寄付文化が醸成されていくことが期待されています。
行政との協働を考えるきっかけ事業 [2011年08月06日(Sat)]
先日、明石市市民提案型パイロット協働事業を受託した「うおずみん・ふるさと創生プロジェクト」の月1回の会議にオブザーバー参加させていただきました。
6月から3回目の参加です。

明石市市民提案型パイロット協働事業についてはこちらをご参照ください↓
http://www.city.akashi.hyogo.jp/community/community_shitsu/kyoudou.html

この事業は平成22年度からスタートして、今年が2年目。
今のところ3年の事業として、進められています。
明石市がこの事業に対して、1,000万円という大きな予算をつけてこの事業を進めたことは素晴らしいことです。
市民と協働するまちづくりに向けて、画期的な事業だと思います。

この「パイロット協働事業」について、前回公開プレゼンを見た感想をブログで書きました。
その反響は思っているよりもすごく、様々なご意見をいただきました。
(こんなに反響のあったブログは初めて!?)
前回のブログはこちら↓
https://blog.canpan.info/toki/archive/188

どんな反響だったかというと、、、
「行政と協働する」事業だと思っていたけれど、役所に行って話をしても協力すらしてくれない。
「協働事業」であるはずなのに、「行政にお願い」している。
「協働とは何なのか?」をもう一度考えたい。
などなどのご意見をいただきました。
ありがとうございます。
この場を借りて、改めてお礼申し上げます。

この事業が22年度スタートする時点では、誰もが(おそらく行政もが)そんなに市民と行政と協働することを難しいことだとは思っていなかったのだと思います。
私もその一人です。
委託事業の受託者としての市民と、発注先としての行政がどう「協働」していくのか、何をもって「協働」というのかについては大変難しい問題です。
市民から提案した企画内容について、単に「協力する」ことだけを「協働」というのか。
どのような進め方をすれば行政と「協働」することができるのか。
私自身も改めて「協働」とは何なのかを考えています。

今回、「うおずみん・ふるさと創生プロジェクト」の会議の場でも、参加している30名弱の住民の方々みんなが、「行政と協働すること」を考えていらっしゃいました。

非常に難しい問題ですが、この事業によって、このように「市民と行政がどう協働していくのか」について、多くの市民が考える機会となったことは大変良かったと思います。
この事業の一番の大きな成果かもしれません。
今後も「市民と行政がどう協働していくのか」について、深く考えていきたいと思います。
明石市市民提案型パイロット協働事業公開プレゼンを見学して [2011年06月05日(Sun)]
明石市では平成22年度から「明石市市民提案型パイロット協働事業」がスタートしています。

この事業は、総額1,000万円以内で、市民が「明石市にとって必要」だと思う事業を提案し、明石市と協働で実施しようという事業で、1件当たりの応募金額の上限等は定められておらず、市民が様々な形で提案でき、市と一緒になって進めていこうとするものです。

詳細は、下記のURLにご参照ください。
http://www.city.akashi.hyogo.jp/community/community_shitsu/kyoudou.html

明石市は、平成22年に自治基本条例が制定され、施行されています。
明石市はこの自治基本条例のもと、「市民参画」や「協働のまちづくり」が進められており、この「市民提案型パイロット協働事業」もその一環で企画された事業です。

このような自治基本条例の「市民参画」という考えから、提案された内容を審査するコンペについては、公開プレゼンテーションの形が取られており、採択された団体の申請書(企画書)もホームページで公開されています。
まだまだ情報開示が十分というわけではありませんが、少しずつ「市民参画」を促進させるために、情報がオープンにされるようになってきている点は大変評価できると思っています。

そんな「市民提案型パイロット協働事業」の公開プレゼンテーションが、先日の6月4日行われ、見学してきました。



受付で申請団体10団体分の申請書(企画書)が渡されたのですが、この申請書(企画書)や、公開プレゼンテーションの内容を見て、改めて色々と考えさせれらました。

本来、「市民提案型パイロット協働事業」は、市民と市が協働して行う事業のはずなのですが、申請団体の意識は自分たちのやりたい事業の助成金を申請するような感覚なのです。
あくまで明石市として行う必要のある事業、つまり公共が担うべき事業に対して、明石市だけではできないし、アイデアもないので、協働で実施していきましょうというのが本来、この事業の趣旨です。
そうでなければ「市民提案型の協働事業」にはなりません。
しかし、今回申請している団体の多くが、単純に申請する側がやりたい事業に対してお金(補助金や助成金)をつけてほしいというような意識である印象を受けました。
せっかくとっても頑張って色々と企画されているのに残念な限りです。
アイデアは素晴らしいのですが、明石市とどう「協働」していくのかという点がまだ具体的になっていないところが多々見えました。
それでは、「協働」というわけにはいきません。

また、申請書についても、しっかり書くことができている団体もあるのですが、多くの団体が何をやりたいのか、明石市とどう協働していくのか、この事業を公共として担わなければいけない必要性はどこにあるのかなどを明確に書けていません。
文章ひとつとっても、クオリティがあまり良いとは言えませんでした。
せっかく素晴らしい事業を考えられていても、それをどう見える化していくのか、自分たちの想いを人にどう伝えていくのかという点の力がもっともっと必要なのです。

今回改めて、市民と市が「協働」するということを色々と考えさせられました。
市民の提案力が今のままでは、行政側も市民を信用して、税金をゆだねようということにはなりません。

昨今、行政が実施している事業はどんどん市民にゆだねるべだと言われる方々が多くいらっしゃいます。
小さな政府を目指すのなら、そうしていくべきだという私も思います。
しかし、それを進めていくのであれば、やはり市民がもっと自治意識を持って、もっとレベルアップをしていかなければいけません。

それぞれの団体や人がやりたい、こんなことをしていきたいと思っている事業を、どのように申請書(企画書)に表現するのか、どんな風に見える化をしていくのかについて、中間支援組織としてお手伝いしていかなければならないことを痛感した1日でした。
新しい公共支援事業について [2011年03月04日(Fri)]
平成22年度の国の補正予算で、「新しい公共支援事業」という87.5億円が確定しました。
これは、新しい公共の担い手を育てるため、その担い手ととなり得るNPO等の基盤整備を行うための事業で、各都道府県に基金として配分し、都道府県は2年間に渡って下記のような事業を行うというものです。

(1)NPO等の活動基盤整備のための支援事業
(2)寄附募集支援事業
(3)融資利用の円滑化のための支援事業
(4)つなぎ融資への利子補給事業
(5)新しい公共の場づくりのためのモデル事業
(6)社会イノベーション推進のためのモデル事業

詳しくは、添付のPDF(内閣府発行のガイドライン)を見てください。


さらに詳しくは、内閣府のホームページを
http://www5.cao.go.jp/npc/unei/uneikaigi.html

この場合のNPO等とは、NPO(NPO法人、市民活動団体、ボランティア団体など)だけでなく、社会福祉法人や公益法人、地縁組織など幅広い活動者が対象となっており、その基盤整備を行うことによって、これらの活動がより活性化し、新しい公共の担い手となることが期待されているのです。

この事業の評価されるべき点は大きく2つあると思っています。
1つは、この事業そのものの趣旨です。
今までの施策はどちらかというと、直接的な事業を支援、または実施することがほとんどでしたが、この事業は基盤整備を行うことを目的としています。
基盤整備というのは、成果が間接的になってしまうため、今まで予算化されることはほとんどありませんでしたが、今回のこの新しい公共支援事業は、基盤整備を行うことを目的に予算化されたという点は評価されるべきだと思います。
つまり、中間支援の重要性が認識されたということなのです。

2つ目は、この事業のスキームです。
昨年12月と今年1月の2回の運営会議(内閣府開催)と、パブリックコメントを経て作られたガイドライン(2月3日発表)において、行政主導でこの事業を行うのではなく、新しい公共の担い手となるべき存在と協働しながら作ることができるようなスキームとなっています。
つまり、今までの公共(古い公共?)施策は、行政が中心に事業方針を作り、事業を計画し、実施するという形でしたが、今回のこの事業は学識経験者や各種専門家、NPO、中間支援組織等で構成される運営委員会が基本方針から事業計画、審査、選定から成果の評価までを行うというスキームとなっており、そのプロセスにおいても、情報公開を徹底し、市民が参画した形で実施されるという形となっているのです。
ガイドラインではかなり細かいところまで指摘されています。
例えば、運営委員会においても一般公開を勧めていいますし、動画等も導入するように示されています。
また、今までの事業では成し得なかった革新的で斬新な事業を実施するようにとも明記されており、既存事業の補てんや振替に使うことを禁止しています。

内閣府のガイドラインに示されるように、この新しい公共支援事業によって革新的で斬新な取り組みが多く実施され、新しい公共の担い手が育つことを期待したいと思います。
公共施設の市民運営を考えるセミナーを開催します! [2010年12月30日(Thu)]
来る1月10日に「公共施設の市民運営を考える」セミナーを開催します!

かねてから、東播磨生活創造センター「かこむ」の指定管理者として運営上、これからの公共施設のあり方について考えさせられる機会が多くあります。
税収がどんどん減少する中、すべての公共サービスをすべて行政が行っていくことは、不可能です。
市民自らが運営そのものにも参画し、そして公共施設を上手に活用しながら、自己実現していくことが大事だと思っています。

そのような中、これからの公共施設運営について学ぶセミナーを開催します。
講師として、「公共施設の市民運営を考える調査プロジェクト」の調査研究報告書編集長であり、自ら参加型の様々なアイデアを企画実施している、NPO法人ハンズオン埼玉の西川正氏をお招きし、兵庫県や東・北播磨地域の公共施設の在り方や、市民参加型公共施設について考えていきます。
公共施設の運営に携わっている方も、これからの公共を考えたいという方も、お気軽にご参加下さい。



日程:2011年1月10日(月・祝)
時間:15時〜17時
場所:東播磨生活創造センター「かこむ」
講師:NPO法人市民活動情報センター・ハンズオン!埼玉 常務理事 西川正氏

---- NPO法人市民活動情報センター・ハンズオン!埼玉とは ----
ハンズオン(HANDS ON)とは、博物館などで、展示物をただ眺めるだけではなく、自身
が主人公となって、見て・触って・からだ全体を使って体験し、楽しみながら学ぶという
スタイルのことをいいます。一人ひとりの市民が、自分の暮らしやまちづくりの主人公に
なれるような「しかけ」がまちじゅうにあふれることを目指して活動しています。
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これからの公共施設のあり方を一緒に考えましょう♪
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