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2506東葛観察研修会 赤城山と天神平 谷川岳 [2025年06月10日(Tue)]
バス一泊 赤城山と谷川岳
  日 時:2025年6月8日(日)〜9日(月)
  場 所:赤城山;覚満渕と小沼&長七郎山、
      谷川岳:天神平と旧清水越道(マチガ沢&一ノ倉沢)
  参加者:26名(女性15名、男性11名)
   小川、草野、白井(香)、鈴木(と)、田島、徳本、長谷川、三角、林(信)、平田、
   前田、浦部、川北、山下、吉岡、小島、白井(幸)、鈴木(俊)、鈴木(護)、藤田、
   山口、龍門、伊藤、三嶋、林(眞)、高橋

研修1日目 赤城山 林信子(船橋市)
 松戸6時50分集合、バスにて7時に赤城山を目指して出発。第一目的の覚満淵には予定より早く到着することができた。途中バスからはエゴノキ、ミズキ、ニセアカシアの満開の花が見られ、こちらより花は1か月ぐらい遅いようだ。覚満淵は標高が1360m、周囲長は800mほどの高山植物が豊富な小さな湿原で木道が整備され自然観察にはぴったりな所。最初に観察できたのは標高が高く、蛇紋岩地帯や石灰岩地帯にも生育するというミヤマザクラ。樹皮は桜だとわかります。特徴は、葉が展開した後に花をつける、花序は総状につき、花弁の先が円く凹状にへこまない、葉状の苞が果期までも残る、高地から亜高山にかけて生え、他のサクラよりも花期が遅く深山に咲く事だそうだ。径1.5〜2 cmの白色の5弁花を5〜8個ぐらいつけていた。湿原が好きなズミが、木全体が真っ白になるくらい、びっしりと花を付けています。周りはミズナラが生い茂りエゾハルゼミが一斉に鳴いてうるさいくらい。クリンソウ、ミズバショウも咲いています。サワフタギに綺麗なシロシタホタルガの幼虫を見つけうれしくなる。目に入ってくるのはレンゲツツジの鮮やかなオレンジ色の花、花は日本産のツツジでは最も大きく、一枝から複数の花が咲くため、華やかな景観を作りだしています。ただし花や葉、根にはグラヤノトキシンという毒があり動物も食べない。同じような色のツツジはもう1種、日本の野生ツツジの代表ヤマツツジも花盛り。その二つを見分けるには葉を見て、しわが目立てばレンゲツツジだそうだ。「私はレンゲツツジ」と覚えればすぐ覚えられた。ミヤマヤナギの柳絮りゅうじょがとんでいます。木道の下にはスミレが咲いていて写真に撮って引き伸ばしてみる。花は大型で、紅紫色をしている。花弁の先端がサクラの花弁のように切れ込んでいるのが分かった。後でサクラスミレでしょうと教わった。花は日本産スミレ属の中で一番大きいらしい。白いスミレはこちらでもよく見かけるツボスミレだろうか。湿原には胞子葉が葉軸の中程に付く大型のオニゼンマイ、株の内側に胞子葉が別に出るヤマドリゼンマイ、ワラビなどのシダ類。木道わきはミヤマニガイチゴ、テンナンショウの仲間、ツクバキンモンソウ、クサタチバナ、ヒロハヘビノボラズ、アカギキンポウゲと花盛り。湖の向こうに鹿が1頭現れた。鹿は可愛いがこの貴重な植物の食害が懸念される。この遊歩道には動物保護のゲートが設けられており動物は入れないようにはなっている。近年林業関係者が減って森林が荒れ、鹿のエサが少なくなって鹿が高山に入り込み高山植物を食べつくし、表土が流失して回復困難となる被害があると聞く。そうならない前に皆で考えなくてはいけない。流山の小学校の児童たちが林間学校で来ていて「こんにちは」と勢いよく追い抜いていく。この子達にもこの状況を考えるきっかけになってほしい。昼食はエンレイソウを誤って踏みつけそうな所でいただく。
午後の部は小沼一周コースと長七郎山を登って歩く一周コースに分かれて出発。小沼一周コースではダケカンバ、リョウブ、ヤマハンノキが自生する中 ウグイスの鳴き声が聞こえてくる。鮮やかなピンクのトウゴクミツバツツジと白のシロヤシオが競って見事に咲いている。トウゴクミツバツツジは雄蕊 ゆうずい10本で長短があり花糸は無毛。雌蕊の花柱には下半分に白い毛が密に生え、子房にも花柄にも軟毛が密生するのが特徴だという。シロヤシオの雄蕊の先に2つの穴が開いているのを見つけた人がいました。花粉が出てくる孔で、花粉は粘着糸という細くて長い糸で繋がって出てくるという。アブラツツジ、サラサドウダン、マイズルソウは葉が2枚で花が咲く。

研修2日目 谷川岳 天神平 高橋 重(我孫子市)
 猿ケ京温泉は赤谷プロジェクトのエリア外ではあるが、宿から見える小出㑨山の東側「赤谷源流エリア」はイヌワシの営巣環境の保全、南側「小出俣エリア」は植生管理のための研究などの地域だ。前日の夕食後、➀赤城山と谷川岳-二つの山の違い、Aゴンドワナ要素の植物、B南米の旅の研修会が行われた。じい様たちは部屋に戻り、行動の疲れもものかは夜遅くまで懇談した。
翌朝、天候が気になり早く目覚めて一風呂浴びる。今日も晴れ、谷川連峰の連なりがくっきりと見える。今日も楽しむとばかり女性陣の多くが朝の散歩に出かけて行った。8時半、サルナシの両性花が咲く駐車場を谷川岳山麓へ向けて出発。道中「いきもの村」と名づけられた赤谷プロジェクトの活動拠点があり、そのメンバーから研修を受けた前田さんから当時の説明をいただく。千葉市が管理運営していた「高原千葉村」もあったが、今はオートキャンプ場に変わった。国道291号に出て、コンビニでおにぎり弁当とお茶を受け取り、谷川岳ロープウェイ駅には9時半過ぎに着いた。
ゴンドラ3台に分乗し天神平へ向かう。眼下の田尻沢で起きた底雪崩の跡が凄まじい。大きなホウノキの花は遠目に小さく、真っ白なタムシバもよく目立つ。乗継いだペアリフトの足下に咲くナエバキスミレ、ミヤマスミレなどが目に入る。天神峠展望台からは目の前に小出俣山〜爼ー〜耳二つ、さらに湯桧曽川源流の残雪の山々が広がる。山は天気が一番。天神山の池でクロサンショウウオの卵塊を見た後、天神平へ歩いて下る全員を3班に分ける。この辺りは蛇紋岩地帯だと昨晩の研修で聞いたが、スキー場なのでそれらしい岩はルート上には見られない。エチゴキジムシロ、ナエバキスミレ、淡紅紫色の花をつけ葉の基部が深い心形のミヤマスミレ、ショウジョウバカマや咲き残りのカタクリなどを観察。ヒメギフチョウの食草、ウスバサイシンの地味な花も多い。草原にはマイヅルソウが咲き、雪解けの池にカエル(種不明)が集まっている。天神平駅近くにサンカヨウ、シラネアオイ、ツバメオモトがあるが野性だろうか。天気と気分、両方良し。山々を眺めながらおにぎりランチを摂り、ロープウェイで土合駅に下る。
13時前にベースプラザから旧道(清水越道)を一ノ倉沢方面へ向かう。ここに戻る時間を決めるが、一ノ倉沢の岩壁を見たいとの思いもあるのだろうか足取りが早い。観察対象が少しずつ異なる参加者たち、ばらけ始めたので指定時刻になったら各自が引き返す判断をするようお願いする。大きな矢車形の葉を付けたヤグルマソウが咲き、白い紋を付けたキンモンガが翅を休めている。渓畔林の構成種の一つ、長く垂れ下がった果穂を付けたサワグルミの保護林が続く。マチガ沢出合のマムシ岩で林さんから花崗班岩の説明をもらう予定だったが誰もいない。一人、岩を観て納得する。落果したブナの実、ウラジロヨウラク、アブラツツジを観ていると早くも折り返してきた先行隊とすれ違う。ツルアジサイ、タチカメバソウなどを見て私たち5名は14時過ぎに一ノ倉沢に着いた。マチガ沢で引き返した後続の方たちも、谷川岳や途中の自然を観察されたことだろう。全員がベースプラザに帰着し、バスは15時15分に出発した。高速道路を降りる頃、雨がポツポツ落ちてくる。18時30分、松戸に無事到着。幸運な2日間だった。

〇2日間の集合写真・自然観察写真、白井さん写真のURLでGoogle Photoを閲覧
   天神平でアサギマダラは鈴木俊さん撮影
  集合写真・観察報告.pdf  研修会写真 白井.pdf  2506アサギマダラ.pdf

Posted by 三嶋秀san at 11:26 | 投稿 自然観察 | この記事のURL | コメント(0)