学んだこと@「お客様にしない」 [2011年01月11日(Tue)]
ひょうごNPO-YOUTHの合宿でNPO法人ハンズオン!埼玉の西川さん、吉田さんから学んだことがたくさんあります。
ブログでもご報告したいと思いますが、たくさんありすぎるので、大きく3つに分けたいと思います。 一つ目は、「お客様にしない」ということ。 このお話は私にとっては頭をガーンと打たれたような衝撃を受けました。 というのも、今まで考えていたこと真逆のお話だったからです。 シーズ加古川のミッションは、「自律したエンパワーメントを持った市民を増やす」こと。 自律したエンパワーメントを持った市民というのは、自ら考えて、自ら行動できる市民ということ。 自ら考えて、自ら行動できるということは、周りにある様々な事象について、その事象についてどうなのかをしっかりと考え、行動することができるということです。 しかし、「しっかりと考えて、行動を起こせる人」がまだまだ少ないのです。 その理由の一つとして、ハンズオン!埼玉の方は、「労働者としてお金を得て、得たお金を消費者として使う」、こんなサイクルに慣れすぎてしまっているからとおっしゃられていました。 つまり、すべてのサービスを「買う」ことに慣れすぎてしまっているのです。 例えば、子育てについて言うと、保育所の先生が提供する保育というサービスを受けている消費者になってしまっています。 昔は、保育所も地域も、家族も一緒になって子どもがどう育つのかを考えてたハズなのですが…。 だから、何か事が起こったときに、「苦情」「クレーム」といったようなことになってしまいます。 保育の先生たちも保護者の方から「あなた保育士でしょ?しっかり保育して当然じゃない!」と言われるそうです。 「一緒になって問題をどう解決できるかを考えよう」という姿勢ではないのです。 そうなると、当然保育所側も保護者からの声が「苦情」「クレーム」に聞こえてしまいます。 だから、そんな「苦情」「クレーム」が起こらないために、できる限り何も起こらないようにしたいという心理が働いてしまうのです。 「泥んこ遊びをさせたい!」と思うお母さんの声も、「汚れて洗濯が大変だから泥んこ遊びはやめさせたい!」と思うお母さんの声、両方とも「苦情」「クレーム」なのです。 今の社会は、悲しいですが、子育てのこと、環境のこと、地域のこと、まちのことについても、消費者の気分なのです。 消費者になると、サービスを「買う」という受け身になってしまうので、自分の問題だと感じていません。 自分の問題ではないから、自分で考えたり、自分から行動を起こすこともないのです。 ハンズオン!埼玉の活動では、このような意識をどう変えていくかということをとてもユニークな活動で実現されています。 その考えのコンセプトは、「お客様にしない」ということ。 消費者は、お客様。 なので、「お客様にしない」。 サービスを買いたいときだけ「買う」消費者=お客様ではなく、「自分の問題」として考えられる、つまり当事者として考えられる市民を増やすお手伝いをされています。 この「お客様にしない」という意識は、私にとっても大きな意味のある考えでした。 いつもブログでも書いているように、シーズ加古川は東播磨生活創造センター「かこむ」という公共施設の指定管理者として、施設の運営をさせていただいています。 その施設は、県民の生活創造活動の推進(よくわからないですね、、、)を目指しています。 【生活創造とは・・・(兵庫県のホームページより)】 大量生産、大量消費の時代は終わり、経済効率よりも生活の質を重視する成熟社会に、私たちは足を踏み入れています。 学んだことを生かし、自分を高め、くらしを高め、社会参加活動を展開することを通じて、さらに新しい学び、活動につながる・・・このようにして、一人ひとりが自らの生活の中で、成熟社会にふさわしいライフスタイルを創造していこうとする取り組みを、兵庫県では、「生活創造活動」と呼び、支援しています。 つまり、この文章を読む限りでは、生活創造とは、「自分を高め、くらしを高め、社会参加活動を展開することを通じて・・・ライフスタイルを創造していく」とある限り、「自分で考えて、自分で行動し、自分のライフスタイルを創造していく」活動なのです。 なので、私たちシーズ加古川は、シーズ加古川の理念「自律したエンパワーメントを持った市民を増やす」ということを実現することと、「生活創造の推進」はつながるものがあると考えて運営しています。 ただ、そんな意識と実は矛盾するのが、施設を利用してくださる方々を「お客様」だと思っていたことなのです。 「かこむ」を利用しながら、みんなが「自律したエンパワーメントを持った市民」につながるようにお手伝いをしたいと思うことと、利用者のみなさんを「お客様」だと思うことが矛盾しているのです。 利用者の県民の皆さんは、お客様=消費者=サービスを受ける受け身の人ではなく、「オーナー様」だったのです。 「お客様」にすることが、サービスを受けている消費者という意識を生んでしまい、受け身にさせてしまいます。 ハンズオン!埼玉さんの考え方は、私にとって大きく勉強になったことの1つでした。 続きは次回。。。 |