明石市市民提案型パイロット協働事業公開プレゼンを見学して [2011年06月05日(Sun)]
明石市では平成22年度から「明石市市民提案型パイロット協働事業」がスタートしています。
この事業は、総額1,000万円以内で、市民が「明石市にとって必要」だと思う事業を提案し、明石市と協働で実施しようという事業で、1件当たりの応募金額の上限等は定められておらず、市民が様々な形で提案でき、市と一緒になって進めていこうとするものです。 詳細は、下記のURLにご参照ください。 http://www.city.akashi.hyogo.jp/community/community_shitsu/kyoudou.html 明石市は、平成22年に自治基本条例が制定され、施行されています。 明石市はこの自治基本条例のもと、「市民参画」や「協働のまちづくり」が進められており、この「市民提案型パイロット協働事業」もその一環で企画された事業です。 このような自治基本条例の「市民参画」という考えから、提案された内容を審査するコンペについては、公開プレゼンテーションの形が取られており、採択された団体の申請書(企画書)もホームページで公開されています。 まだまだ情報開示が十分というわけではありませんが、少しずつ「市民参画」を促進させるために、情報がオープンにされるようになってきている点は大変評価できると思っています。 そんな「市民提案型パイロット協働事業」の公開プレゼンテーションが、先日の6月4日行われ、見学してきました。 ![]() 受付で申請団体10団体分の申請書(企画書)が渡されたのですが、この申請書(企画書)や、公開プレゼンテーションの内容を見て、改めて色々と考えさせれらました。 本来、「市民提案型パイロット協働事業」は、市民と市が協働して行う事業のはずなのですが、申請団体の意識は自分たちのやりたい事業の助成金を申請するような感覚なのです。 あくまで明石市として行う必要のある事業、つまり公共が担うべき事業に対して、明石市だけではできないし、アイデアもないので、協働で実施していきましょうというのが本来、この事業の趣旨です。 そうでなければ「市民提案型の協働事業」にはなりません。 しかし、今回申請している団体の多くが、単純に申請する側がやりたい事業に対してお金(補助金や助成金)をつけてほしいというような意識である印象を受けました。 せっかくとっても頑張って色々と企画されているのに残念な限りです。 アイデアは素晴らしいのですが、明石市とどう「協働」していくのかという点がまだ具体的になっていないところが多々見えました。 それでは、「協働」というわけにはいきません。 また、申請書についても、しっかり書くことができている団体もあるのですが、多くの団体が何をやりたいのか、明石市とどう協働していくのか、この事業を公共として担わなければいけない必要性はどこにあるのかなどを明確に書けていません。 文章ひとつとっても、クオリティがあまり良いとは言えませんでした。 せっかく素晴らしい事業を考えられていても、それをどう見える化していくのか、自分たちの想いを人にどう伝えていくのかという点の力がもっともっと必要なのです。 今回改めて、市民と市が「協働」するということを色々と考えさせられました。 市民の提案力が今のままでは、行政側も市民を信用して、税金をゆだねようということにはなりません。 昨今、行政が実施している事業はどんどん市民にゆだねるべだと言われる方々が多くいらっしゃいます。 小さな政府を目指すのなら、そうしていくべきだという私も思います。 しかし、それを進めていくのであれば、やはり市民がもっと自治意識を持って、もっとレベルアップをしていかなければいけません。 それぞれの団体や人がやりたい、こんなことをしていきたいと思っている事業を、どのように申請書(企画書)に表現するのか、どんな風に見える化をしていくのかについて、中間支援組織としてお手伝いしていかなければならないことを痛感した1日でした。 |